ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

もしもハノイで地震が起こったら

2004/12/27 18:17 JST配信

 ベトナムの経済発展に伴い都市部では雨後の筍のごとく次々に高層ビルが建設され、また人口増加に伴う住宅需要の高まりで高層団地があちらこちらで建設されている。

 1年に数度の地震があたりまえの地震大国日本からベトナムに訪れた日本人の感覚では、ベトナムでは地震を気にすることなく、またこの国では地震はないとさえ思うかもしれない。

 しかしハノイを初めとしたベトナム北部地域(特に北西部地域)は地震発生地域で過去にマグニチュード(M)5クラスの地震が発生している。

 文献上に記載のある最も古い地震の記録は1277年で、北西部地方で震度7(ベトナム式=M5クラス)の地震が発生したと推定され、その翌年の1278年、そして1285年にはハノイ地方を同程度の地震が襲ったと見られている。

 また、最近では1958年にハノイの西60キロにあるYen Lac(Vinh Phu省=注:現在のVinh Phuc省とPhu Tho省)でM5.3を記録しているほか、同じくハノイから60キロ離れたTan Yen(Bac Giang省)でもM5.6(震源の深さ28km)の地震が発生し、ハノイ市で震度6(ベトナム式)の揺れを観測したほか、北部地方の広い範囲で震度4~5(同)を観測した。

 ベトナム科学技術院所属地球物理院のNguyen Ngoc Thuy準教授によると、ベトナムは世界的に見ると平均的な地震国で、そのほとんどが無感地震ではあるが毎日地震は発生しているという。またベトナムの地震多発地域は北西部地方で毎年M1~2程度の地震が発生しており、ここ5~7年ではM4~5クラスの地震が発生し、平均的には50年間に1回の割合でM6~6.8レベルの地震が発生していることになるという。近年の100年間では計120回の地震が観測されており、うち震度6(ベトナム式)以上が32回、震度7(同)が3回発生している。

 地球物理院ではハノイ周辺でこの先M5.5~6程度の地震が発生する確立が高いと考えており、仮に地震が発生すれば地盤の弱いHai Ba Trung区とThanh Tri県では大きな被害を受けるだろうと警告している。

 そのほかのハノイ市内ではDong Anh県が最も地盤が固く、続いてTay湖西部とTu Liem県、Hoan Kiem区の順となっている。

 話は冒頭に戻るが、急な経済成長と人口増加で需要を増す高層ビルや高層団地。概観は素晴らしく経済成長のシンボルとして首都の街を見下ろしているが、連日紙面を賑わす手抜き工事や施工業者が少しでもお金を懐に入れたいがために工事費を浮かして建設し、完成直後から壁のひび割れ、浸水が発生する団地の数々。M5程度の地震が起きてもどっしり立っていられる建物は果たしてどのぐらいあるのだろうか。

[VIETJO ベトナムニュース、参考:Ha Noi Moi].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
「アジアのベストレストラン」、ベトナムから1店舗が97位に選出 (10:18)

 イタリアのサンペレグリノ(Sanpellegrino)とアクアパンナ(Acqua Panna)が冠スポンサーを務める「アジアのベスト50レストラン(Asia’s 50 Best Restaurants)」の2025年版と併せて発表された51~100位のレストラン...

訪日ベトナム人の犯罪検挙状況、検挙件数・人員ともに国籍別最多 (9:01)

 日本の警察庁組織犯罪対策部はこのほど、令和6年(2024年)における組織犯罪の情勢(確定値版)を発表した。訪日外国人犯罪情勢に関するデータによると、2024年の国籍等別の総検挙件数・人員ともにベトナムと中国の...

クアンチ省:故レ・ズアン書記長の記念館が完成 (2日)

 北中部地方クアンチ省チエウフォン郡チエウタイン村で4月28日、南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)を記念して、故レ・ズアン書記長記念館の竣工式が開催された。  同省の重要革命史跡...

1975年4月30日、統一会堂でベトコンの旗を振った兵士の記憶 (4/27)

 1975年4月30日、特殊部隊の兵士だったファム・ズイ・ドー上尉(男性・75歳)は、南ベトナム大統領官邸(現在のホーチミン市の「統一会堂」)の2階に駆け上がり、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)の旗を何度も振っ...

ホーチミン:空港新ターミナル行き電気バス路線を運行開始 (2日)

 ホーチミン市交通公共事業局傘下の公共交通管理センターは4月28日、ホーチミン市1区サイゴンバスターミナル(ben xe buyt Sai Gon)とタンソンニャット国際空港を結ぶ「109番」の路線バスについて、このほど開業...

ベトジェットエア、5月5日限定で運賃55%割引キャンペーン (2日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、5月5日(月)の午前0時から23時までの1日限定で、ベトナム国内線と国際線のエコクラス運賃が55%割引(税など含まず)

4月のベトジョー記事10選:トランプ関税、石破首相訪越など (1日)

 4月は、ドナルド・トランプ米大統領が、世界各国からの輸入品に対し「相互関税」を課すと発表しました。180以上の国・地域に一律10%の関税を課した上で、国・地域ごとに異なる税率を上乗せし、ベトナムに対し...

4月のベトジョー記事アクセス数ランキング (1日)

 VIETJOベトナムニュースが4月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:200年の歴史を有する毒ヘビ養殖村、高収入も危険と隣り合わせ

4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに読みたい記事8選 (4/30)

 今から50年前の1975年4月30日、サイゴンの南ベトナム大統領官邸(現在のホーチミン市の「統一会堂」)の正門に2台の戦車が突入し、サイゴンが陥落しました。これにより、長く続いたベトナム戦争が終結しました。 ...

ベトナム軍事歴史博物館、南部解放記念日に伴う5連休は入館無料 (4/30)

 ハノイ市ナムトゥーリエム区にあるベトナム軍事歴史博物館は、4月30日(南部解放記念日)と5月1日(メーデー)に伴う4月30日(水)から5月4日(日)までの5連休中の入館料を無料とすることを決めた。  今回の決定は...

世銀、ベトナムの25年GDP成長率予想を+5.8%に下方修正 (4/29)

 世界銀行(WB)は先般発表した最新レポートの中で、ベトナムの2025年における国内総生産(GDP)成長率予想を前回レポートの+6.8%から+5.8%へと▲1.0%pt下方修正した。理由として、世界的な貿易政策の不確実性や経...

ハイテク・GX・半導体分野の高付加価値化で日越協力フォーラム開催 (4/29)

 石破茂内閣総理大臣は28日午後、ファム・ミン・チン首相とともに、日越企業が会するハイテク・グリーントランスフォーメーション(GX)・半導体分野における高付加価値産業創出に向けた日越協力フォーラムに参加...

ラムドン省:国会民族評議会議長が党委書記に転任 (4/29)

 ベトナム共産党政治局は、国会民族評議会議長のイー・タイン・ハー・ニエ・クダム氏を、南中部高原地方ラムドン省共産党委員会書記(2020~2025年任期)に任命した。  同省で28日に開催された任命式には、政...

ホーチミン:ビンタン区にブックストリートが新たにオープン (4/29)

 「第4回ベトナム書籍・読書文化の日」開幕に合わせて25日、ホーチミン市ビンタン区にブックストリートが新たにオープンした。  ビンタン区ビンチドンB街区の高技術医療区内に設置され、広さ約2000m2に12の...

石破首相、クオン国家主席とマン国会議長と会談 (4/29)

 ベトナムを訪問している石破茂内閣総理大臣とルオン・クオン国家主席は現地時間28日午前11時20分から約45分間にわたり、国家主席府で会談を行った。その後、現地時間同日午後2時20分から約40分間にわたり、国会...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved