ハノイ国家大学のレ・バン・コア教授の研究によると、ハノイ市では大気汚染により1日当たり10億ドン(約710万円)、年間では2300万米ドル(約26億円)の損害が出ているという。同教授は、大気汚染で人の健康被害の主な原因となる物質は粉じんで、粉じんと心臓病は因果関係のあることが分かっていると指摘。大気汚染は自律神経系に影響を及ぼして、頭痛、めまい、疲れ、食欲不振、多汗などの症状も引き起こすとしている。
ハノイ市、ホーチミン市、北部ハイフォン市、中部ダナン市などの大都市では、大気に含まれる粉じんの濃度は許容濃度の1.5~3倍と高く、ラッシュ時間帯の交差点付近ではさらに濃度が高くなる。また、各都市の大気汚染物質の70~90%は交通車両から排出され、残りの10~30%は工場や建設工事現場などから排出されているという。