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[コラム]

【第40回】ベトナムの農業:現状と今後の外国投資のポテンシャル【未来を創るベトナムビジネス】

2021/01/13 04:27 JST更新


 ベトナムは、コーヒー、米、ゴム、カシューナッツなどの多くの農産物に適した気候と土壌条件を持つ農業国である。同時に、ベトナムは農産物輸出国として認識されている。ベトナムの主要な農産物としては米(輸出量世界2位)、コーヒー(生産量世界2位)、カシューナッツ(生産量世界1位)、ブラックペッパー(生産量世界1位)、エビ(生産量世界3位・輸出量第2位)、ゴム(輸出量世界4位)などがある。

1.ベトナムの農業の現状と課題

 ベトナム統計総局(GSO)によると、2019年におけるベトナムの農林水産業は国内総生産(GDP)全体の13.96%を占め、労働人口の40%以上を占めている。また、2019年における農林水産業の総輸出高は約413億USD(4兆3000億円)に達し、全業界の総輸出高の15.6%を占めている。農業輸出はベトナムの輸出において主要な役割を果たしている。


 ベトナム政府も2030年までに世界の農業生産・加工が世界のトップ10となることを目指している。しかし、ベトナムの農業生産は、現在の9730万人(2020年人口)の消費ニーズを満たしておらず、また下に挙げるような課題がベトナム農業の発展の障碍となっている。

<未発達な生産技術>
◇低品質・低収穫量
◇付加価値が高い農産物が生産できない、加工技術の欠如
◇農業従事者の技術が未成熟
◇高温多湿環境への栽培設備の適応の遅れ

<農業インフラの未整備>
◇土壌汚染、水質悪化
◇治水(雨季の洪水対策)インフラの老朽化
◇農村部の道路網の未整備
◇機械化が進まないことによる手作業
◇農業廃棄物処理のためのインフラの欠如

<未熟なサプライチェーン>
◇コールドチェーンの未整備
◇有効な農産物ブランドの欠如
◇小売や外食等の需要者との連携不足
◇集荷・販売・物流の連結不足、効率が低く、コストが高い
◇農産物の深加工がなく、農産物の付加価値が低い
◇農産物のブランド認知度が低く、ブランド活動に関連性がない

<衛生・安全面での課題>
◇農産物の品質を管理するための均一な食品安全衛生基準の欠如
◇収穫後に適切な処理や保管がされない農産物が市場に流通し、衛生面で人体に被害を与える恐れ
◇農薬や着色料、添加物の過剰使用

2.ベトナム農業のポテンシャル、投資のチャンス

 上記の現状課題にもかかわらず、農林水産業はベトナムでの大きな可能性とビジネスチャンスを持つ産業の一つである。特にベトナムの経済開発政策において、ハイテク農業開発はベトナム政府が高い優先度を置く目標の1つである。

 1億人近くの人口を抱えるベトナムは、食品や食料の大量消費の市場となるほか、今後グローバルな農業バリューチェーンに深く参加していく方向性を政府も示している。これらの背景から農業への外国投資は大きなポテンシャルかつニーズを持っていると言え、外国企業の参入も政府により促進されている。外国企業がベトナムの農業分野への投資を検討する際には、以下のセグメントを検討すべきだと考えられる。

◇現地企業と連結し、現地生産技術の向上のための開発
◇生産技術の移転、科学研究成果の適用
◇農業における人材育成
◇農業の機械化と応用を促進するための協力
◇現地の政府機関・地方自治体および、現地企業を連結して農業インフラ整備、農業生産のバリューチェーン改善への投資
◇ハイテク農業パークプロジェクトの開発
◇国内外の生産者と消費者に関連するディーププロセッシングおよび流通システムを移転、開発、設置
◇国際安全基準に基づいた有機農業生産プロジェクトを開発し、ベトナム国内の消費者市場だけでなく、厳しい基準のある海外市場への対応
◇高価値農産物の生産と取引の開発
◇農業廃棄物処理プロジェクトの開発

 これは、農業事業への投資の機会が、生産技術、加工、保存、または世界的な消費ネットワークに強みを持つ企業に開かれることを意味する。これらは、日本の農業生産企業、食品加工企業、総合商社などの強みだと考えられている。 

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