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(本記事は、2014年9月23日付「ベトナム経済金融情報」で配信されたものです。)
若年人口が多く、社会人教育に対する関心も高いベトナムでは、教育サービスに対する需要が旺盛だ。インターネットが急速に普及している中、eラーニングに対する高い需要が見込まれることから、多くのIT関連企業が相次いで学習サイトを開設している。
国内で提供されているeラーニングプログラムは、外国語(主に英語)習得コースや高校補習コース、大学受験コース、大学教育コースなど多岐にわたっている。有名な講師を招きビデオを撮影したり、講義を音声で流したりするなど、様々な形式で提供されている。
eラーニングサイトで最も多いのは英語教育コースで、数十件に上る。一方、大学教育コースを提供しているのはトピカ(TOPICA)1社のみとなっているが、同コースでは公立の国民経済大学(NEU)の学士号を取得することが可能だ。
大学受験コースでは、IDJ教育投資株式会社(IDJ Technology)が80億VND(約4100万円)を投じて2011年に<hoc360.vn>を開設。ベトナム最大規模のインターネット企業VNGコーポレーション(VNG Corporation)も2012年から同分野に参入し、<zuni.vn>を展開して無料の大学受験コースを提供している。
またインテルベトナムとT&H社の共同事業として展開されている高校補習コース「インターネット・スクール・オブ・サイゴン<thpt.iss.edu.vn>」は、教育訓練省が定める高等普通教育カリキュラムに沿った数学・物理・化学・生物・文学・歴史・地理・英語の計8科目の講義収録ビデオ約800コマ分を受講することができる。
講義の中では、通常の画像や動画だけでなく、3Dや音響効果などを駆使した記憶に残りやすい教材を使用。また、選択式や記述式の試験や、知識を更に向上させるための参考文献も含まれており、専門用語の英単語リストまで用意されている。教材の作成には、レーホンフォン高校、チャンダイギア高校、ホーチミン市国家大学付属高校など、ホーチミン市の有名公立校の教師が協力した。
同サイトのインターフェースは、パソコンだけでなくタブレット端末、スマートフォンにも対応しているため、学習者は場所を選ばず講義を受けることが可能だ。同プロジェクトへの投資総額は200億VND(約1億0300万円)だというが、1科目の受講料は1学期につき5万VND(約257円)で、かなり手ごろな価格設定となっている。
なお、公式な統計はないが、eラーニングを展開しているデルタベト(DeltaViet)社によると、ベトナムのeラーニング市場規模は約1兆VND(約52億円)まで成長していると見られている。