ハノイ市警察は3日、実の姉の脚を切り落とした同市バーディン区在住のチャン・トゥアン・クオン容疑者(男・43歳)を傷害罪の容疑で逮捕した。
警察によると、被害者のチャン・キム・ズン(50歳)さんは、子宮ガンの治療のため、ドンダー区のサインポン(セントポール)総合病院に入院していた。クアン容疑者は姪であるズンさんの娘(24歳)と2人で病院に泊まりこみで、ズンさんの世話をしていた。2日午前3時ごろ、ズンさんは「体中が何かに噛みつかれているようで痛い」と訴え、痛みを和らげるために、娘に頭を、クオン容疑者に足をマッサージしてもらった。
その後、病室の見回りをしていた看護師が、マッサージに疲れてうたた寝していた娘のそばで、果物ナイフを片手にズンさんの足を切りつけているクオン容疑者を発見した。看護師はすぐさま警備員を呼んだが、クオン容疑者は手にした果物ナイフを振り回し、威嚇したため、取り押さえることが出来なかった。その間にも、クオン容疑者は姉の足を切り続け、通報を受けた警官が駆け付けた時には、殆ど薄皮一枚で繋がっているような状態だった。
警察で薬物検査を行ったところ、クオン容疑者から陽性反応が認められた。警察の取調べに対し、同容疑者は「姉の体に巣食っている魔物を追い出したかった」と供述している。なお、一部のマスコミがズンさんの娘も犯行に加担した疑いがあると報じているが、その件について警察は事情調査を急ぐ、とのみコメントした。ズンさんは同病院で緊急手術を受けたため、命に別状は無いが、発見時には脚が殆ど切断された状態だったため、接合手術を行うことは出来なかったという。