森に帰ったゾウ~ベトナム最後のゾウたち~【前編】

2019/05/05 05:30 JST配信

象乗り(エレファント・ライド)ツアー

(C) Miwa ARAI
(C) Miwa ARAI

 野生のゾウは、暑い日中は木陰で涼み、水浴びをして体温を調節し、日に150Lもの水を飲む。

 南中部高原地方ダクラク省にあるブオンドン(Buon Don)観光区。取材の日の午後1時半、35度の灼熱の太陽の下、象乗り施設のゾウたちは、重い椅子と客を背負い、同じコースをひたすら歩き続けていた。歩けば歩くほど売上は増えるので、どんなに暑い時刻でも、どんなに年老いたゾウでも、客があれば休みなくツアーは出る。コースの合間も彼らには、一杯の水さえ与えられていなかった。

 長い一日が終わると、再び短い鎖で足を繋がれ、身動きできないままにじっと朝を待つ。テト(旧正月)等の観光シーズン中は、日に15時間以上歩き続け過労死するゾウもいるが、それを規制する法律はない。

象乗りのゾウは皆、幼時に家族から引き離され、過酷な調教を受ける。

手鉤で打たれて傷だらけのゾウの頭。象使いは手鉤を常に手に持っている。

前へ   1   2   3   4   次へ
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 南中部高原地方ダクラク省ブオンドン郡のブオンドン吊り橋観光センターは10日、観光客向けの「象乗りツ...
 南中部高原地方ダクラク省ラク郡リエンソン町(thi tran Lien Son, huyen Lak)に住むロンさんは9日、ゾ...
 南中部高原地方ザライ省イアパ郡チューモー村(xa Chu Mo, huyen Ia Pa)在住のシウ・キエムさんは12月4...
 南中部高原地方ダクラク省は、長きにわたり観光客を誘致してきた「象乗りツアー」から、「ゾウに優しい...
 世界自然保護基金(WWF)がこのほど南中部沿岸地方クアンナム省ノンソン郡(huyen Nong Son)にあるゾウ保...
 国内初の「助産師」のゾウとして知られる「フバン(H’Ban)」が10日、地元の南中部高原地方ダクラク省ラ...
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 前編 →
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 前編 →

新着ニュース一覧

 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)のサイゴン動植物園でこのほど、20年越しの期待の末、フラミンゴのヒ...
 日越文化交流イベント「2025ベトナムフェスティバルin愛知 名古屋」が、11月8日(土)と9日(日)の両日、...
 ホーチミン市で4日、「サイゴンの文化遺産」をテーマにした2階建て観光バスが運行を開始した。サイゴン...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 混み合う大学の中庭で、身長110cmのグエン・ティ・フオンさん(女性・23歳)は、まるで小学生が足早に歩...
 ベトナム株式市場は7日の取引で、アジア主要市場の中で最も大きく下落した。VNインデックスは前日比▲43...
 政府は、台風13号(アジア名:カルマエギ、日本では台風25号)で被災地となった南中部地方のクアンガイ省...
 ベトナム国家民間防衛指導委員会は7日朝、6日夜に南中部に上陸した台風13号(アジア名:カルマエギ、日...
 ホーチミン市建設局傘下の11区建設投資プロジェクト管理委員会は4日、同市フート街区(旧11区)のフート...
 韓国の食品製造会社であるサムファF&C(Samhwa F&C)はこのほど、自社で展開するフローズンヨーグルトの...
 ベトナムIT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は、ドイツのフラ
 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は6日、独自ブランドの香り「ニャー
 計画投資省海外投資局(FIA)が発表した海外直接投資(FDI)に関するデータによると、2025年1~10月期のFDI...
 ハノイ市人民委員会主席のチャン・シー・タイン氏が5日、党中央執行委員会によって中央監査委員長に選...
 ハノイ市の国家展示センター(VEC)で開催された「秋季フェア」で、トゥアンギア製造組立(Tuan Nghia)が...
 ホーチミン市建設局によると、同市コンダオ特区(コンダオ諸島)で初の電気バス路線が12月初旬に運行を開...
トップページに戻る