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【第93回】注目トレンド:ベトナムへの木材輸出の現状・今後のポテンシャル【未来を創るベトナムビジネス】

2021/07/21 05:10 JST配信
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ベトナムの木材産業・日本産木材輸入の現状

 ベトナムは木材製品加工が盛んであり、木材製品の輸出額ランキングでは東南アジアでトップ、アジアでは2位、世界では5位の位置に付けている。輸出の相手先としては米国が51億USD(約5600億円、2019年)で第1位となっており、日本、中国そして欧州連合(EU)と続いている。現在、ベトナムにある木材加工業者は3930社にも上る。

 ベトナムの木材製品加工の主な形態としては、海外から材料を輸入し、国内で加工・製造し、海外へ製品を輸出する形である。


 現在、ベトナムの最大の木材輸入相手国は中国であり、全体の33%を占めている。2位には米国、3位にはタイが続いている。一方で日本産木材は全体の0.36%を占めるにすぎない。しかし、ベトナムは今後も木材・木材製品の市場としてより一層の拡大が見込めることから、日本の業界団体や企業はベトナムへの木材・木材製品輸出を拡大するべく様々な取り組みを行っている。


ベトナムへの日本産木材輸出拡大の取り組み

 農林水産省では2016年5月に発表した「農林水産物の輸出力強化戦略」を基に、スギ・ヒノキを中心とした輸出促進に取り組むことが決定された。メインのターゲット国としては市場の大きい中国・韓国であるが、新たな市場の創出として台湾・ベトナムも重点的取り組みを行う国として決められた。これに基づき日本政府、業界団体、各企業が活動を行っている。

ホーチミン市に設置されたジャパンウッドステーション

 例としては、2016年10月にベトナムのホーチミン市に開設された「ジャパンウッドステーション(JWS)」がある。この施設は一般社団法人日本木材輸出振興協会が日本産木材の更なる輸出拡大に向けて日本産木材をアピールする目的で設置しており、日本産木材製品が常設展示されている。

 同様の施設はベトナム以外に台湾にも設置されている。ベトナムではまだ日本産木材の認知度が高くない。JWSのような取り組みを通じて、多くの木製品製造業者に日本産木材を知ってもらうことが、今後の輸出拡大のために必要である。


各企業による木材・木材製品のトライアル輸出

 現在、企業による木材・木材製品の輸出は大規模・継続的なものは少なく、ほとんどが試験的な輸出の段階である。これは前述の通り、日本産木材の認知度が低いこと、また日本で生産されるメインの木材であるスギ・ヒノキが用いられる素地がないことによる。

 日本からベトナムへの木材輸出量の品目別トップは製材となっており、木質ボード、丸太と続いている。まだ家具などの完成品の輸出量は少額に止まっている。




今後の輸出拡大に向けて

 今後、日本の木材をベトナムに輸出していくためには、以下のような取り組みを強化していくことが必要であろう。

日本産木材の認知度向上

 これは前述のJWSの活動や、バイヤーの日本への招聘、セミナーの開催等により地道に日本産木材のファンを増やしていくことが必要である。

木材製品の販売促進活動

 ベトナムに対しては建材としての木材輸出は難しい。今後ポテンシャルがあるのは内装材、木製家具である。まずは小ロットから木製家具を店舗などで販売していくことが考えられる。

 また現在ベトナムでは高級リゾートや5つ星ホテルの開発が進んでいる。現在は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でストップしているが、新型コロナ収束後には開発が再開される見込みである。そうしたリゾートやホテルに日本の木製家具や内装材を売り込むことが、付加価値の高い木材製品を販売するためには有効であると考えられる。

森林認証制度に関する周知

 近年、ベトナムの特に若い世代の間では、環境に対する配慮、持続的発展に関する興味が高まっている。日本では適正に管理された森林から産出された木材に対する認証制度として、森林管理協議会(FSC)やPEFC森林認証プログラム等が挙げられる。

 これらの認証制度に関する情報を海外にも周知し、日本産木材の利用が持続的な発展につながっていくというストーリーを作っていくことが、販売促進の上で有効に働く可能性がある。


まとめ

 現状、日本からベトナムへの木材輸出は発展途上である。現在、海外への輸出事例として最も成功しているのは中国への輸出であるが、その成功のためにも何年にも渡るプロモーションや法規制の擦り合わせ等の努力があった。今後、ベトナムへの輸出量を増加させるためにも、中長期的な取り組みを続けていくことが必要であろう。

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