ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第67回】Made in Japanはベトナムにどれだけあるのか

2023/06/28 17:00 JST配信

原産国(Country-of-origin)は、購入を決定する際の最も重要な要素の 1 つです。 過去の調査では、化粧品、医薬品、食品、電子機器の中で原産国の重要性が特に高く、 特に「Made in Japan」や「Made in Korea」は信頼や品質の代名詞として使われています。

一方で、多くのブランドが生産戦略を東南アジアや中国に移すようになってから10年以上が経ちました。 では、ベトナムでは「メイドインジャパン」や「メイドインコリア」がどれくらい普及しているのでしょうか? 製品がどこから輸入されているかを確認するために輸入データを分析しました。

家電での「日本製」は殆ど無し

2022年の輸入データにおける「日本製」「韓国製」の割合を見ると、その数は驚くほど少ないものでした。 例えば、家電分野における「日本製」の貢献額はエアコンで1%、冷蔵庫で2%に過ぎず、「Made in Korea」も同様の傾向で、 エアコンでは 5%、冷蔵庫では 3% に留まりました。このような傾向はITでも同じでパソコンやスマホなどで日本製の商品は殆どベトナムには存在しませんでした。

家電製品のカテゴリーには、パナソニック、ダイキン、日立、三菱、サムスン、LGなどの有名な日本または韓国のブランドをありますが、 これらのブランドはすでに生産拠点をアジアに移しています。 たとえば、LGは中国や東南アジアに家電製品のさまざまな工場を有しています。エアコンはタイ、冷蔵庫は中国やインドネシアから輸入しており、韓国製は高級品に限られています。日系企業も同様にベトナム国内での製造に加えて東南アジアなどを中心に製造移管をしています。

東南アジアへの製造移管が進むIT・家電・自動車

カテゴリー別に輸入元を見てみると、特にIT・家電・自動車の分野ではMade in JapanやMade in Koreaはほとんど見当たりません。 これらのカテゴリーでは、人件費の安さ、サプライチェーンの改善、税制の優遇などを理由に、すでに生産拠点を中国や東南アジアに移管されています。理解はしていましたが、思いのほか現在のベトナムでこれらのカテゴリーに関して日本製の商品を見つけるのは難しくなっています。

Made-in-Japanの割合の高いカテゴリーは

一方で、日本製・韓国製がまだ残っているカテゴリーもあります。 例えば化粧品はこれら2カ国からの輸入比率も高いですし、欧米からの輸入比率も高めです。。 また、おむつや粉ミルクなどのママとベビーのカテゴリーでは、依然として日本製の露出が特徴的に高かったりします。。 これらの消費財カテゴリーは、SKU が多様であり、製品ごとの消費量が少ないため、輸入国も非常に多岐に渡っています。

現在、市場には日本製・韓国製の商品はカテゴリーによってかなり少なくなっており、「日本品質」または「韓国の技術」をうたって、製品の品質や信頼性を宣伝する形に移行しています。この傾向が続くかどうかは定かではありませんが、ウォンまたは円の下落により、日本製や韓国製商品をより手頃な価格で購入できるようになるので 近い将来、本物の日本製または韓国製の商品が再び増えるかもしれません。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (10:22)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

ニンビン省:国内最大級の教会「ランバン教会」が落成 (13日)

 北部紅河デルタ地方ニンビン省ザーバン村にあるランバン(Lang Van)教区は8日、約10年の建設期間を経て新たな教会「ランバン教会」の落成式を行った。  ランバン教区は1885年に創設された歴史ある教区で、19...

世界の美味しい料理トップ100、ベトナム料理が16位 和食は6位 (13日)

 世界中の伝統料理などを紹介するグルメサイト「テイストアトラス(TasteAtlas)」はこのほど、2025年版「世界の美味しい料理トップ100(Best Cuisines in the World)」を発表した。ベトナム料理は16位にランクイン...

「25年冬の人気観光地」にホーチミンが選出、トリップアドバイザー (13日)

 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(TripAdvisor)」は、世界6か国(米国、英国、フランス、オーストラリア、インド、日本)の旅行者への意識調査とサイトの利用状況データをもとに、2025年冬...

ホーチミンに自由貿易区を設立、国会決議 (12日)

 国会は11日、ホーチミン市に自由貿易区を設立して投資を誘致し、地域経済の中心地とするための特別制度の試行に関する決議を賛成多数で採択した。同市の開発にかかる特別制度の試行に関する2023年の国会決議第9...

国会、司法関連の法律2本を可決 受刑者の権利と義務を規定 (12日)

 国会は10日、改正刑事判決執行法および拘留・勾留・居住地制限措置に関する法律を含む、司法に関連する法律2本を可決した。  このうち、改正刑事判決執行法は15章180条で構成され、2026年7月1日に施行され...

国会、国家管理関連の法律4本を可決 汚職防止規制強化 (12日)

 国会は10日、◇汚職防止法の一部を改正・補足する法律、◇改正国会・人民評議会監視活動法、◇国民対話法・苦情申し立て法・告発法の一部を改正・補足する法律、◇国際条約法の一部を改正・補足する法律を含む、国...

25年1~11月期の新規設立企業17.8万社、前年同期比+20.9%増 (12日)

 財政省傘下統計局(NSO)が発表したデータによると、2025年1~11月期に全国で新規設立された企業は前年同期比+20.9%増の17万7993社、登録資本金の合計は同+20.9%増の1753兆2190億VND(約10兆3000億円)だった。同...

フェニカーと韓国緑十字、健康診断施設をハノイに開業 (12日)

 韓国の製薬会社である緑十字ホールディングス(GC Holdings=GC)はこのほど、ハノイ市で健康診断施設「GC&フェニカー・ヘルスケアセンター(GC&Phenikaa Healthcare Center)」を開業した。  同施設は、地場...

25年11月新車販売台数統計、月間販売台数は年内最多 (12日)

 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年11月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせた新車販売台数(TCモーターおよびビンファスト=VinFast含まず)は前月比+4%増、前年同月比では▲11%減の3...

国会、交通・インフラ関連の法律3本を可決 遅延・欠航の補償など (12日)

 国会は10日、◇改正民間航空法、◇改正建設法、◇改正計画法の交通・インフラ関連の法律3本を可決した。  このうち、改正民間航空法は11章107条で構成され、2026年7月1日に施行される。  注目すべき点とし...

国会、社会・経済関連の法律14本を可決 報道規制の強化など (12日)

 国会は10日と11日、社会・経済分野に関する14本の法律を可決した。可決された法律は以下の通り。 ◇改正報道法 ◇疾病予防法 ◇改正大学教育法 ◇改正投資法 ◇改正預金保険法 ◇改正国家準備法 ◇破産再生

財政省、暗号資産取引市場の管理委員会を設立 (12日)

 国家証券委員会(SSC)は10日、財政省が「暗号資産取引市場管理委員会」を設立したと発表した。同委員会は、暗号資産市場を専門的に監督する国内初の機関となる。SSCのブイ・ホアン・ハイ副委員長が、暗号資産取...

国会、ザービン国際空港プロジェクトの実施を承認 (12日)

 国会は11日、北部紅河デルタ地方バクニン省で計画されているザービン国際空港建設プロジェクトの投資方針を承認する決議を採択した。投資総額は約196兆3780億VND(約1兆1600億円)となる見通しだ。  同空港は...

日越の環境省、企業の温室効果ガス排出量の透明性向上へ (12日)

 日本の環境省は、ベトナム農業環境省とコ・イノベーションのための透明性パートナーシップ(PaSTI)を通じた活動内容に関するオンライン会議を行った。  民間企業の透明性向上に向けて、ベトナムの温室効果ガ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved