ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第4回】日韓エンタメ戦略の差によるベトナムビジネスへの影響

2015/03/23 18:59 JST配信

ベトナムでは、K-POPや韓流ドラマなどを目にする機会が多いと思います。一方、日本のエンターテイメントといわれると、「アニメ」「漫画」「コスプレ」などをイメージする人が多いように思いますが、実際、ベトナム人はどのように思っているのでしょうか。

今回は、ベトナムにおける日韓エンタメ事情を調査しました。

ベトナム人が知っている日本の有名人は誰??

上の表は、ベトナム人に聞いた「知っている日韓有名人」「日韓ドラマ」のランキングです。

ベトナム人が知っている日本の有名人はというと、 1位=安倍晋三2位=小澤マリア ・・・。2位に往年のセクシー女優が来てしまうのが意外ですが、実は、昔からベトナムでは日本のアダルトVCD・DVDが廉価で出回っていた経緯があります。ですので、ベトナムでは「セクシーでエロい」象徴として小澤マリアの知名度は極めて高いです。

一方で「知っている韓国の有名人」となると、 イ・ミンホチャン・ドンゴン など、韓流の俳優や歌手の名前ばかり出てきます。

知っている日本のドラマの断トツ1位は 「おしん」 。それに続くのはなぜか 「ドラえもん」 。もはやドラマですらありません。

これに対し、韓国のドラマは比較的最近の作品がランクインしています。これはベトナムで放送されている日韓ドラマの量の違いが背景にあります。ここ5年で韓国ドラマは78本も放送されているのに、日本のドラマは10本しか放送されていません(JETRO調べ)。

これには、韓国ドラマの放映権の安さやストーリーの明快さなど、様々な理由があるようですが、結果的にネットでの視聴などを含めて、ベトナム人は韓国のドラマを見て韓国の音楽を聴く・・・、そんな生活を送っています。

下のグラフは、ベトナムの2チャンネルのようなサイトでの日韓エンターテインメントの書き込み数を比べたものですが、日本のドラマや音楽について話題にする人は非常に少ないです。

ベトナム人が持つ日韓のイメージは?

日本や韓国、その他の国について、ベトナム人はどのようなイメージを持っているのでしょうか。

下の表は、「技術」「食事・料理」「化粧品」など、それぞれのキーワードを聞いて思い浮かぶ国は?というアンケート調査の結果です。

先ほどの、エンターテインメントの認知度の差異が大きな影響を与えているのが、ファッションや化粧品といった消費者商品(消費財)の分野です。これらのカテゴリーでは韓国商品が日本を圧倒しています。クールジャパン戦略に力を入れている日本ですが、ベトナム人が日本に「クール」さを感じるのは、テクノロジーやアニメの分野に限定されています。

実際、ファッション・化粧品等の分野では、多くの韓国企業がベトナムで売上を拡大させています。特徴的なのは、本国での売上が100億円程度の会社が、早くからベトナムに進出し、韓流ドラマ・音楽の後押しを受けて売上を伸ばしている点です。特に韓国の化粧品企業はイメージの強さに加えて、独特でアピールし易い効能と、手に取り易い価格でベトナム市場を攻略しています。

ベトナムでの日本企業の今後の展開は?

ベトナムは他の東南アジア諸国以上に親日国です。日本人、日本製品であるというだけでプレミアムがつき、仕事をする上で様々な恩恵を受けることができます。また平均年齢が28歳と若く、これからの消費者市場の広がりが約束されている国だと思います。この環境で日本の消費者向け商品がチャンスを逸しているのは本当にもったいない状況です。

まだ1人当たりのGDPが2000ドルと決して裕福ではないベトナムですが、5年後・10年後を見据えた時に、非常にオポチュニティの高い市場だと感じています。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
FPT、AIエージェント教育プログラムを導入 インド企業と提携 (6:18)

 ベトナムを代表するIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は1日、インドの情報技術(IT)教育組織ジェットキング(Jetking)との間で、人工知能(AI)エージェント教育プログラムの

AI関連の地場スタートアップ「AI Hay」、1000万USD調達 (6:02)

 人工知能(AI)を活用した検索プラットフォームを開発する地場スタートアップのAIハイ(AI Hay)はこのほど、東南アジアを中心にテクノロジー分野のスタートアップ企業に投資するアルゴー・キャピタル(Argor Capita...

6月のベトジョー記事アクセス数ランキング (5:53)

 VIETJOベトナムニュースが6月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:個人事業主への電子請求書義務化、店舗が敬遠で現金決済に逆戻り

8人兄弟の学者一族「グエン・ラン家」、故クオン氏を偲ぶ【後編】 (6/29)

 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が2025年5月6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去...

6月のベトジョー記事10選:省・市再編の決議採択、国会閉幕など (5:30)

 6月は、第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が閉幕しました。今国会では、34本の法律を可決し、14本の決議を採択しました。  国会では、全国63省・市の行政区を大幅に削減して34省・市とする行政区再...

クアンガイ省:ズンクアット経済区で新都市区開発、投資方針承認 (4:55)

 チャン・ホン・ハー副首相はこのほど、南中部地方クアンガイ省ズンクアット経済区内でのズンクアット東南新都市区北側・南側の2件の開発案件の投資方針を承認する決定に署名した。  ズンクアット東南新都市...

ベトナム航空、ダナン~大阪線を約5年ぶり運航再開 (4:39)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は3日、2020年以来約5年ぶりにダナン~大阪線(VN336/VN337)の運航を再開した。同路線は週4便の運航となる。  ベトナム航空は同

スペースシフト、地場ベガコスモスと衛星データビジネス推進で提携 (3:21)

 衛星データ解析システム開発や衛星データ解析業務などを手掛ける株式会社スペースシフト(東京都千代田区)は、地場テクノロジー企業のベガスター・テクノロジー(VegaStar Technology、ハノイ市)グループで地理空...

TCJグローバル、地場日本語教育機関と提携 法人向け人材紹介を.. (2:37)

 外国人留学生向け進学・就職日本語コースの運営などを手掛ける株式会社TCJグローバル(旧:東京中央日本語学院、東京都新宿区)は6月16日、ベトナム国内で日本語教育と留学・就労者紹介事業を行うニャットファッ...

ラム書記長とトランプ米大統領が電話会談、貿易協定の枠組み合意 (3日)

 トー・ラム書記長はベトナム時間2日夜、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談を行い、両国関係と両国間の相互関税について話し合った。  両首脳は電話会談で、両国関係が良好かつ急速に発展していることに...

ベトナム初のグリーンB2B電子商取引所「EcoHub」誕生 (3日)

 アロビッド・テクノロジー(Arobid Technology)は1日、ベトナム初となるグリーンB2B(企業間取引)電子商取引(eコマース=EC)プラットフォーム「エコハブ(EcoHub)」を発表した。  エコハブは単なるオンライン...

PEPI指数を初発表、再編後の34省・市の経済的地位を数値化 (3日)

 ベトナムの経済データ関連スタートアップ企業のベトスタッツ(Vietstats)は1日、全国34省・市を対象とした初の包括的な経済評価指数「地方経済ポジション指数(PEPI)2025」を発表した。  PEPIは、これまでの...

ベトテル、ダナンでハイテク複合ビルを着工 27年完成 (3日)

 南中部地方ダナン市人民委員会と国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)は1日、ハイテク複合施設「ベトテル・ダナン・ビルディング(Viettel Da Nang Building)」の着工式を...

モビフォン・ワンマウント・テクコム銀、デジタル決済会社を設立 (3日)

 携帯通信大手のモビフォン(Mobifone)、テクノロジー企業のワンマウントグループ(One Mount Group)、大手民間銀行のテクコムバンク[TCB](Techcombank)は、電子決済事業を手がける新

バイクの初回登録料、全国一律2%に (3日)

 政府は6月30日、車両登録料を規定する政令第10号/2022/ND-CPの一部を改正・補足する政令第175号/2025/ND-CPを公布した。新政令は7月1日に施行された。  新政令によると、7月1日から、バイクの初回登録料が...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved