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【第26回】ベトナム地上置き太陽光発電:2021年から入札制度へ移行の可能性【未来を創るベトナムビジネス】

2020/11/14 06:47 JST配信
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 この記事では2021年以降の太陽光発電のFIT制度の改定、入札制度へ移行の見通しについて分析を行いたい。ONE-VALUEはこれまでベトナムの太陽光発電に関する分析レポートを掲載してきたが、今回はベトナムの太陽光発電市場の投資環境に大きな影響を与える2021年以降の地上置き太陽光発電の優遇措置の見通しについて述べていきたい。

 結論から先に言えば、ONE-VALUEによる独自の調査(太陽光発電事業を行うベトナム企業、投資家、商工省等の政府機関へのヒアリング調査)によると、地上置き太陽光発電では、2021年から入札制度が導入される見込みであるが、投資家にとっても不利な状況になることは想定されにくいという点だ。以下では、2021年以降の入札制度への移行について詳しく述べていきたい。


2021年から地上置き太陽光発電ではFIT制度から入札制度へ移行する見通し

 まず、現行の太陽光発電のFIT制度は2020年4月に首相決定された「太陽光発電開発の奨励に関する首相決定(第13号/2020/QD-TTg)」が根拠となっており、同規定によれば、地上置き発電については、7.09USセント/kWhと定められ、対象となる太陽光発電事業は、2019年11月23日より前に承認を受け、2019年7月1日から2020年12月31日の間に商業運転を開始するものと期限が設けられている。期限が切れる2021年1月1日からのFIT制度についての正式な決定は今のところ、ベトナム政府によって出されていない。

 ONE-VALUEはベトナムで太陽光発電事業に関わるベトナムの民間企業や投資家等に独自のヒアリング調査を行ったところ、あくまで憶測の域は出ないが、現在、商工省やベトナム電力グループ(EVN)が中心となって、地上置き太陽光発電に関する入札制度の枠組みを作成しているという。

 入札制度になれば、太陽光発電事業を行う企業や投資家にとっては、いくらで売電できるか分からないという不確定要素が生じることになり、投資を行う上では不利な状況になると思われるかもしれない。しかし、筆者の意見としては、必ずしも不利な状況になる訳ではないと考えている。



入札制度では上限価格が設定

 入札制度への参加の仕組みについては、次の2つの案が提出され、政府内で議論されているという。1つ目の案が、省や地域といった地理的区分で企業が入札を行う案。2つ目の案が、変電ステーションごとに接続する企業同士で入札を行う案である。1つ目の案の場合、省といった地理的区分に位置する発電所同士で入札を行うことになり、その地理的区分に属する全ての企業が参加することになる。一方、2つ目の案では地理的区分に関係なく、接続箇所が同じである発電所同士で入札を行うことになる。


 一方、入札制度が導入された場合、上限価格として7.09USセント/kWhが設定される見通しで、これは地上置き太陽光発電の現行FIT価格と同じ価格である。

 具体例を挙げて、説明を続けていきたい。ある地域で太陽光発電の開発計画(電力マスタープラン)として、200MWの開発余地があり、A、B、C、Dの4つの会社が50MWずつ開発を計画し、計画された容量に収まる場合であるが、合理的に企業が判断すれば、上限価格となる7.09USセントで価格が決定される。電力マスタープランでどのくらいの開発余地があるかは調査することもでき、同じ入札を行う企業の名前もある程度は把握ができる。この場合は、提案された上限価格の7.09USセントが通る可能性は高い。

 しかし、先ほどのケースで、5社目のE社が現れて50MWの開発を計画した場合、EVNから見れば、一番低い価格で入札を行った企業と売電契約を結ぶものと考えられる。この場合、開発の枠からはみ出た50MW分の1社に対しては、EVNは売電契約を結ばないため、次の入札まで待つ必要がある。

 但し、落札できないからといって、直ちにその案件が取り消される訳ではないようである。入札に参加をするためには、予備事業化調査(プレFS)を実施し、案件が電力マスタープランに追加されることが条件であるという。落札されない場合でも数年間は案件としては維持される見込みだ。入札に参加する企業が少ない場合、参加する企業全社が7.09USセントを提示すれば、EVNはその価格を承認して、売電契約を結ばなくてはならない。但し、参加する企業が多い場合、集団思考の結果、上限価格よりも低い入札価格で入札を行う企業が出ることは可能性としては考えられる。


結論:投資家にとって必ずしも不利な状況になるとは考えにくい

 以上をまとめると、正式な決定はないものの、2021年以降、ベトナムの地上置き太陽光発電では入札制度が導入される見通しで、現在入札制度の枠組みが政府内で議論されているという。但し、上限価格として現行FIT価格の7.09USセント/kWhが設定され、企業が合理的な判断を行う限りは、投資家にとって特段、大きな不利な状況になるとは考えにくいというのが現時点でのONE-VALUEとしての見解である。2020年末にかけてベトナム政府から正式なアナウンスがあると考えられ、本記事の内容はあくまで憶測の域を出ないが、今後も政府の動向を注視していきたい。

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