ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第9回】改正住宅法で変わった外国人の不動産売買

2015/11/30 09:30 JST配信

皆様、こんにちは!!

ホーチミンの賃貸不動産、売買不動産を取り扱う エヌアセットベトナム の西村です。

2015年7月に施行された改正住宅法によって、外国人(ベトナム国籍を持たない個人)と外資系企業の住宅所有が緩和されました。そのため、最近弊社では、「不動産売買」に関するお問い合せが非常に増えています。今回は、更なる番外編として、この場をお借りして 住宅法が具体的にどのように変わったのか 、Q & A方式で解説したいと思います。

【Q1】 どのような外国人がベトナムで住宅を保有できますか?

改正住宅法によって、以下の2つの対象者の住宅所有が可能となりました。

(個人) ベトナムに入国を許可された外国人

(法人) ベトナム投資法に基づいて設立された外資系企業の他、外国企業の支店、駐在事務所、外国投資ファンド及びベトナムで活動する外国銀行の支店

個人の場合には、政令第99号/2015/ND-CP(2015年12月10日施行)により、 「パスポートに入国印」があればよい とされており、滞在期間は問われていないため、いわゆる「ビザ(査証)」は必要ないとされています。

法人の場合には、ベトナムにおける組織であることが要件となっており、例えば、日本の本社がベトナムの不動産を取得することは認められていません。

【Q2】 取得できる住宅形態は? 取得を制限する規定はありますか?

住宅開発プロジェクト(いわゆる分譲案件)内のコンドミニアム(分譲マンション)または戸建て となっています。但し、コンドミニアムについては1棟の戸数の30%まで、戸建て住宅については1街区につき250戸まで、に制限されています。

住宅開発プロジェクト内に限定されていますので、いわゆる既存の戸建てなどベトナム人個人が保有している中古物権は取得できないということになります。また、総戸数に対する外国人の上限が設定されているため、制限を超えてしまった場合には、その取引は無効となり、所有証明書が発行されないと解釈されています。

© N-Asset Vietnam, ホーチミン市ビンタイン区「ビンホームズ・ニューポート」案件

【Q3】 外国人が取得した住宅の「所有期間」は、どうなるの?

ベトナム人が住宅を取得した場合は原則的に「永久」となりますが、外国人については以下の通り期限が定められています。

(個人) 最長50年。 但し、所定の手続きを行えば1回に限り更新が認められます(更に50年の延長が可能)。

(法人) 法人の存続期間。

【Q4】 外国人が取得した後の住居使途、何か制限がありますか?

個人所有の場合、自身の住居として使用するのはもちろん、事前に所轄機関に届け出ることで、 第三者への賃貸も可能 とされています。

一方、法人所有の場合は、社宅用など自社のための使用に限定され、第三者への賃貸は認められていません(不動産事業法による規制)。

不動産事業法、土地法など、不動産事業、権利関係に関連する法律があり、規模が大きい取引や繰り返し行われる取引は、不動産事業法の適用対象となる可能性が高いことから、小規模・非反復的な取引に留める必要があります。そのため、現状では、投資・投機目的の場合はとりあえず1~2戸程度の購入に留めておき、更なる細則が出るまで様子を見ているケースが多いです。

次回は、賃貸経営で発生する具体的な実務について解説します!

著者紹介
N-Asset Vietnam 杉本 朗
1990年生まれ。静岡県出身。青山学院大学卒業。

株式会社エヌアセットで不動産の仲介・管理業務を経験し、現在エヌアセットベトナムで不動産賃貸部門を担当しています。

日本で培った貸主様・借主様双方をフォローするノウハウをベトナムで活かします。

お部屋探しから、入居後のサポートまで、一貫してサービスを提供して参ります。
ベトナムの住まい事情
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
芸能人が人民公安の消防隊任務を体験、リアリティ番組が話題に (2日)

 人民公安の消防隊を題材にしたリアリティ番組「チエンシー・クアカム(Chien Si Qua Cam=『勇敢な戦士』の意)」が、7月27日の放送開始から大きな反響を呼んでいる。  同番組は毎週日曜日の20時からベトナム...

ホーチミン:「カニ味噌」バインミーがブームに (2日)

 ホーチミン市で、鮮やかな色合いと独特の風味、手頃な価格が特徴の「カニ味噌ソース」のバインミーが話題を集め、店には長蛇の列ができている。  このところ、ホーチミン市ビンドン(Binh Dong)街区(旧8区)...

25年夏の人気海外旅行先、ベトナム3都市がランク入り (2日)

 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」は、日本のお盆休み期間(2025年8月13日~17日)を対象に、日本人旅行者がブッキング・ドットコムのサイト内でフライトを検索したデータを元...

自閉症の人々が働く「幸せの店」 (7/27)

 ハノイ市オーチョズア街区(旧バーディン区タインコン街区)のマイアイントゥアン(Mai Anh Tuan)通り254番地に、「幸せの店(Cua tiem hanh phuc=The Happiness Shop)」がある。これは、自閉症の人々のための経済...

トランプ氏が関税措置の大統領令に署名、ベトナム20% 日本15% (1日)

 米国のドナルド・トランプ大統領は現地時間7月31日、相互関税に関する大統領令に署名した。輸入品に対する関税率は10~41%に設定され、このうちベトナムは20%の税率が適用された。  ベトナムのほか、◇バ...

ベトナム外務省、伊万里強盗殺人事件の被害者に哀悼の意 (1日)

 ベトナム外務省のファム・トゥー・ハン報道官は31日に開かれた定例記者会見で、26日に佐賀県伊万里市で発生したベトナム人技能実習生による強盗殺人事件について言及し、被害者への哀悼の意を示すとともに、日...

V-GREENとGSM、フィリピンのマニラ電力とEVインフラ開発で提携 (1日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)製の電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会

イオンフィナンシャル、地場PTF買収契約の無効主張取り下げ (1日)

 イオングループの総合金融事業を担うイオンフィナンシャルサービス株式会社(東京都千代田区)は、2023年10月にシーバンク[SSB](SeABank)と締結した郵便通信ファイナンス(Post and Te

質屋最大手F88、ザロペイと提携 中低所得層向け金融強化 (1日)

 ベトナム最大規模の質屋チェーン「F88」は7月30日、モバイル決済アプリ「ザロペイ(ZaloPay)」との業務提携を発表した。銀行口座を持たない中低所得層を主な対象とし、デジタル金融サービスの提供を強化する。 ...

地場TMT自動車、EVエコシステムの展開を発表 (1日)

 トラック設備・部品の生産販売、組立分野で業界トップクラスのTMT自動車[TMT](TMT Motors)は7月28日、国内で電気自動車(EV)関連エコシステムの展開を発表した。  

単独世界一周飛行達成の越僑女性操縦士、墜落事故で死亡 (1日)

 米国インディアナ州グリーンウッドで、ベトナム系米国人女性操縦士のグエン・アイン・トゥーさん(44歳)が、墜落事故により死亡した。事故は7月30日午前に発生し、空港を離陸した直後に機体が墜落した。  墜...

ザロペイが韓国決済代行事業者と提携、韓国での利用が可能に (1日)

 韓国の決済代行事業者Eロムネット(eromnet)は7月29日、自社プラットフォーム「ペイバース(PayVerse)」が、地場総合インターネットメディア運営大手VNGコーポレーション[VNZ](VNG Co

People Trees、地場コンサルティング会社と協業 人事支援を強化 (1日)

 人事制度設計や人材開発、組織開発などを手掛けるPeople Trees合同会社(大阪府大阪市)は、人材育成やコンサルティングを行う地場セイコーアイデア(SEIKO ideas、ハノイ市)と協業を開始した。  今回の協業に...

チン首相、マレーシア首相と電話会談 タイ・カンボジア衝突で連携 (1日)

 ファム・ミン・チン首相は7月30日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相と電話会談を行い、カンボジアとタイの国境をめぐる緊張の平和的解決に向けた対応策について意見を交わした。  アンワル首相は電話...

ハノイ・メトロ、8月から仮想チケットを試験導入 (1日)

 ハノイ市公共交通管理センター(HPTC)は、同市都市鉄道(メトロ)を運営するハノイ・メトロ(Hanoi Metro)と協力して、8月1日からメトロ2A号線(カットリン~ハドン間)および3号線(ニョン~ハノイ駅区間)の2路線で、...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved