ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第4回】部屋を借りる際の手続き・手順(後編)

2015/06/12 02:46 JST配信

皆様、こんにちは!!

ホーチミンの不動産仲介を行うエヌアセットベトナムの西村です。

それではさっそく 前回の続き で、今回は部屋を実際に借りるときに、ほぼ必ず通る道である、 賃貸借契約書の締結 における、具体的な注意点について記載させて頂きます。

保証金の返金条件について

やはり、まずは金銭関係をしっかり確認しておかなければなりません。

物件の種類や契約期間によって、ケースバイケースなのですが、まずは商慣習として 「契約期間中の途中解約は、違約金として保証金が没収されるのが原則」 です。

但し、契約の際、例えば1~2か月前の解約予告をした場合や、帰任辞令等の法人都合による解約の場合などで、途中解約でも保証金を返金するという特約を付けられるケースがあります。そのため、途中解約を行う可能性があるのであれば、まず雛形ではどのような条件になっているか確認をした上で、保証金返金特約の交渉を行ってみて下さい。元々設定されている物件もあれば、交渉が行えない物件もあり、ケースバイケースですので、気になるのであれば、お部屋探しの段階から保証金返金特約がついている物件を選定されるか、短期契約可能な物件を選定されることで、このリスクを回避するのが良いでしょう。

賃貸料に含まれるものについて

同じく金銭関係で押さえておくべき点です。

日本の賃貸マンションだと、賃貸料は「賃料+管理費」で、「公共料金」は別途支払うのが大半ですが、ベトナムでは物件の種類によって異なります。

<サービスアパートメントやアパートメントの場合>

賃貸料に各種サービス料(管理費、電気代、水道代、インターネット代、TVケーブル代、クリーニング代等)が含まれることが大半です。しかし、これも物件によって、電気代は実費負担であったり、上限設定がされていたり、サービスの内容によって異なります。賃貸料にどこまでの費用が含まれているか詳しく確認する必要があります。

<コンドミニアムの場合>

こちらは日本の賃貸マンションに感覚は近く、原則として公共料金の支払いは借主負担となり、借主が自分で支払わなければなりません。

しかし、この公共料金の支払いが実はくせものです。

日本では例えば電気代や水道代等々は借主名義で申込みを行い、借主宛に請求書が到着し、クレジットカードや口座引き落としの対応ができたりと、手間が掛からなくなっています。しかし、ベトナムでは名義変更を行わず、あくまでも借りているコンドミニアムに到着する貸主名義宛の請求書を、各支払先(管理会社や支店窓口、銀行等)へその都度支払うことになります。

インターネットバンクで送金指示を行うこともできるのですが、そもそも貸主名義と口座名義人とは名義が異なりますので、上手くマッチングされず遅延扱いになったり、電気代の支払いが1週間程度遅れただけで電気が止められたりと、支払いに慣れるまでに必ずトラブルが続出するのがこのタイプの特徴です。

最近の新築コンドミニアムでは、コンドミニアム管理会社が支払代行を行ってくれるケースもあり、窓口が1つになることで、ようやくスムーズになってきてはいますが、実務としてはまだまだ課題が多いのが現状だと思います。

そのため、コンドミニアムのタイプに入居する場合には、必ず 「公共料金の支払先」 について確認する必要があります。

滞在登録証明書の取得について

外国人がベトナムに住むにあたり、貸主が公安への届出を行い、労働許可証の取得やレジデンスカード取得する際には 滞在登録証明書 を取得する義務があります。グレーなかたちで貸出を行っている貸主などでは、この取得を行わないというケースも稀にあります。(不動産仲介会社が入るケースでは、このトラブルはあまりないのですが・・・)

また、これは借主サイドの問題もあるのですが、例えば労働許可証を取得せず、ビザの更新を繰り返している方の場合、貸主は何度も公安へ届出なければならないため、その手続きを敬遠する貸主もおり、手数料を要求されたり、手続を保留されるケースがあります。

そのため、入居するを決める前に、 労働許可証を取得する予定なのか、その場合には 滞在登録証明書を取得してもらえるか、また短期ビザの更新を繰り返す場合には、公安への手続をきちんと行ってくれるのか、しっかり確認を取った方が、後々トラブルに発展しないかと思います。

これらについては少なくとも最低限確認し、問題がなければ契約手続きを進めて頂ければと思います。

勿論細かい確認事項はもっとあるのですが、更に踏み込んだ内容については、頼りにされている不動産会社さんに確認してみて下さい!

固い話が続いてしまいましたが、次回から地区ごとのお勧めの物件紹介をさせて頂きます!乞うご期待下さい!!

著者紹介
N-Asset Vietnam 杉本 朗
1990年生まれ。静岡県出身。青山学院大学卒業。

株式会社エヌアセットで不動産の仲介・管理業務を経験し、現在エヌアセットベトナムで不動産賃貸部門を担当しています。

日本で培った貸主様・借主様双方をフォローするノウハウをベトナムで活かします。

お部屋探しから、入居後のサポートまで、一貫してサービスを提供して参ります。
ベトナムの住まい事情
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
芸能人が人民公安の消防隊任務を体験、リアリティ番組が話題に (2日)

 人民公安の消防隊を題材にしたリアリティ番組「チエンシー・クアカム(Chien Si Qua Cam=『勇敢な戦士』の意)」が、7月27日の放送開始から大きな反響を呼んでいる。  同番組は毎週日曜日の20時からベトナム...

ホーチミン:「カニ味噌」バインミーがブームに (2日)

 ホーチミン市で、鮮やかな色合いと独特の風味、手頃な価格が特徴の「カニ味噌ソース」のバインミーが話題を集め、店には長蛇の列ができている。  このところ、ホーチミン市ビンドン(Binh Dong)街区(旧8区)...

25年夏の人気海外旅行先、ベトナム3都市がランク入り (2日)

 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」は、日本のお盆休み期間(2025年8月13日~17日)を対象に、日本人旅行者がブッキング・ドットコムのサイト内でフライトを検索したデータを元...

自閉症の人々が働く「幸せの店」 (7/27)

 ハノイ市オーチョズア街区(旧バーディン区タインコン街区)のマイアイントゥアン(Mai Anh Tuan)通り254番地に、「幸せの店(Cua tiem hanh phuc=The Happiness Shop)」がある。これは、自閉症の人々のための経済...

トランプ氏が関税措置の大統領令に署名、ベトナム20% 日本15% (1日)

 米国のドナルド・トランプ大統領は現地時間7月31日、相互関税に関する大統領令に署名した。輸入品に対する関税率は10~41%に設定され、このうちベトナムは20%の税率が適用された。  ベトナムのほか、◇バ...

ベトナム外務省、伊万里強盗殺人事件の被害者に哀悼の意 (1日)

 ベトナム外務省のファム・トゥー・ハン報道官は31日に開かれた定例記者会見で、26日に佐賀県伊万里市で発生したベトナム人技能実習生による強盗殺人事件について言及し、被害者への哀悼の意を示すとともに、日...

V-GREENとGSM、フィリピンのマニラ電力とEVインフラ開発で提携 (1日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)製の電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会

イオンフィナンシャル、地場PTF買収契約の無効主張取り下げ (1日)

 イオングループの総合金融事業を担うイオンフィナンシャルサービス株式会社(東京都千代田区)は、2023年10月にシーバンク[SSB](SeABank)と締結した郵便通信ファイナンス(Post and Te

質屋最大手F88、ザロペイと提携 中低所得層向け金融強化 (1日)

 ベトナム最大規模の質屋チェーン「F88」は7月30日、モバイル決済アプリ「ザロペイ(ZaloPay)」との業務提携を発表した。銀行口座を持たない中低所得層を主な対象とし、デジタル金融サービスの提供を強化する。 ...

地場TMT自動車、EVエコシステムの展開を発表 (1日)

 トラック設備・部品の生産販売、組立分野で業界トップクラスのTMT自動車[TMT](TMT Motors)は7月28日、国内で電気自動車(EV)関連エコシステムの展開を発表した。  

単独世界一周飛行達成の越僑女性操縦士、墜落事故で死亡 (1日)

 米国インディアナ州グリーンウッドで、ベトナム系米国人女性操縦士のグエン・アイン・トゥーさん(44歳)が、墜落事故により死亡した。事故は7月30日午前に発生し、空港を離陸した直後に機体が墜落した。  墜...

ザロペイが韓国決済代行事業者と提携、韓国での利用が可能に (1日)

 韓国の決済代行事業者Eロムネット(eromnet)は7月29日、自社プラットフォーム「ペイバース(PayVerse)」が、地場総合インターネットメディア運営大手VNGコーポレーション[VNZ](VNG Co

People Trees、地場コンサルティング会社と協業 人事支援を強化 (1日)

 人事制度設計や人材開発、組織開発などを手掛けるPeople Trees合同会社(大阪府大阪市)は、人材育成やコンサルティングを行う地場セイコーアイデア(SEIKO ideas、ハノイ市)と協業を開始した。  今回の協業に...

チン首相、マレーシア首相と電話会談 タイ・カンボジア衝突で連携 (1日)

 ファム・ミン・チン首相は7月30日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相と電話会談を行い、カンボジアとタイの国境をめぐる緊張の平和的解決に向けた対応策について意見を交わした。  アンワル首相は電話...

ハノイ・メトロ、8月から仮想チケットを試験導入 (1日)

 ハノイ市公共交通管理センター(HPTC)は、同市都市鉄道(メトロ)を運営するハノイ・メトロ(Hanoi Metro)と協力して、8月1日からメトロ2A号線(カットリン~ハドン間)および3号線(ニョン~ハノイ駅区間)の2路線で、...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved