原産国(Country-of-origin)は、購入を決定する際の最も重要な要素の 1 つです。 過去の調査では、化粧品、医薬品、食品、電子機器の中で原産国の重要性が特に高く、 特に「Made in Japan」や「Made in Korea」は信頼や品質の代名詞として使われています。
一方で、多くのブランドが生産戦略を東南アジアや中国に移すようになってから10年以上が経ちました。 では、ベトナムでは「メイドインジャパン」や「メイドインコリア」がどれくらい普及しているのでしょうか? 製品がどこから輸入されているかを確認するために輸入データを分析しました。
家電での「日本製」は殆ど無し
2022年の輸入データにおける「日本製」「韓国製」の割合を見ると、その数は驚くほど少ないものでした。 例えば、家電分野における「日本製」の貢献額はエアコンで1%、冷蔵庫で2%に過ぎず、「Made in Korea」も同様の傾向で、 エアコンでは 5%、冷蔵庫では 3% に留まりました。このような傾向はITでも同じでパソコンやスマホなどで日本製の商品は殆どベトナムには存在しませんでした。
家電製品のカテゴリーには、パナソニック、ダイキン、日立、三菱、サムスン、LGなどの有名な日本または韓国のブランドをありますが、 これらのブランドはすでに生産拠点をアジアに移しています。 たとえば、LGは中国や東南アジアに家電製品のさまざまな工場を有しています。エアコンはタイ、冷蔵庫は中国やインドネシアから輸入しており、韓国製は高級品に限られています。日系企業も同様にベトナム国内での製造に加えて東南アジアなどを中心に製造移管をしています。
東南アジアへの製造移管が進むIT・家電・自動車
カテゴリー別に輸入元を見てみると、特にIT・家電・自動車の分野ではMade in JapanやMade in Koreaはほとんど見当たりません。 これらのカテゴリーでは、人件費の安さ、サプライチェーンの改善、税制の優遇などを理由に、すでに生産拠点を中国や東南アジアに移管されています。理解はしていましたが、思いのほか現在のベトナムでこれらのカテゴリーに関して日本製の商品を見つけるのは難しくなっています。
Made-in-Japanの割合の高いカテゴリーは
一方で、日本製・韓国製がまだ残っているカテゴリーもあります。 例えば化粧品はこれら2カ国からの輸入比率も高いですし、欧米からの輸入比率も高めです。。 また、おむつや粉ミルクなどのママとベビーのカテゴリーでは、依然として日本製の露出が特徴的に高かったりします。。 これらの消費財カテゴリーは、SKU が多様であり、製品ごとの消費量が少ないため、輸入国も非常に多岐に渡っています。
現在、市場には日本製・韓国製の商品はカテゴリーによってかなり少なくなっており、「日本品質」または「韓国の技術」をうたって、製品の品質や信頼性を宣伝する形に移行しています。この傾向が続くかどうかは定かではありませんが、ウォンまたは円の下落により、日本製や韓国製商品をより手頃な価格で購入できるようになるので 近い将来、本物の日本製または韓国製の商品が再び増えるかもしれません。