ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「人生なんとかなる」井上翔太さん/カフェ経営

2016/06/20 09:36 JST配信

ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けする在住日本人へのインタビュー。今回は、 22歳の若さでカフェを経営している井上翔太さん です!

大学を中退し、日本語を教えにベトナムへ来たはずが、気づいたら教えている場所へ出入り禁止処分に!? ベトナムで行く当てもなくなってしまったときに運命の出会い!? そして気づいたらカフェ経営!?!? もうジェットコースターのような人生に、驚きの連続です。

そしてこのような人生を歩むきっかけは、高校生の時の海外生活で培った考え方にあるように思います。みなさんも、この記事を読み終わった後、こう思うのではないでしょうか ―― 「人生なんとかなる」

オーストラリア、ボリビアそしてベトナムへ

―― 早速自己紹介をお願いします。

井上: ベトナム、ハノイで QUEEN’S COFFEE JAPAN というカフェを経営しております井上翔太です。よろしくお願いします!

―― 今回のインタビューもQUEEN’S COFFEE JAPANでおこなっています。イチオシのクレープをはじめデザートが豊富で、ごはんメニューも安くて美味しいんですよ。

井上: ハノイ在住の方はぜひ遊びに来て下さい! ごはんメニューもマンガもありますよ。

―― 宣伝はこのぐらいにして(笑)、 今日はなぜベトナムに来たのか、日本で何していたのか、そして実際にベトナムに来るにあたっての葛藤、最後に自分の失敗を踏まえた上で今後ベトナムに来る人へのアドバイスなどを話していただければと思います。

井上: よろしくお願いします。まだ、ベトナムに来て2年なんですけどね。

―― その割にはベトナム語が結構できますよね。

井上: そうですね、周りに日本語を話せる人がいなかったので、もう話すしかなかったです。ベトナム人って英語もしゃべれない人が多いので。

―― のちほどベトナム語が話せるようになったワケなども聞かせてください。最初に、なぜベトナムへ来たんですか? ちなみに今何歳ですか?

井上: 今、22歳です。

―― 22歳でカフェ経営者ってすごいですね。

井上: でも、海外に出てる人って、若くてエネルギッシュな人が多いですよね。確かに僕くらいの年齢だと留学生が多いですが。そもそも海外に出るのは好きなんですけど、正直アジアには興味がなかったです。

―― どこか違うところに行ってたんですか?

井上: 高校生の頃、留学プログラムに応募して南米のボリビアに1年間行っていました。そこも英語が通じなくて、スペイン語で会話していました。その前にも小6の時に、英語塾のプログラムで、オーストラリアのホストファミリーのところに滞在してました。英語は全然しゃべれないんですけどね。

日本語を教えに来たはずが出入り禁止に!?

―― ベトナム語とスペイン語は話せるけど英語は話せない。マイペースでいいじゃないですか。

井上: 来た当初は話せないことで困ることもありましたけど。出身は名古屋の隣の春日井市なんですが、海外行きたいなーと思っていた時に、近所の方がベトナムでカラオケ店を経営していて、 カラオケの女の子に日本語教えてくれないか って言われたのがきっかけです。 なんでもいいから行きたかったので、「行きます」 って言っちゃいました。

―― そのオファーもすごいですね。二十歳そこらの子にいきなり海外で日本語教えてくれないかって。

井上: それが、勉強嫌いなもので、学校が嫌になって休学してた時期だったんですよ。 自分で何かやりたいなと思いながら、もやもやしてた時にちょうどそのカラオケ店の話を聞いたので、二つ返事で「行きます!」って感じでしたね。

―― すごいですね! ご両親の反応はどうだったんですか。

井上: 小学生の時から海外に行かせてくれるような親だったので、特に大きな反対はありませんでした。それで、行ったはいいんですけど、2~3か月教えているうちにカラオケの女の子と仲良くなっちゃって、誘ってくれたおじさんが僕に嫉妬して、そのカラオケ店に出入り禁止になったんですよ(笑)

―― なんですかそれ! 教える目的で来てるのに!

井上: それで路頭に迷ってしまって、ビジネスチャンス見つけたいなーと思いながら過ごしていたら、クレープ屋さんのカフェを経営している方と父がたまたま知り合いで。「息子がハノイでぷらぷらしてる」って話したら、「じゃぁハノイでカフェやりましょう」ってなって、 また二つ返事で「はい、やります」ってなりました(笑) それでQueen’s Coffee Japanができたんですよ。

―― 来た時と同じパターンですね!  カフェのほうは立ち上げから行っているんですよね。カフェをやりましょうと言った方は、どの程度助けてくれたんですか?

井上: そうですね。クレープって、粉にしてもフルーツにしても、なかなか現地では材料がなくて。その人が教えてくれたのは、レシピとか、クレープの巻き方とか。ノウハウとかを2週間くらい教えてくれて、「後は頼んだよ」って帰っていきました。

―― では、立ち上げから2週間後には、ほぼ一人で切り盛りしてたんですね。当時21歳ですよね、激動ですね。

井上: 大変でしたね。今まで飲食店のアルバイト経験すら全くなしで、そこからのスタートだったので、本当に大変でした。

若いうちに海外へ100%出るべき

―― 今後海外出たいなって思ってる人に対して、何かお話しありますか。

井上: 海外には100%行った方がいい と思いますね。高校生の時、1年間ボリビアへ行ってたこともあって、これは実感として言い切れます。

―― 高校生の頃の1年間って、ずいぶん長いですよね。

井上: そうですね。でも45人クラスのうち10人くらいが留年して海外に行くんですけど、海外行った組と行かなかった組に分かれた時に、やっぱり海外組のほうが輝いていますね。いろんな経験もしているし、言語も一つ増えるし、何より視野が広がっていたりするので。

―― 確かに自信が付きそうですよね。ちなみにボリビアってどんなところなんですか? そこで何をしたんですか? 学校留年してまで行くわけですよね。

井上: 普段は学校に通って、終わったらサッカーに行って、週末はディスコに行って踊って、とにかく自由でした。その全部がいい経験になりました。僕の高校は工業系だったので、そのまま学校の世界しか知らずに就職しちゃう人も多いんですよ。でも、やっぱりそれだけは避けて欲しいです。海外には出て欲しいなと思いますね。

―― 確かに、アルバイトもしないで就職だけだと、本当にその世界しか知らないで終わっちゃうし、最初の仕事経験が就職だと、新しいことするのにハードルがあがっちゃいますよね。

井上: 僕は学校中退してベトナムに来ちゃいましたからね(笑)、それがいいことかはわからないですけどね。

―― 海外行って一番変わったなと思うこと、ありますか?

井上: そうですね、 とりあえず時間を守らなくなりました。 ボリビアの人って6時に待ち合わせしたら8時、9時に来るんですよ。最初はそれに腹立ってたんですけど、僕もそれくらいの時間に行くようになって、日本に帰ってからも「なんとかなるさ~」って感じになっちゃいましたね。

―― 沖縄の「なんくるないさ~」みたいな感じですね。ちなみに今は時間守ってますか?

井上: いや~怪しいですね。いまだに抜けきらないです。 「なんとかなるさ精神」はあの時、完璧に植えつけられました。 けれどプラス面で言うと「ゆとり」ができましたね。

とりあえず航空券を買ってみてもいいんじゃない?

―― ベトナムに来てから変わったことはありますか?

井上: 実は僕、全く下調べしないで来たんですよ。全然知らないで来て、カラオケ店に入って、大人の世界を知りました・・・。学生からいきなり社会人になったので、この経験は大きいですね。

―― 「なんとかなる精神」で来て実際に何とかなって、今は経営者ですもんね。

井上: 今まで経営というものも全くしたことがなかったので、勉強にもなりましたし、ベトナムの従業員の時給って50~60円なんですけど、それすら払っていくのって難しいんだなって感じましたね。50~60円の重みは大きいです。

―― 確かに。日本じゃお賽銭レベルですけれど。2週目から独り立ち、よく任せられましたね。当時21歳ですよね。

井上: :ありがたいですね。そのおかげでいろいろ勉強できました。

―― 井上さんの話って正直言って・・・参考にならないですね!

井上: これから来たいなーって人は「なんとかなるさ~」でとにかく来てみて下さい!

―― そうですよね! 高校中退でも、ベトナム語1ミリもわからなくても、働いたことなくてもなんとかなる! こんだけ力強いメッセージはなかなかないですよ(笑)

井上: ベトナムには日本人もいっぱいいるので、サポートしてくれる人も見つかりますし、QUEEN’S COFFEE JAPANに来てくれれば僕もいますし。 ベトナムだけではなく、広く海外にぜひ行ってみて欲しいですね。

―― ちなみに、カフェはどれくらいの資金で始められるんですか。

井上: 場所にもよりますけど、小さい店舗であれば内装と機材入れて100万円くらいですかね。

―― そんな程度でできるんですか! ベトナムはカフェ文化発達してますもんね。自分の店舗持ちたい人は必見ですね。これからベトナムへ来る人たちは、もう「なんとかなるさ精神」で来てみたらいいですね!

井上: とりあえず航空券買ってみたらいいと思います。とりあえず来てみれば、なんとかなるんで(笑)。困ったらQUEEN’S COFFEE JAPANまで来てくれたら僕が居ます!

―― 井上さん、他では聞けないようなお話しの数々を今日はありがとうございました!

井上さんのお店の詳細はこちら→ QUEEN’S COFFEE JAPAN

著者紹介
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、常に100件を超える日本人向けのベトナム勤務の求人・仕事を保有している。
◆ホームページURL : https://jellyfishhr.jp
ベトナム求人・転職・就職をお考えの方はこちら
Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (10:22)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

ニンビン省:国内最大級の教会「ランバン教会」が落成 (13日)

 北部紅河デルタ地方ニンビン省ザーバン村にあるランバン(Lang Van)教区は8日、約10年の建設期間を経て新たな教会「ランバン教会」の落成式を行った。  ランバン教区は1885年に創設された歴史ある教区で、19...

世界の美味しい料理トップ100、ベトナム料理が16位 和食は6位 (13日)

 世界中の伝統料理などを紹介するグルメサイト「テイストアトラス(TasteAtlas)」はこのほど、2025年版「世界の美味しい料理トップ100(Best Cuisines in the World)」を発表した。ベトナム料理は16位にランクイン...

「25年冬の人気観光地」にホーチミンが選出、トリップアドバイザー (13日)

 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(TripAdvisor)」は、世界6か国(米国、英国、フランス、オーストラリア、インド、日本)の旅行者への意識調査とサイトの利用状況データをもとに、2025年冬...

ホーチミンに自由貿易区を設立、国会決議 (12日)

 国会は11日、ホーチミン市に自由貿易区を設立して投資を誘致し、地域経済の中心地とするための特別制度の試行に関する決議を賛成多数で採択した。同市の開発にかかる特別制度の試行に関する2023年の国会決議第9...

国会、司法関連の法律2本を可決 受刑者の権利と義務を規定 (12日)

 国会は10日、改正刑事判決執行法および拘留・勾留・居住地制限措置に関する法律を含む、司法に関連する法律2本を可決した。  このうち、改正刑事判決執行法は15章180条で構成され、2026年7月1日に施行され...

国会、国家管理関連の法律4本を可決 汚職防止規制強化 (12日)

 国会は10日、◇汚職防止法の一部を改正・補足する法律、◇改正国会・人民評議会監視活動法、◇国民対話法・苦情申し立て法・告発法の一部を改正・補足する法律、◇国際条約法の一部を改正・補足する法律を含む、国...

25年1~11月期の新規設立企業17.8万社、前年同期比+20.9%増 (12日)

 財政省傘下統計局(NSO)が発表したデータによると、2025年1~11月期に全国で新規設立された企業は前年同期比+20.9%増の17万7993社、登録資本金の合計は同+20.9%増の1753兆2190億VND(約10兆3000億円)だった。同...

フェニカーと韓国緑十字、健康診断施設をハノイに開業 (12日)

 韓国の製薬会社である緑十字ホールディングス(GC Holdings=GC)はこのほど、ハノイ市で健康診断施設「GC&フェニカー・ヘルスケアセンター(GC&Phenikaa Healthcare Center)」を開業した。  同施設は、地場...

25年11月新車販売台数統計、月間販売台数は年内最多 (12日)

 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年11月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせた新車販売台数(TCモーターおよびビンファスト=VinFast含まず)は前月比+4%増、前年同月比では▲11%減の3...

国会、交通・インフラ関連の法律3本を可決 遅延・欠航の補償など (12日)

 国会は10日、◇改正民間航空法、◇改正建設法、◇改正計画法の交通・インフラ関連の法律3本を可決した。  このうち、改正民間航空法は11章107条で構成され、2026年7月1日に施行される。  注目すべき点とし...

国会、社会・経済関連の法律14本を可決 報道規制の強化など (12日)

 国会は10日と11日、社会・経済分野に関する14本の法律を可決した。可決された法律は以下の通り。 ◇改正報道法 ◇疾病予防法 ◇改正大学教育法 ◇改正投資法 ◇改正預金保険法 ◇改正国家準備法 ◇破産再生

財政省、暗号資産取引市場の管理委員会を設立 (12日)

 国家証券委員会(SSC)は10日、財政省が「暗号資産取引市場管理委員会」を設立したと発表した。同委員会は、暗号資産市場を専門的に監督する国内初の機関となる。SSCのブイ・ホアン・ハイ副委員長が、暗号資産取...

国会、ザービン国際空港プロジェクトの実施を承認 (12日)

 国会は11日、北部紅河デルタ地方バクニン省で計画されているザービン国際空港建設プロジェクトの投資方針を承認する決議を採択した。投資総額は約196兆3780億VND(約1兆1600億円)となる見通しだ。  同空港は...

日越の環境省、企業の温室効果ガス排出量の透明性向上へ (12日)

 日本の環境省は、ベトナム農業環境省とコ・イノベーションのための透明性パートナーシップ(PaSTI)を通じた活動内容に関するオンライン会議を行った。  民間企業の透明性向上に向けて、ベトナムの温室効果ガ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved