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- 中秋節やASF流行で国内の消費需要が急増
- 価格低迷期に小規模養鶏農家が規模縮小
- 武力衝突でカンボジアへの輸出需要が急増
ベトナムでは、鶏卵の価格がこの1か月で2倍に急騰している。価格低迷で苦しんでいた生産農家は利益が出ると歓迎しているが、鶏の補充が行き過ぎれば、供給過剰で価格が再び下落する恐れがあるとの声も出ている。
ベトナム家禽協会のグエン・タイン・ソン会長は、価格急騰の原因を複数指摘した。第1に、国内で消費需要が急増したことが挙げられる。中秋節向けの月餅の原材料として各菓子メーカーが購入量を増やしているほか、アフリカ豚熱(ASF)の再流行で消費者が豚肉から鶏肉や鶏卵などの代替食品に切り替えている。
第2に、8~9か月間続いた価格低迷期に、小規模養鶏農家が廃業や生産規模を縮小したため、供給が不足していることがある。第3に、タイとカンボジアの国境で武力衝突が起きた影響で、カンボジアへの輸出需要が急増したことも、価格急騰の原因となっている。
鶏卵価格の高騰は生産農家に利益をもたらしているものの、多くの企業や専門家は持続可能性を懸念している。家禽協会のソン氏は「一部の生産者が鶏の補充を始めているが、管理が行き届かなければ供給過剰になり、価格が下落する状況が容易に繰り返される」と警告している。