ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

日本茶栽培大失敗で困り果てる農民たち

2006/09/22 07:16 JST配信

 北部地方ソンラ省モックチャウ郡では、農業農村開発省の指導で数百戸の農家が数年前から日本茶の栽培に乗り出しており、その栽培総面積は5000ヘクタールに及ぶ。しかしこの「日本茶栽培計画」が今、破産の危機に瀕している。

 日本茶を栽培する農民たちの話では、ベトナム茶総公社(VINATEA)の指示通りに栽培してみたものの、2、3週間でほとんどの苗が枯れてしまったうえ、わずかに育った木も貧弱で、栽培開始から数年経っても高さは50センチにも満たないという。というのも、そもそも気候や土が日本茶栽培に適していないのだから、育たないのも無理はない。また収穫できたとしても、茶葉の品質が悪くたいした収入にならないため、多くの農家は、茶畑の木の間にとうもろこしや豆を植えるなどして、かろうじて生計を立てている。もし同じ土地に伝統的な種類のお茶を栽培していたら、収入は現在の5、6倍で、家族を十分養えただろうに、とある農家は嘆く。

 こうした状況にも関わらず、彼らが日本茶栽培をやめることができないのは、「日本茶栽培計画」の責任者が明確でないためだという。農家や地元人民委員会は、このまま日本茶栽培をしても成果は見込めないとして、計画に投資した地元のモックチャウ茶会社やVINATEA社に何度も計画中止を訴えてきた。実はモックチャウ茶会社も、計画中止となれば全ての茶葉を(品質に関わらず)買い取らなければならない契約になっているため、苦しい立場に立たされている。そして同社もまた、農業農村開発省に再三計画中止を求めてきた。

 農業農村開発省は、最近になってようやくこれを了承したが、栽培農家には依然何の指示もなく、計画は宙に浮いたままとなっている。もしこの状態で栽培農家が自ら日本茶の栽培を放棄すれば、契約違反と見なされ、相当の罰則を科されることになる。さらに、30億ドン(約2200万円)以上の負債を農民たちが分担して返済しなければならない可能性もまだ残っている。しかし、取材に対し同省担当者は、「責任者がまだ決まっていないため、(決着がつくのは)いつになるか分からない」と答えるにとどまった。農民たちの訴えは、彼らには全く届いていないようだ。

[2006年9月16日 Tien Phong紙 電子版].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
VNPTと米クアルコム、コア技術研究センターを設立 (15:05)

 ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Group=VNPT)と米国の半導体大手クアルコム(Qualcomm)は14日、コア技術研究を目的とした「VNPTクアルコム・エクセレンスセンター(VNPT - Qualc...

ベトソブペトロ、バックホー油田で商業用原油の採掘開始 (14:05)

 ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)とロシア企業との合弁会社であるベトソブペトロ(Vietsovpetro)は13日、ベトナム大陸棚のバックホー(ホワイトタイガー)油田に建設したリグ「BH-24」から、11日午後5時...

ソンラ省党委書記がランソン省党委書記に転任 (13:25)

 政治局の決定を受け、西北部地方ソンラ省共産党委員会のホアン・クオック・カイン書記(2025~2030年任期)が15日より、東北部地方ランソン省共産党委員会の書記(2025~2030年任期)に転任した。  カイン氏は9...

503人の戦争烈士と100人超の「ベトナム英雄の母」がいる小さな村 (12日)

 南中部地方ダナン市ディエンバンドン街区(旧クアンナム省ディエンバン町ディエンナムバック街区)カムサー村の人々は、白い砂丘が広がる田舎の風景と、かつての爆撃の焦げた匂いを今も覚えている。戦争を経験し...

韓国求人サイト運営サラミンHR、地場同業の株式売却 成果出せず (13:11)

 韓国の求人サイト「サラミン(saramin)」の運営を手掛けるサラミンHR(Saramin HR)が、ベトナムで求人サイトを運営するアップランサー(Applancer)の全株式を、金融・IT事業を手掛けるダウキウムグループ(Daou Kiw...

ベトナム航空、ダナン~成田線に大型機材 冬季運航スケジュール (6:23)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は15日、ベトナム~日本路線の冬季運航スケジュール(10月26日から2026年3月28日まで)を発表した。  冬季運航スケジュールでは

ハノイ:水牛肉を「和牛」に偽装し販売、4人逮捕 (6:11)

 ハノイ市で水牛肉を高級な「和牛」に偽装して販売していた4人が逮捕された。ハノイ市警察が14日に明らかにした。  逮捕されたのは、◇チャン・ホアン・フオック容疑者、◇グエン・ティ・フオン・タオ容疑者、...

25年1~9月期の訪日ベトナム人53万人、過去最速で50万人突破 (5:53)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年9月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+9.9%増の5万0400人で、9月として過去最高を記録するとともに、6か月連続で単月過去最高を更新した。  1~9月期...

ビンEVタクシー、インドネシアのスラバヤでサービス開始 (5:45)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下ビンファスト(VinFast)製の電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社であるグリーン・スマート・モ

第24回ベトナム映画祭、ホーチミンで11月21日から開催 (4:33)

 「第24回ベトナム映画祭」が、11月21日から25日までホーチミン市で開催される。  ベトナム映画祭は文化スポーツ観光省と同省傘下の映画局が2年に1回開催しているもの。1970年に第1回が開かれ、2025年で24回...

日越3社、外国人材支援で合弁会社を設立 協働体制強化へ (3:54)

 採用業務代行(RPO)や採用コンサルティングを手掛ける株式会社ツナググループ・ホールディングス(東京都中央区)は、外国人材支援・提供体制の構築に向けて、ベトナムのIT・ソフトウェア大手のリッケイソフト(Rik...

リッケイと立命館、連携・協力の協定締結 社会課題解決と人材育成 (2:18)

 ベトナムのIT・ソフトウェア大手のリッケイソフト(Rikkeisoft、ハノイ市)の日本法人である株式会社リッケイ(東京都港区)と、学校法人立命館(京都府京都市)はハノイ市で10日、連携・協力に関する協定を締結した...

在越欧州企業の25年Q3景況感指数、直近3年で最高水準に (15日)

 在ベトナムヨーロッパ商工会議所(ユーロチャム)がベトナムに進出している欧州企業を対象に実施した2025年第3四半期(7~9月)業況判断指数(BCI)の調査結果によると、同期のBCIは66.5ポイントに上昇し、直近3年間...

香港発の物流版配車ララムーブ、ハノイで配車サービス開始 (15日)

 香港発のオンデマンド物流スタートアップ企業のララムーブ(Lalamove)はこのほど、ハノイ市で配車サービスを正式に開始した。  同社はこれに先立つ5月にホーチミン市で同サービスを導入している。ハノイ市へ...

ショッピー配送会社、東南アジア最大級の自動仕分けセンター着工 (15日)

 電子商取引(eコマース=EC)大手ショッピー(Shopee)の配送サービスを提供するSPXエクスプレス(SPX Express、旧名:ショッピーエクスプレス=Shopee Express)は、北部紅河デルタ地方フンイエン省で東南アジア最大...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved