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ホーチミン市1区のグエンバンビン(Nguyễn Văn Bình)通りには、書店専門街があります。2016年1月9日にオープンし、当時ベトジョーニュースでも取り上げられました。日本の書店街というと、東京の神田古書店街を思い浮かべますが、ベトナムの書店街はどんな通りなのでしょうか。
その名も「本通り(Đường sách、ドゥオンサック)」
グエンバンビン通りは、聖母マリア教会(サイゴン大教会)の中央郵便局側脇から伸びる通りです。
ベトナム語では 「Đường sách(ドゥオンサック)」 と呼ばれています。日本語にすると「本通り」、英語だと「Book street」ですね。
長さ144m、幅8mの道なので、規模はさほど大きくありませんが、道の片側には10以上の書店が立ち並んでいて、反対側にはブックカフェが2軒あります。

(C) T. Kondo
平日の午前中に行ったせいか、人通りはあまり多くはありませんでしたが、街の喧騒から離れたい、本をゆっくり読みたい、本を漁りたい!という人にはもってこいの場所です。
この通りの名「Nguyễn Văn Bình」は、聖母マリア教会を司教座教会(地域を管轄する司教が執務する教会)とするサイゴン司教区が大司教区に昇格した際、初代大司教(1960~1995年)を務めたパウロ・グエン・ヴァン・ビン(Phaolô Nguyễn Văn Bình、1910~1995年)大司教の名に由来しています。ベトナム戦争中から戦後にかけた激動の時代に、現在のベトナム・カトリック教会を確立した人物で、国家からも「民族団結への功績を称える勲章」を授与されました。
朝8時から営業!?
「本通り」の営業時間は、早朝8時から21時まで となっています。午前8時半に行ってみたところ、各店舗はオープンしているのかしていないのかよく分からない感じで、お店のドアは開いているのですが、スタッフが本の整理や在庫補充を行っていて、入ってよいのか分からない雰囲気満載。でも、「ドアが開いている=入店OK」ということらしく、足を踏み入れても追い出されるようなことはありませんでした。しかし、朝8時からとは、街全体が早起きのベトナムらしい時間設定ですね。実際にこの時間からほんとうにやっているのか確認できませんでしたが、本当にそうなら出勤前にも立ち寄れてしまうというのがすごいです。
タンタンが客引き!?
一軒ずつみて回った(2016年当時)なかで、目を引いたのはこのお店!
「First News」という書店。何と言っても、お店の前の文字と、ベルギーの漫画『タンタンの冒険』の主人公「タンタン(Tin Tin)」の存在感が大きい!

(C) T. Kondo
ベトナムのお土産物やさんには、タンタンがベトナムを旅する様子(原作にはたぶんない)をプリントしたTシャツや絵などがたくさん売られていて、かなり馴染みのキャラクター。このお店では、タンタンが客引きやってます。

(C) T. Kondo
タンタンに導かれるように店内に入ると、綺麗な本のツリーがありました。新しいので内装がとても綺麗で、雰囲気の良いお店。落ち着いて本を見ることができました。

(C) T. Kondo
また、このお店の横には子どもが2人背中合わせで座っているオブジェがあります。これがまた存在感を放っており、通りかかる人が足を止めて写真撮影をしていました。台座のところには、入り口にある大きな文字と同じく「hạt giống tâm hồn(精神の種)」と書いてあります。
通りを教会側から進んだ最終地点には、古本屋さんが出ていました。

(C) T. Kondo
ベトナム語の本がほとんどでしたが、中には英語やフランス語の本も交じっていて、外国人観光客も手に取っていました。

(C) T. Kondo
そして、購入した本を早速読む場所としてちょうどよいのが、書店が立ち並ぶ側と反対側にあるブックカフェ。お店をあちこち歩いたあと、カフェで休むのは気持ちいいです。冷房は入っていませんでしたが、風通しが良く心地良い空間でした。

(C) T. Kondo
本を買う目的がなくても、持っている本を読んだり、仕事をしたりするのに最適だと思います。もちろんWifiは問題なく使えました。

(C) T. Kondo
レモンソーダを注文。コップのロゴがさかさまな理由はわかりませんが、おいしかったです。
今回紹介した「ブックストリート」は、1人当たりの年間読書数が平均0.8冊と、1冊にも満たないベトナム国民の読書量を向上させるべく、ベトナム政府が打ち出した政策です。果たして良い成果をもたらしているのでしょうか。ちなみに2014年に毎年4月21日を「ベトナム読書の日」とすることが定められました。

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