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【第27回】オフショア開発のすゝめ:ベトナムにおけるオフショア人材の獲得方法【未来を創るベトナムビジネス】

2020/11/18 04:30 JST配信
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1.ベトナムがアウトソーシング先として注目される理由

 現在、日本向けのソフトウェア開発のオフショア開発先としてベトナムが非常に注目を集めている。このスキームは一般的にオフショア開発と呼ばれるもので、案件やプロジェクト毎にオーダーを行うケースと、ODC(Offshore Development Center)やCOE(Centre Of Excellence)と呼ばれるラボ契約で人材をある一定の単位で囲い込む2つのパターンが多い。

 以前はオフショア開発とは人件費に関わるコストを、開発工程を賃金が低い海外(主にアジア圏)に委託することで削減する開発手法であるというイメージがあった。しかし最近ではオフショア開発はただコストメリットだけを求めるためだけではなく、優秀なIT人材の確保を目的に行われることが多くなってきた。

 それというのも、日本では近年IT人材の確保が年々難しくなってきているからである。経済産業省が発表したデータにも表れているようにIT技術力の需要の伸びが供給に追い付かない状態が今後も続いていき、2030年には約45万人のIT人材が不足すると考えられている。

 ベトナムは早くから現地の教育機関やIT企業が中心となり、国内IT人材の育成開発に力を注いできた。ベトナム最大手ICEのFPT情報通信[FPT](FPT Holding)も、日本市場向けに1万人のIT人材を育成するという目標を立てており、教育訓練省といった行政機関もこうしたプロジェクトを支援している。

 IT人材を1から養成することは難しいため、すでに大学で理系分野を専攻していた学生をIT分野に転向させるために大学の卒業生がIT専門学校や大学に再入学するための支援を官民が協力して行っている。そうした取り組みの結果が近年になって数字として現れてきており、2020年度には国内のITエンジニアの数は約40万人となり、毎年5万人の学生がIT専門の教育課程を終えて卒業している。

2.日本におけるベトナムIT人材の採用と比較したオフショア開発のメリット

 IT人材の確保の手法としては、以下が挙げられる。

パターン1:日本国内のオフィスでベトナムITエンジニアを採用する。
パターン2:ベトナム現地でオフショア人材を採用し、1名のブリッジエンジニアを日本側とベトナム側の「情報の橋渡し」役として採用する。


 まず一つはベトナムIT人材を日本に呼び寄せ、日本にてエンジニアとして働いてもらう方法である。二つ目は、ベトナムにてオフショア人材を確保し、現地で開発を行う方法である。本レポートでは、特に後者のベトナムでオフショア開発を行う場合のメリットについて取り上げていきたい。

 まずベトナムITエンジニアを日本に呼び寄せて採用する場合を考えてみる。メリットとしては日本本社で採用することにより作業の進捗管理が容易になる点が挙げられる。しかしデメリットも多い。まずベトナムITエンジニアの中でも相応のITスキルを有しておりなおかつ日本語能力も高い人材は非常に数が少ないため、採用までの時間・コストがかかってしまう。また同じ理由により社内での日本人社員とのコミュニケーションが困難になる恐れもある。さらに、在留資格(ビザ)の申請費用や航空券の手配等の渡航費用がかかってくる点もある。

 一方、ベトナム側にてオフショア人材を確保し現地で開発を行う場合には、まずは日本とベトナム間のコミュニケーション、仕事の流れを円滑にする役割を担うブリッジエンジニアを日本側で採用する必要がある。そうすることで日本側は求める要件や実現してほしいアウトプットを正確にベトナム側のエンジニアに伝えることができる。またベトナムにて開発工程を実施するため、エンジニアの給与等のコストを削減することができる。またベトナム側のエンジニアには日本語能力を求めないため、スキルが高いエンジニアを比較的容易に獲得可能であるメリットもある。

3.ベトナムでのオフショア人材採用の進め方

 実際のオフショア開発の進め方としては以下のような流れとなる。


1.採用計画の策定

 まずは現在、これから将来的にどのような作業をベトナム側で行うのかをしっかり定義する必要がある。その後、そのような業務を行うためにはどのようなスキルを持った人員が、どのような人数、配置で必要になるのかを決定する。これは最終的な採用の要件を定義するために欠かせない作業である。日本側でブリッジエンジニアを採用する場合には、特にどの程度の日本語能力、およびIT技術への理解が必要なのかも定めなくてはいけない。

 また採用計画を策定するために重要な要件の一つが給与である。給与は人材のスキルに比例するだけではなく、前職での業務内容・企業規模、採用する地域、年齢などの多くのファクターが影響する。この給与は将来的に発生するコストに大きく影響してくるため、ベトナム現地におけるIT人材の労働市場を深く調査・検討する必要が出てくる。

2.採用の開始・選考

 採用の要件が定義できたら、実際に人材の募集を開始する。採用の手法としては人材紹介会社、求人広告など複数のツールが考えられるが、最終的にその人材に内定を出すか否かの決定は自社で行わなくてはいけない。そのためにはベトナム人材の性格やIT業界、各ITに関連する技術について精通しているエージェントを用いる必要がある。

3.内定後の入社手続き

 採用する人材が決定した後は、実際にベトナムで働くための(ブリッジエンジニアの場合は日本へ呼び寄せるための)各種手続きを行う必要がある。特にベトナムで働く人材については労働に関する法規定が日本のものと大きく異なるため、慎重に入社手続きを進める必要がある。また詳細な労働条件を提示する際には、ベトナム人ITエンジニアの性格を理解しておかなければ、せっかく内定を出した人材が辞退してしまうというケースも発生する。

4.結論

 上記の流れは、すべてベトナム労働市場およびIT業界に対する深い理解の下で進めていく必要がある。そのためオフショア人材を獲得したい日本企業は、まずはベトナムではどういうIT技術が普及しており、どの地域でどのようなコストで人材を獲得できるのかについての事前調査を行うことが必須となるだろう。

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