ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

地雷除去を支援する89歳米国人女性

2010/10/10 08:24 JST配信
(C) Dat viet, Viet Anh
(C) Dat viet, Viet Anh 写真の拡大

 息子をベトナム戦争で亡くした89歳の米国人女性ラエ・チェニーさんはこのほど、北中部クアンチ省で地雷除去支援活動を行っている非政府組織(NGO)「ピースツリー・ベトナム」の交流プログラムでベトナムを訪れた。

 ピースツリー・ベトナムはチェニーさんと娘のジェリリンさんらが中心になって15年前に設立したNGOで、チェニーさんはこの組織の「魂」的な存在。ピースツリーはクアンチ省での地雷除去支援活動をベトナム政府に初めて許可された団体だ。チェニーさんとジェリリンさんはこの活動を支えようと、米国で支援を呼び掛ける活動に多くの時間をつぎ込んできた。

 ベトナム友好団体連盟(VUFO)はこの機会に、チェニーさんとジェリリンさんを含むピースツリーのメンバーらに記念章を贈った。ラエさんは「記念章をいただいて大変光栄です。娘とNGOのメンバーらは支援活動のために何度もベトナムを訪れていますが、私にとっては初めてのベトナムで、どう気持ちを表したらいいのか分かりません」と感激の気持ちを語った。ジェリリンさんもこれまでの親子の活動を評価されたことを喜び、「これからもベトナムの人たちと手を携えて戦争の傷跡を消し去り、未来に向け平和の木を育てていきたいと思います」とコメントした。

 ラエさんの息子ダニエルさんは、ベトナム戦争中に21歳の若さで戦死した。ラエさんは言う。「ベトナムには今も多くの戦争の傷跡が残っています。母親たちの悲しみがいかばかりかもよく分かります。しかしその彼女たちこそが、私の悲しみを忘れさせてくれるのを助けてくれました。私はピースツリーと共に、クアンチ省をはじめとするベトナムの人たちのより良い未来のために、さらに努力したいと思います」

 ピースツリーはクアンチ省でこれまでに、9万7285個の地雷や爆発物を除去してきた。また、地雷対策教育センター、友好森林公園、地雷被害者や貧困者向けの生活村の建設を支援した。2005年からは、総額4万5000ドル(約370万円)以上の奨学金支給と医療費支援を続けている。さらに、地雷被害者・貧困世帯向けの資金貸し付けや、貧困地域での図書館や幼稚園の建設、地雷除去後の土地での7万本以上の植樹を実施してきた。

 ピースツリー・クアンチ事務所代表のレ・ディン・クアン氏によると、ピースツリーは2003年から米国務省のパートナーになったという。ピースツリーの地雷除去活動に対し、米政府は2003年からこれまでに50万ドル(約4120万円)を超える支援を行った。クアン氏は、ベトナム戦争の被害者が何を必要としているか、彼らを助けるために何ができるのかを米国民に広く知らせるため、ベトナムのマスコミはもっと積極的に情報発信する必要があると語った。

[Dat Viet online, 9:28 AM, 08/09/2010, O].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
25年8月の訪日ベトナム人6.1万人、8月として過去最高を記録 (4:45)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年8月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+16.7%増の6万1200人で、8月として過去最高を記録した。  1~8月期では、前年同期比+10.4%増の47万9300人となっ...

25年8月の対日貿易収支、1271億円の黒字 前年同月比▲0.1%減 (4:15)

 日本の財務省が発表した2025年8月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比▲0.1%減の1270億5400万円の黒字だった。  日本からベトナムへの輸入額は前年同月比+11.0%増の2335億7700...

ソーシャルワイヤー、システム開発子会社MK1の出資持分65%譲渡 (3:02)

 インフルエンサーPRやリリース配信サイト「@Press(アットプレス)」などを手掛けるソーシャルワイヤー株式会社(東京都港区)は16日、連結子会社であるMK1テクノロジー・ベトナム(MK1 TECHNOLOGY VIETNAM、ハノイ...

「おかけになった電話は…」の音声案内で知られる「国民的声」の主 (14日)

 キム・ティエンさんの「黄金の声」は、ベトナム国営テレビ局(VTV)の19時のニュース番組と共に長年親しまれ、電話がつながらなかったときに流れる「おかけになった電話は…(Thue bao quy khach vua goi...)」とい...

「にいがたベトナムフェスティバル」、10月4日・5日開催 (2:24)

 新潟県は、10月4日(土)・5日(日)の両日、「にいがたベトナムフェスティバル2025」を新潟駅南口広場で開催する。開催時間は10時00分から17時00分まで。  同イベントは、新潟県民にベトナムの文化に触れ親し...

ベトナム、初のAI法を発表へ 年末めど (17日)

 政府は、人工知能(AI)を国家戦略の柱と位置づけ、2025年末をめどに国家AI戦略の改定版とベトナム初のAI法を発表する方針だ。  AIを国の知的インフラとして、持続可能な発展や国家競争力の強化、国民の生活...

ベトナム、米国による12種類の漁業認定拒否に再考要請 (17日)

 グエン・ホン・ジエン商工相は15日、米国のハワード・ラトニック商務長官宛てに書簡を送付し、米商務省(DOC)および商務省傘下の海洋大気庁(NOAA)が、12種類の漁業について米国の海洋哺乳類保護法(MMPA)に基づく...

ビンEVタクシー、インドネシア2都市目でサービス開始 (17日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製の電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社であるグリーン・スマート・

フエ:ボトルや缶のデポジットモデル試行、東南アジア初 (17日)

 世界自然保護基金(WWF)ベトナムとフエ大学傘下の科学大学は14日、北中部地方フエ市で「デポジットリターンシステム(Deposit and Return System=DRS)」試行モデルを発表した。これは、WWFノルウェーのベトナム...

ジェトロ「ベトナム経済セミナーin山形」、10月3日開催 (17日)

 日本貿易振興機構(ジェトロ)山形は、10月3日(金)の日本時間15時00分から16時30分まで、駐日ベトナム大使館との共催により「ベトナム経済セミナーin山形」を開催する。  同セミナーでは、ファム・クアン・ヒ...

ベトナム、WTOの違法漁業補助金禁止協定を受諾 111か国で発効 (17日)

 ベトナムは15日、スイスの世界貿易機関(WTO)本部で、違法・無報告・無規制漁業(IUU漁業)につながる補助金の禁止などを定めた「漁業補助金に関する協定(漁業補助金協定)」の受諾書を正式に寄託した。  これ...

ハノイ:建国80周年記念の展覧会が閉幕、来場者1000万人超 (17日)

 ハノイ市の国家展示センターで15日、建国記念日80周年(1945年9月2日~2025年9月2日)を祝う記念事業の一環である「独立・自由・幸福の80年の歩み」をテーマにした展覧会の閉幕式が開催された。  式典には、...

ロシア保健相、ベトナム行きの機内で人命救助に貢献 (17日)

 ロシアメディア「RT」によると、先週ベトナムを実務訪問していたミハイル・ムラシコ保健相が、モスクワ発ハノイ行きの機内で高血圧緊急症を発症したロシア人男性の応急処置を行った。男性は1時間後には容体が安...

第15期第10回国会、10月20日開幕 45の法案・決議など審議 (17日)

 ファム・ミン・チン首相とチャン・タイン・マン国会議長は15日、第15期(2021年~2026年任期)国会第10回会議の準備に関する会合を共同で開催した。  第10回会議は10月20日に開幕し、42日間から45日間にわた...

25年8月新車販売台数統計、需要減少もビンファスト首位維持 (17日)

 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年8月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせた新車販売台数(TCモーターおよびビンファスト=VinFast含まず)は前月比▲18%減、前年同月比では+3%増の2万...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved