ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第1回】ベトナムの教育市場とビジネスチャンス

2015/01/19 05:17 JST配信

ベトナムは教育熱心な国として知られています。消費支出の6%程度が教育産業によって成立つ等、他の東南アジア諸国と比較しても割合が高く、また若者の数が多いため、所得の高まりとあわせて市場は大きく成長する事が予想されます。日系企業では公文なども早くから進出し現在は20弱の教室を展開する等事業を伸ばしています。

教育産業における市場

ベトナムでの教育産業においては大きく二つ市場があると考えてよいと思います。

一つは潜在的な海外留学市場。

ベトナム人の海外流学者数は10万人と多く、ほとんどが私費留学になります。当然裕福なクラスA(可処分所得$750程度以上、都市部の10-15%程度の家庭)がターゲットとなります。一番大きな市場が英語学習、続いて数学となります。月々の学習コストもUSD$100を超える教室が多く有り、教育熱心な親が積極的に投資をします。

もう一つの市場が中間層向けの市場。

これは主に補習校など学校授業の延長であったり、先生が個人的にフォローをするような形態です。母数は多いのですが、一人当たりの費用は前述のクラスAと比較するとかなり低くなります。

都市部で言うと小学生~高校生の半数弱が何かしらの学校外での学習に従事していると言われています。

ベトナムでのE-Learning市場は?

一方でこれだけスマホ・ソーシャルメディアの成長が著しいベトナムですのでE-learningなどの需要も大きいかと考えがちですが、まだ市場はほとんど無いに等しい状態です。僕の知人も数年前にE-learningでの所謂スカイプ英会話を始めたのですが全く上手くいかなかったようです。

理由はインフラ的な問題ではなく、特に親の「実際に先生と対面しながらの塾の方が子供はしっかり勉強する」という強い先入観が障壁になっています。実際に話を聞いてみても「オンラインだとサボってしまうのではないか」「子供の緊張感を保つのが難しそうだ」といった意見が良く聞かれます。またE-learningを行う為のベトナム語でのコンテンツ不足も課題の一つです。

一方で、先日「78%のベトナム人の子供がデジタル機器を使っている」という記事が掲載されました。調査対象が偏っている面は否めませんが、ベトナムでの子供へのデジタル機器の浸透は日本の人々が考えているよりも早く、ここに大きなビジネスチャンスを感じます。中学生以上となるとかなり押し込み型の教育が現状なのですが、幼稚園・小学生等を対象に「楽しみながら学べる」ゲーミフィケーションの要素を持った教育コンテンツがベトナムでは現在不足しており、またインフラ事情を鑑みても大きな潜在需要があるように感じます。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
世界とアジアのベストレストラン25年版、ベトナムから多数選出 (1日)

 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(Tripadvisor)」は、トラベラーズチョイスアワードの「ベスト・オブ・ザ・ベスト・レストラン」2025年版を発表した。  「高級店」部門で、ハノイ市の...

コンダオ島:ピンクの目をしたアルビノのウミガメ17匹を放流 (1日)

 ホーチミン市コンダオ特区のコンダオ国立公園はこのほど、非常に珍しいアルビノのウミガメ17匹の孵化に成功し、海へ放流した。  すべてコンダオ諸島のホンカウ島の1つの巣穴にあった卵78個から生まれたもの...

フーコック:海上ショー「シンフォニー・オブ・ザ・シー」毎日開催 (1日)

 南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)にある観光地「サンセットタウン・フーコック(Sunset Town Phu Quoc)」では、11月1日から毎日午後7時50分から20分間、フライボードとジェットスキーによる海...

サイゴン動植物園にそびえ立つ樹齢160年・高さ62mの大木 (10/26)

 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)のサイゴン動植物園には、樹齢160年余り、高さ62mの「サークー(xa cu)」の木がそびえ立つ。学名は「カヤ・セネガレンシス(Khaya senegalensis)」で、ムクロジ目センダン科カヤ...

シンガポールとベトナム、コメ貿易で協力 覚書締結 (10/31)

 韓国で開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に併せて、グエン・ホン・ジエン商工相とシンガポールのグレース・フー持続可能性・環境大臣 兼 貿易担当大臣は30日、両国間のコメ貿易の協力に関する覚...

カンボジアでベトナム人59人逮捕、ベトナム人8000人が被害 (10/31)

 西北部地方ライチャウ省警察は28日、公安省刑事警察局やカンボジア当局と協力し、カンボジア国内でベトナム人が運営する詐欺ルートを摘発した。容疑者らは、ベトナム国内のベトナム人を狙って詐欺行為を働いて...

駐重慶ベトナム総領事館を開設、中国西部地域との連携強化 (10/31)

 中国の重慶市で29日、駐重慶ベトナム総領事館の開設式典が行われた。式典には、中国側から重慶市長の胡衡華(フー・ホンホワ)氏ら、ベトナム側から駐中国ベトナム大使のファム・タイン・ビン大使らが出席した。 ...

メガネのJINS、ホーチミンに本格進出 11月に3店舗オープン (10/31)

 アイウエアの企画・製造・販売・輸出入などを手掛ける株式会社ジンズホールディングス(JINS、東京都千代田区)グループのジンズ・ベトナム(JINS Vietnam、ホーチミン市)は、11月8日のベトナム1号店を皮切りに、...

ビンGとブオン会長一家、映画制作会社「V-フィルム」を設立 (10/31)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)のファム・ニャット・ブオン会長は9月末、映画制作会社「V-フィルム(V-Film)」を設立した。  新会社

ベトナム航空、11月3日から搭乗ゲートで機内手荷物の超過料金徴収 (10/31)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、11月3日から搭乗ゲートで機内持ち込み手荷物の超過料金を徴収すると発表した。超過手荷物料金に関する新規則により、運航上の安全とサービ

ベトナムと英国、包括的・戦略的パートナーシップに関係格上げ (10/31)

 英国現地時間29日午後(ベトナム現地時間30日未明)、同国を公式訪問中のトー・ラム書記長と英国のキア・スターマー首相は会談を行い、両国関係を包括的・戦略的パートナーシップに格上げする共同声明に署名した...

中部の大規模洪水、18人死亡・行方不明 河川で歴史的水位を記録 (10/31)

 中部を襲った豪雨と洪水により、30日午前7時までに10人が死亡し、8人が行方不明となっているほか、22人が負傷した。  51軒の家屋が倒壊・流失し、122軒が損壊、12万8024軒が浸水した。  南中部地方ダナ...

スタンチャート銀、25年GDP成長率予想を+7.5%に上方修正 (10/31)

 英スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)は、ベトナムのマクロ経済に関する最新レポートの中で、2025年におけるベトナムの国内総生産(GDP)成長率予想を+6.1%から+7.5%に上方修正した。また...

25年1~10月期の海外派遣労働者数12.1万人、日本向けが最多 (10/31)

 内務省傘下の海外労働管理局(DOLAB)の発表によると、2025年1~10月期にベトナムから海外に派遣された労働者数は12万1190人で、年間計画の93.2%に達した。2025年通年は、目標の13万人を上回る見通しだ。  ...

ベトジェットとオックスフォード大学、ネットゼロの研究成果発表 (10/31)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)と英国オックスフォード大学はこのほど、英国を公式訪問したトー・ラム書記長の立ち会いのもと、航空業界におけるネット

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved