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日本では便座に座るタイプの洋式トイレが主流となっており、一般家庭でも洋式トイレの家が大半かと思われます。在住日本人の中でも若い世代では洋式トイレしか経験がない人もいるのではないでしょうか。一方、ベトナムもこの流れが出てきてはいますが、かつては和式トイレに似た形状のトイレが広く使われていました。現在も田舎やトイレが改装されていない古い施設などで見られますが、日本の和式トイレとは少し仕様が異なります。今回はその使い方について紹介していきたいと思います。(衛生に関する話ですので閲覧にはご注意ください)
(C) VIETJO Life 昔ながらの古いトイレ
地方に足を伸ばしたとき、国道沿いのカフェや食堂に入ると、裏手にこのようなトイレが備え付けられていることがあります。和式トイレと似ているようでちょっと違う。いったいどうやって使えばよいのでしょうか。
しゃがむ方向に注意

(C) VIETJO Life
ベトナム式トイレは、写真のような楕円型のものが一般的で、一方に穴が開いています。このような形のものはアジアで広く使用されているようです。和式トイレの場合、穴のあるほうに覆い(いわゆる「金隠し」)が取り付けられていますが、ベトナム式にはありません。
最も注意しなければならないのは、しゃがむ方向です。和式トイレの場合は穴のあるほうを前にしてしゃがみますが、ベトナム式では穴を後ろにしてしゃがみます。このタイプの便器でも現在は水洗式が大半ですが、水洗用のタンクがない場合、トイレの中においてある大きなバケツにためてある水を手桶ですくい、便器の中に流し込んで排泄物を流すというのが一般的。手桶の水では水量が少なく勢いがないので、和式トイレのようにしてしまうと排泄物を押し流すことが困難になります。十分注意してください。
流す時は勢いをつけて
トイレは水の勢いで汚物を押し流す仕組みになっていますので、できるだけたくさんの水を一度に便器に流しいれます。足に水がかからないよう注意しつつ、流れ具合を見て2~3杯流しましょう。
紙がないけど・・・・
この手のトイレには、紙が備え付けられていないことがあります。必要があれば?自分で用意するわけですが、この手のタイプのトイレは紙を流せませんので、備え付けのゴミ箱に捨てることになります。
また先ほどのバケツに貯められた水を使って、自らきれいにする方法もあります。洗い方は、手桶に水を汲んでしゃがみ、片手に手桶を持って、手桶から落とした水を左手で受け止めつつ、もう一方の手でばちゃばちゃとかけながら、あるいは直接お尻に水を流しながら、指を使って洗っているようです。水を前からかける人もいれば、後ろからかける人もいるとのこと。洋服を濡らさずに行うのは大変なのでズボンを脱いでしまうか、テロテロのズボンの場合は裾からぐるぐるに巻き上げてなるべく面積を小さくしていると推測されます。
水でばちゃばちゃ洗う上、勢いよく便器に水をかけるため、トイレの床はたいてい水浸し。足元が濡れないよう気をつけましょう。
紙は用意したけれど、ゴミ箱がない!
やはり、ばちゃばちゃと洗うのに慣れていない外国人は、紙を持参するのが良いと思いますが、例えそれが水にとけるトイレットペーパーであっても流してはいけません。特にベトナム式の古いトイレは日本より流れが悪く、流れにくいどころか詰まってしまうことがありますので、備え付けのゴミ箱に捨てることになっています。
しかし、地方のトイレはゴミ箱がないこともあります。このような場合、使用済みの紙の処理に困ってしまいますよね。そういう場合に備えてオススメしたいのは、ちょっとした買い物でもらう小袋をとっておき、小さく畳んで紙と一緒にカバンに入れておきます。ゴミ箱がないときはとりあえずその小袋に入れておき、ゴミ箱を発見したらそこに捨てます。持ち歩くのはちょっと気持ち悪いですが、ゴミを散らかすわけにもいきませんので、紙を使いたければそうするしかありません。
便器すらない場合もある!
現在ではかなり少なくなったと思われますが、トイレに入ってみると、中にはタイルの床が広がっているだけで、大きなバケツに入った水と手桶しかない!!!ということもあります。そこはトイレ兼行水場のように使われているところです。壁に小さな穴があることが多く、そこから外に水で押し流して、適当に大地を流れて川に流れ落ちるような仕組みになっている場合が多いです。小の場合は水で外に流すとして、大はどうすればいいのかというと、大も水で外へ流すということらしいです。試したことがないので、どのようになるかはわかりません・・・。
トイレを借りたいときのベトナム語
トイレのことをベトナム語で「nhà vệ sinh(ニャーヴェシン)」「phòng vệ sinh(フォンヴェシン)」または「toilet(トアレット)」と言います。nhàは「家」、phòngは「部屋」のこと、vệ sinhは「衛生」のベトナム語読みです。「toilet」も普通に通じますが、発音はフランス語の「トアレット」です。また、口語では直接的な表現を避け、「nhà nhỏ(ニャーニョー、小さい家)」ということも。
トイレを借りたいときは次のように言いましょう。
・トイレはどこですか?
Nhà vệ sinh ở đâu, anh / chi / em?
ニャーヴェシン オーダウ、アイン / チ?
ở đâu=どこ
anh / chi=同年代の年上に対する人称、em=年下に対する人称
※Nhà vệ sinhの部分はphòng vệ sinh、toiletなどに置き換えられます。
現在はトイレに対する衛生観念や求めるものが向上しており、昔ながらのスタイルのトイレを使用するのはベトナム人でも敬遠する人が多くなっています。一方で地方の田舎などに行くと、当時のものがそのまま現役で使われていることもありますので、使うことになったときには今回の記事を参考にしてください。
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