ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「環境を変えることが大事」八島悠輔さん/製造業勤務

2016/07/18 09:17 JST配信

ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けする在住日本人へのインタビュー。今回ご紹介するのは、 新卒で来越し、家具の製造工場で働く八島悠輔(やしま ゆうすけ)さん です!

幼少期を台湾で過ごした経験があるそうですが、その時は親に完全に守られていたと言います。「今度は自分ひとりで海外に出て、生活できるのか試してみたい」、そんな気持ちを持ってベトナムにやって来たそうです。今の八島さんの生活とそれまでの経験を話していただきました。

「大丈夫」の基準が違う

―― こんにちは! まずは自己紹介をお願いします。

八島: 大阪生まれの26歳、八島悠輔です。 ビンズン省 にある工場で働いています。ベトナムに来て3年ぐらい経ちました。

―― 仕事の内容を教えて頂けますか? また、日々の仕事で感じることはどんなことでしょうか?

八島: 製造業の中でも、私が携わっているのは主に、製品の最終チェックや出荷に関わる部分です。具体的には、日本へ出荷する製品の検品と品質チェックを行い、出荷表を作ったりするのですが、そのほか資材メーカーとのやりとりや新規開拓営業をしたり、ベトナム人スタッフを教育したりと、幅広い業務を行っています。出張もよくあります。

日々感じるのは、品質管理の際、 ベトナム人と日本人では出荷してOKだという基準が全然違うなぁ ということです。「この傷はあかんやろ!」と思ってそれを工場長に指摘すると、「こんなの大丈夫だろう!」と言われ、ぶつかることもしばしばです。 だからこそ、前もってルール設定をすることの大切さを感じましたし、問題解決のやり方なども学べています。

―― 前もってルール設定することで、トラブルを回避できる可能性が高くなるんですね。 仕事をしていて楽しいと思うことはありますか?

八島: 仕事中に楽しいと思うことは・・・実はそんなに思いつかないんです(笑) でも、日本に帰った時に自社の製品を見ると、 「遠路はるばるご苦労様」 と言ってあげたくなりますね。感慨深いです。

―― なるほど。それはものづくりの醍醐味ですね!

「人生の夏休み」を終えてチャレンジ

―― 八島さんの学生時代について教えていただいてもいいですか?

八島: 学生時代はこれをした!というようなことは特になくて、どちらかというと好きなことをのんびりとやった、まさに 人生の夏休み のような学生時代でした。友達を集めてフットサルやバスケをしたり、暇ができたら自転車で旅をしたり、お金がなくなったらバイトをしたり。とにかく自由に、一日一日を好きなように生きてました。

1年間休学もしたのですが、その期間も留学をしたとか、インターンをしたとかいう経験があるわけではなく、家の隣のプールでアルバイトをしてました。他には、留年会という有意義な会を開催したり、留年卒業旅行なんて言って旅行をしたり(笑)

―― 留年卒業旅行・・・かなり気ままで自由な学生時代を送られたんですね!(笑) そこから新卒でベトナムに来られたということですが、 何がきっかけで海外就職を選ばれたんですか?

八島: 子供のころ台北に6年間住んでいたのですが、そのときは常に親に守られた生活をしていました。私の父は13年ほど台北に赴任していたので、大人になって自分も父と同じように、一人で海外で生活することができるのかを試してみたかったんですね。

もう一つは、海外に行くことで、自分自身を整理をしたかったんです。 日本にいるとどうしても、「いらないもの」を抱えがちになると思います。それはモノであったり、人間関係であったり。そういうものを一度整理したかったんです。

―― 確かに、一度海外に出て日本に帰ると、いるものといらないものが少しはっきりしますよね。そういう意味でも、環境を変えることって大事かもしれません。 そうして実際ベトナムに来てみて、良かったことを教えて頂けますか?

八島: まず言葉が不自由な国に来ると、感覚が研ぎ澄まされますよね。欲しい情報や、会いたい人との時間を得るために、貪欲に行動するようになりました。また、ベトナムにいる間に、「次に日本に帰ったら何をしようかな」と考える時間が好きなんです。いざ日本に帰ったら、日本に集中できる。色んな人に会ったり、色んな物を買ったり。 海外に出ていることで、日本がもっと楽しくなった気がします。

―― 確かに海外に出ると行動的になりますよね。私も、日本だったら、「明日でもいいや」となってしまうことが、海外だと「今日しかないかも」って思うことがあります。 ところで、八島さんはベトナムのどこが好きですか?

八島: 僕は ベトナムの「人」が好き ですね。僕の周りのベトナム人が特にそうなのかもしれないけど、真面目で人を疑わない人が多いと思います。ある日、胸を押さえながら「うっ・・・実は俺、心臓病なんだ」と嘘をついたら、すごく心配して、次の日に心臓の薬を買ってきてくれたり(笑) ごはんを食べに行ったりすると、お金を絶対出させてくれないし。真面目で優しいんですよね。

―― 心臓病の嘘はかわいそうですよ(笑) 私も、ベトナム人は真面目で純粋な方が多いという印象があります。もちろん人にもよりますが。

環境を変えることが大事

―― 八島さんは将来の夢がありますか?

八島: うーん・・・特にないけど、強いて言うなら、自分に一番合う国はどこかを探したいですね。今のところ、大阪を超えるところはありません。だんだん西に移動して行こうと思っています。次はタイに行ってみたいかな。

―― 自分に一番合う国って何だろう? 私も色んな所に行って、自分に合うところを見つけてみたいですね。 では、最後に読者に向けて一言お願いします

八島: まず、今将来について悩んでいたり、止まっている方へ。 人生の中では「何もやらない」という選択肢もある と思います。周りではあれこれ忙しくしている人が多いかもしれません。でも、何をしようかなって悩んだり、止まっている時間も大事だと思います。ゆっくり進めばいいと思いますよ。

また、僕の中では海外に出ること自体が大事なことではなくて、 環境を変える ことが大事だと思います。周りが物や人間関係でごちゃごちゃしてきたら、一度環境を変えてそれを整理する。新しい物事をどんどん探すのも大事ですが、その都度いらなくなった物事を捨てることも大事です。その方法の一つが「海外に出ること」なんだと思います。

―― 八島さん、ありがとうございました! 悩んだり止まったりしている時間も大事だという言葉は、今将来のことなどで、悩んだり立ち止まったりしている人に勇気を与えてくれるのではないでしょうか。

著者紹介
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、常に100件を超える日本人向けのベトナム勤務の求人・仕事を保有している。
◆ホームページURL : https://jellyfishhr.jp
ベトナム求人・転職・就職をお考えの方はこちら
Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
「人材競争力に関する国際調査(GTCI)」、越は135か国中76位 (13:15)

 インシアード(INSEAD)は、世界135か国の「人財を獲得・育成・維持する能力」を調査・ランク付けした「人材競争力に関する国際調査(Global Talent Competitiveness Index=GTCI)2025」を発表した。  GTCIで...

韓国の造船用資材メーカー、カインホア省に新工場を設立へ (13:00)

 造船用資材などを生産する韓国のセジン重工業(Sejin Heavy Industries)は、南中部地方カインホア省にあるニントゥイ工業団地に新工場を設立する。  セジン重工業は2011年、カインホア省に現地工場のセジン...

12月19日、全国で234案件を一斉に着工・竣工 総額20兆円 (6:33)

 12月19日、全国各地で計234件のプロジェクトに関する着工・竣工・開通の記念式典が開催される。2016年1月に開幕する第14回共産党全国大会を祝う行事の一環として行われ、投資総額は約3400兆VND(約20兆円)に上る...

湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (14日)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

「イオンモール・ダナン・タインケー」、26年夏オープン (6:25)

 イオンモール株式会社(千葉県千葉市)は、南中部地方ダナン市で開発中の「イオンモール・ダナン・タインケー(AEON MALL Da Nang Thanh Khe)」について、2026年夏のオープンを目指して準備を進めている。  同...

ベトナム映画、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート逃す (5:44)

 アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は米国現地時間16日、第98回アカデミー賞「国際長編映画賞」のノミネート候補作品のショートリストに選出した15作品を発表した。  ベトナム代表とし...

ベトナム航空、ホーチミン~コペンハーゲン線を就航 初の北欧線 (5:19)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は15日、ホーチミン市とデンマークの首都コペンハーゲンを結ぶ直行便を就航した。ベトナムと北欧を結ぶ直行便はこれが初めて。

25年1~11月期の訪日ベトナム人63.5万人、24年通年超え (4:44)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年11月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+3.2%増の5万1800人で、11月として過去最高を記録するとともに、8か月連続で単月の過去最高を更新した。  1~11...

ホーチミン:外国人の滞在状況を抜き打ち検査、新政令施行で (4:16)

 家庭内暴力の防止や社会秩序の維持に関する行政罰を定めた政令第282号/2025/ND-CPが15日に施行されたことを機に、ホーチミン市タンディン街区(旧1区の一部)警察は15日夜から16日未明にかけて、賃貸住宅やホテル...

山洋電気、フンイエン省に子会社を設立へ 新工場を法人化 (3:47)

 クーリングシステム製品やパワーシステム製品、サーボシステム製品を手掛ける山洋電気株式会社(東京都豊島区)は、北部紅河デルタ地方フンイエン省に同社100%出資の連結子会社を設立する。  子会社「山洋電...

25年11月の対日貿易収支、1349億円の黒字 +15.5%増 (2:13)

 日本の財務省が発表した2025年11月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比+15.5%増の1348億5800万円の黒字だった。  日本からベトナムへの輸入額は前年同月比+14.0%増の2499億780...

ビンEVタクシー、フィリピンのダバオでサービス開始 (17日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社で、配車サービス「サインSM(X

改正民間航空法、低空域の航空輸送を初めて制度化 無人機活用へ (17日)

 国会でこのほど可決された改正民間航空法(2026年7月1日施行)では、「低空域の航空輸送」という概念が法制度に初めて導入された。  これは、無人航空機(UAV)や新世代の飛行体を活用した次世代航空輸送モデル...

韓国アリエックス、地場投資大手VIGなどと合弁会社設立 (17日)

 ベトナムを中心に国際決済・データインフラ事業を展開する韓国系アリエックス・ベトナム(Alliex Vietnam)は、グローバルデジタル金融グループのゴータイム(GoTyme)および地場ベトナム・インベストメンツ・グル...

改正投資法、条件付き事業を削減 電子たばこの製造販売も禁止 (17日)

 国会でこのほど可決された改正投資法では、行政手続きの簡素化や条件付き事業分野の削減など、投資環境の改善を目的とする多くの改革が盛り込まれている。  同法は7章52条と4つの付録から構成される。2026...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved