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【第31回】ベトナムIT人材の給与事情【未来を創るベトナムビジネス】

2020/12/02 04:58 JST配信
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 これまでの「未来を創るベトナムビジネス」シリーズではベトナムのIT人材について複数回取り上げてきた。ベトナムITエンジニアを活用するメリットの一つは、給与水準の違いによるコストメリットが効く点であるが、実際のところはプログラミング言語、経験年数によって給与は大きく異なる。本レポートでは2020年現時点でのベトナム現地におけるITエンジニアの給与水準について情報を整理していく。

1.モバイル系言語は相対的に給与が低め、逆にシステム、ハイテク、ディープラーニングに関する言語は給与が高い

 日本で最もよく使われている言語はPHP、CSS、Java等であるが、これらの言語はベトナムでも使用できる人材が多く結果的に給与が相対的に低くなっている。言語で注目すべきはPython、Ruby、C++は企業からの需要も高いが使いこなせる人材がまだ少ないため給与も相対的に高くなっている点である。特にC++は処理速度が速いというメリットを活かして大規模な基盤システムや公共システムに利用されており、今後デジタルトランスフォーメーション(DX)が行政・民間で進んでいくことが予想されるなかでますます需要が高くなるスキルであると言えるだろう。

 給与でトップとなっているtensorFlowsとはGoogleが開発しオープンソースで公開している、機械学習(ML)に用いるためのソフトウェアライブラリである。機械学習のテクノロジーは比較的最近現れたものであり、使いこなせる人材の数が少ないことから給与が高くなっている。このような人材を獲得するのはコスト・物理的な面でハードルが高いため、すでにMLの基礎知識がある人材を採用し、公開されているリソースを基に新しい技術を身に着けてもらうのが良いだろう。ソフトウェア開発(特にPython)の経験がある人材は比較的学習がスムーズに進むと考えられる。

 iOSアプリの開発で用いられるObjective-CやSwift、Andoroidアプリで用いられるKotlinなどはモバイルアプリ開発が世に出た2010年頃には給与が高くなっていたが、現在ではすでに給与が低くなっている。ただしこれらの言語はアプリ開発だけでなくWebサービスの作成等にも応用できるスキルであるため、前述のような開発を検討している企業にとってはコストメリットが大きく活かせる採用ができるだろう。


2.ITエンジニアのキャリアはマネジメント方向、スペシャリスト方向に分かれる

 ITエンジニアのキャリアパスは大きく「マネジメントの方向」「スペシャリスト(テックリード)」の方向の2つに分かれている。どちらのキャリアパスでも実務経験は5年以上必要となり、そのあたりから給与が1500USD(約15万6000円)を超えるようになる。

 マネジメントとは実際に手を動かしてコーディングをしてきた経験を活かして、チームやプロジェクトのマネジメントをする役割である。現場で開発経験を積んだあと、チームリーダー、PL(プロジェクトリーダー、現場責任者)を経てPM(プロジェクトマネージャー、プロジェクト責任者)になるパターンが多くなっている。PMは開発現場で手を動かすことよりも、顧客との要件調整、プロジェクトのスケジュールや人員調整、予算管理などがメインとなる。受託開発の案件においては、成果物を期日までに納品するためのスケジュール管理も重要な使命となる。

 スペシャリストとは、エンジニアメンバーとして開発経験を積み、テックリードとして活躍する役割のことで、エンジニアチームの技術リーダーとも言える。テックリードはエンジニアチームの中で技術的な知見や知識が豊富で、技術的にチームをリードできる人であることが求められる。役割としては、コードレビューでの適切なアドバイスができる、コードの品質を管理できる、エンジニアチームの生産性を可能な限り上げるなどの点が挙げられる。リーダーシップも求められるが、マネジメントが作業のプロセス全体を管理するのに対して、スペシャリストは特に技術への深い理解の下で各スタッフの技術的なサポート、レビューを行う必要がある。

 上記のような実務経験が豊富なエンジニアを採用するには、企業の雇用条件や労働環境をエンジニアの希望に沿った形にする必要がある。特に現在エンジニアの多くを占めるミレニアル世代(1981年以降に生まれた世代)は給与だけでなくワークライフバランスや手厚い福利厚生などを、職場を決める際の重要なポイントとして考えている。ただ闇雲に福利厚生を与えるのではなく、ベトナム人ITエンジニアの多くが考えているキャリアプランや性格などを理解した上で、適切な労働環境を整備していく必要があるだろう。

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