ハノイ市で救急車が不足しており、重病人やけが人の85%が自力で病院に行くことを余儀なくされている。保健省によると、人口10万人に付き救急車1台が必要で、すなわち人口620万のハノイ市には62台必要となる計算だが、実際は22台しかなくそのうち稼動しているのはわずか12台で残りは故障中だという。また昨年8月の市域拡大以降、新車は購入されていない。
緊急医療サービスセンターのある同市中心部から3キロメートルも離れれば、救急車が患者の所まで行くのに10分もかかることから、多くの人々はタクシーを使うなどして自らセンターに向かっている。救急車の利用には料金もかかるため、タクシーのほうが時間もお金も節約できるという。
こうした現状に対し、ハノイ市は緊急医療システムの改善に600億ドン(約3億円)を投じ、ザーラム郡、トゥーリエム郡、タインチ郡、ハドン区など5カ所の緊急医療センターに6台ずつ合計30台の救急車を来年にも導入する予定だ。