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- 42歳男が玉座の肘掛け部分を破壊
- 言動が支離滅裂で取り調べが難航中
- 国宝を破壊した場合は最大7年の禁固刑
ベトナム最後の王朝である阮(グエン)朝(1802~1945年)の玉座が保存されている北中部地方フエ市内のフエ王宮タイホア(太和)殿で、国宝である玉座が壊される事件が発生した。
24日11時55分頃、ホー・バン・フオン・タム容疑者(男・42歳、同市在住)が立入禁止エリアに侵入し、龍頭彫刻が施された玉座の肘掛け部分を触って破損させた。
タム容疑者は、事件発生から15分後に逮捕されて取り調べを受けている。薬物検査は陰性だったが、精神状態に異常が見られ、言動が支離滅裂なため、取り調べは難航しているという。
刑事法第178条第2項によると、国宝を故意に破壊した場合、2~7年の禁固刑に処される可能性がある。
この玉座は、阮朝の初代皇帝ザーロン(嘉隆)帝(在位:1802~1820年)の時代に制作された。阮朝13代の143年間にわたって使用され、2015年には国宝に指定された。玉座は木製で、金箔と朱塗りが施されており、月2度の大朝会や即位式、外国使節の謁見などの儀式で使用された。
事件後、フエ遺跡保存センターは、玉座を収蔵庫に移して保管し、太和殿にはレプリカを仮展示した。今後は専門家や職人を招いて破損した玉座を修復するとともに、展示物全体の安全対策も強化する方針だ。
今回の事件を受け、文化スポーツ観光省は関連機関に対し、全国の国宝や貴重文化財の展示・保管・警備体制を総点検し、安全対策を見直すよう指示した。