(C) tuoitre 写真の拡大 |
- 第7回臨時国会、国会議長解任の決議採択
- フエ氏、21年3月に国会議長に就任
- 「四柱」3人が相次ぎ解任の異例事態
ベトナム共産党中央執行委員会が4月26日にブオン・ディン・フエ氏の政治局員・党中央執行委員・国会議長としての職の解任を決定したことを受け、国会は5月2日午後、人事手続きのため、第15期(2021~2026年)国会の第7回臨時国会を開催した。
国会は、秘密投票により、フエ氏の第15期国会の国会議長と国会議員としての職の解任に関する決議を採択した。
党中央執行委員会はこれに先立つ4月26日午後に声明を発表し、フエ氏が国の重要な指導者であることを改めて主張した一方、党員に対する禁止事項に関する規定に違反し、国の幹部・党員として国民の模範となる責務を果たさなかったと説明し、党と国家、国会議長としての尊厳を損なった責任を問われるべきとした。
具体的な理由は明らかにされていないが、フエ氏自身も違反を認識し、辞意を表明したという。
国会議長はベトナムの立法府の長であり、「四柱」と呼ばれる国の最高指導者(序列順で、◇共産党書記長、◇国家主席、◇首相、◇国会議長)の中で4番目に重要な地位となる。国会議長、国会議員は、国会が任命する役職であるため、国会によって解任される手続きを踏むことになっている。
フエ氏は1957年生まれの67歳。北中部地方ゲアン省の出身で、経済学博士号(旧チェコ・スロバキアのブラチスラバ経済大学)を有する。経歴について、ハノイ財務会計大学講師、同大学会計学部長、同大学副学長、国家会計監査副委員長、国家会計監査委員長、財政相、中央経済委員長、副首相、ハノイ市共産党委員会書記を歴任し、2021年3月に国会議長に就任した。
党中央執行委員会はこれに先立つ3月にも臨時会議を開き、ボー・バン・トゥオン氏の政治局員・党中央執行委員・国家主席・国防安全保障評議会議長としての職を解任することを決定。同氏は2023年3月、新型コロナを背景とする一連の違反事件で政治的責任を問われて解任となったグエン・スアン・フック元国家主席の後任として同ポストに就任したが、わずか1年で解任された。
今回、フエ国会議長が解任されたことで、「四柱」のうち国家主席2人と国会議長1人の計3人が、短期間で相次ぎ解任されるという異例の事態となっている。
なお、国会常務委員会の決定により、チャン・タイン・マン常務国会副議長が、新国会議長の任命・就任までの期間に国会を率いることになっている。