日本の環境省と山口県は14日、紅河デルタ地方ハイフォン市のハイフォン港を出港し山口県防府市の三田尻中関港で陸揚げされたコンテナ内で10日に発見されたアリが、専門家による種の同定の結果、特定外来生物の毒アリ「アカカミアリ(Solenopsis geminate)」と確認されたと発表した。
発表によると、アカカミアリが発見されたコンテナは、7月26日にハイフォン港で積み込まれた後、台湾の高雄港で別の船に積み替えられ、三田尻中関港に陸揚げされた後、山口県防府市の事業所に搬送されたもの。10日に事業者が倉庫に積荷を搬出した後、空になったコンテナ内で約100匹のアリを確認し、殺虫剤で全て駆除した。
これを受けて山口県および事業者が11日に調査したところ、空コンテナ内でアリの死骸約50匹と生体1頭を確認。さらに、コンテナヤードのアスファルトの割れ目にアカカミアリと推定される約100匹の集団を発見したため、殺虫剤や殺虫餌による駆除を行い、コンテナおよび積荷も燻蒸した。さらに翌12日には、燻蒸後の積荷の隙間などでアリの死骸約100匹と多数の卵を確認している。
なお、11日以降にコンテナ外で見付かった個体についてはアカカミアリと推定されるが、改めて専門家による確認を行うという。
アカミミアリは刺咬によってアナフィラキシーショックを引き起こすこともあるが、毒はアカヒアリほど強くなく、死亡例は報告されていない。