南中部クアンガイ省ソンティン郡トータイ村で精神病を患った男性が27年間、家族によって首を鎖でつながれ監禁されていたことが分かった。
この男性はファン・シ・リエプさん(53歳)。同村でかつては優秀な生徒として一目置かれる存在だったが、高校を卒業して1年後から精神を病み始めた。家族らはたくわえのすべてを使って彼を治療しようとしたが、病状は悪化するばかり。リエプさんは路上を放浪するようになり、不発弾を家の中に持ち込んで爆発させようとした。
家族らは1982年、リエプさんが隣人に迷惑をかけないようにと首に鎖をつけて、庭にある小屋で監禁することに決めた。母親のファム・ティ・スさんは悲嘆のあまり病に倒れ、やがて死亡した。
リエプさんの兄弟のファン・シ・ダインさんも2005年からよく似た精神病の兆しを見せるようになった。彼もリエプさん同様に放浪するようになったが、まだ鎖をつけられてはいない。
リエプさんの弟のファン・シ・フオンさん夫妻が2人だけで精神病の2人の兄の面倒をみている。フオンさんは「ダイン兄さんの治療をしたくても病院に入れるお金がない。これは運命かもしれない。ダイン兄さんもリエプ兄さんのようになるだろう」と語った。