ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
RSS
Login
 ようこそ ゲスト様 
VietJo ID

フーコック犬120頭の飼育施設、客向けの曲芸や血統保護の研究も

2018/02/20 06:18 JST配信
(C) Thanh Nien
(C) Thanh Nien 写真の拡大.

メコンデルタ地方キエンザン省フーコック島のズオントー村スオイマイ集落には、珍しい犬の曲芸やドッグレースが行われる犬の飼育施設(タインガー・フーコック犬保存有限会社)がある。飼育されているフーコック犬は背中に一筋のカールした逆毛があり、厚い胸、スリムな体、短毛、立ち耳、緩やかな曲線を描く尻尾、そして足にアヒルのような水かきがあるのが特徴だ。同飼育場では成犬450頭、子犬120頭が飼育されている。

 オーナーのレ・クオック・トゥアンさんは幼いころから犬好きだった。もともとキエンザン省計画投資局の職員だったが、20年ほど前に出張でフーコック島を訪れた際、フーコック犬の血統の良さや賢さを聞き心を奪われ、全財産をフーコック犬の繁殖に投じることを決意した。

 トゥアンさんは2000~2003年にかけて資金を借入れ、クアズオン村の3000m2の敷地で180頭のフーコック犬を飼育し始めた。しかし飼育経験が乏しかったため、犬は次々に病にかかり死んでいった。トゥアンさんはエビを養殖していた土地を売り、住んでいた家を担保に銀行から資金を借入れて犬の飼育に投じるも返済不能となり、破産同然の状態に陥った。家族のために定職に就こうと思っても、頭から犬が離れることはなかった。そして2004年、家族や友人知人の反対を押し切り、再起をかけてフーコック犬の飼育を始めた。

 犬の飼育を再開した当初は困難もあったが次第に軌道に乗り、施設を妻の名前「タイン・ガー」と名付けた。トゥアンさんはかねてより人々に「犬のトゥアン」と呼ばれていたが、施設に妻の名前を付けて以降は妻までも「犬のタイン・ガー」と呼ばれるようになったとトゥアンさんは笑う。

 施設の発展資金を得るために犬の繁殖と販売を試みたものの、犬の飼育自体が好きなあまり年間の販売数は全体の30%に相当する約40頭ほど。販売価格は1頭あたり平均で300万VND(約1万4500円)、売上は施設運営の経費に充てている。

 フーコック犬が狩猟をしたり、沢や岩場を駆け回り、木登り、穴掘りを得意とするのを見て、トゥアンさんは曲芸の展開を思いついた。そこからフーコック犬の身体機能の特徴を詳細に記録し、犬の飼育や訓練の専門書などと照らし合わせて研究を進めた。現在では40頭が文字並べ、ゴミ拾い、高所上り、ドッグレースなどの訓練を受け、来場客を楽しませている。

 施設にはそれぞれ4レーンずつある12種類のレーストラックが整備されており、コース総延長は365m。スタート地点は地上0.9mの高さにあり、「選手」は軽やかに地面に飛び降り一区間を走る。次に1.2mのハードルを越える。コースに散りばめられた木材を巧みに避けながら走り、竹橋を渡り、でこぼこの岩を登り、トンネルをくぐる姿は実に見事で楽しい。障害物のないコースを駆け抜け池を泳ぎ、ラストスパートをかける選手たちに観客の声援も大きくなる。
 
 施設運営は楽しいことばかりではない。犬を飼育するうえで一番悲しいことは犬の死だとトゥアンさんは語る。施設の敷地内に犬の墓地があり、2002~2003年には病や犬同士の喧嘩、原因不明などにより数多くの犬が死んだ。病で手の施しようがなくなった犬に助けを求める目で見つめられるといたたまれない気持ちになるとトゥアンさん。現在、180頭の犬が墓地に眠っている。

 キエンザン省はトゥアンさんのフーコック犬の血統保護活動を高く評価し、「森林回復とフーコック犬の保護プロジェクト」と銘打って2015年にフーコック島森林保護委員会の敷地5haをトゥアンさんに貸与した。これにより同施設では現在、来場客向けの曲芸のほか、フーコック犬の保護のための研究や森林保護活動も行われている。

[Anh Phuong, Thanh Nien, 09:47 06/02/2018, T].  © Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースと自社過去記事を参考に記事を編集・制作しています   利用規約   免責事項
新着ニュース一覧
越露首相がモスクワで会談、ベトナム原発建設協定に署名 (6:12)

 ロシアを公式訪問中のファム・ミン・チン首相は23日、首都モスクワの首相府でロシアのミハイル・ミシュスチン首相と会談した。会談後、両首相はベトナム国内における原子力発電所建設協力に関する政府間協定の...

燃料高騰で航空各社が悲鳴、サーチャージ引き上げや国内線運休も (6:00)

 中東での紛争を背景とした航空燃料価格の高騰と供給不安を受け、ベトナムの航空各社は路線の運休など対応を迫られている。また、各社は国際線での燃油サーチャージの引き上げを検討しており、早ければ4月初旬に...

ハノイ・メトロと米ビザ、メトロ2路線で非接触型決済を導入完了 (5:51)

 ハノイ市の都市鉄道(メトロ)を運営するハノイ・メトロ(Hanoi Metro)と米クレジットカード大手ビザ(Visa)は、メトロ2A号線(カットリン~ハドン区間)と3号線(ニョン~ハノイ駅区間)の2路線でオープンループ方式に...

ハノイ郊外の村落で口承される独自の「隠語」、200年の歴史 (22日)

 ハノイ市郊外のダイスエン村(旧フースエン郡)ダーチャット村落の人々は、ベトナム語の標準語とは別に、かつて竹臼作りの技術を秘伝として守るのに役立った何千もの隠語から成る独自の言語を持っている。  ...

クオン国家主席、金正恩氏の北朝鮮国務委員長再選に祝電 (5:34)

 外務省の24日の発表によると、北朝鮮の第15期最高人民会議第1回会議において、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が同国の国務委員会委員長に再選されたことを受け、ルオン・クオン国家主席が祝電を送っ...

サンGと米マリオットが協力、30年までにホテル10軒開業 (4:32)

 観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)は23日、米国のホテル運営会社であるマリオット・インターナショナル(Marriott International)との間で、戦略的協力関係を...

ヤクルト、ベトナムで「ピーチ風味」を新発売 (3:33)

 株式会社ヤクルト本社(東京都港区)の海外子会社であるベトナムヤクルト(ホーチミン市)は、4月1日に新商品「ヤクルト ピーチ風味」をベトナムで発売する。  人気のあるピーチ風味をヤクルト製品に導入するこ...

ホーチミン:スマートファクトリーエキスポ、6月24日から開催 (2:49)

 ホーチミン市タンミー街区(旧7区)のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, phuong Tan My, TP. Ho Chi Minh)で、6月24日(水)から26日(金)まで、「ベトナム・スマートファ...

グラブ25年売上高が過去最高、ベトナムは第5の市場 (24日)

 シンガポール系グラブ(Grab)が発表した2025年年次報告書によると、同年の連結売上高は前年比+20.0%増の33億7000万USD(約5400億円)に達し、事業開始以来で最高となった。このうち、現地法人グラブベトナム(Grab...

ベトナムのEV販売シェアが38%に、欧州や米国を上回る水準 (24日)

 エネルギーシンクタンクのエンバー(Ember)が発表した最新の報告書によると、2025年におけるベトナムの新車販売台数のうち、電気自動車(EV)のシェアが38%に達し、欧州連合(EU)の26%や米国の10%を上回った。中...

ペトロベトナムガス、LPG調達先を多様化 中東リスクで供給確保 (24日)

 中東情勢の緊迫化に伴う液化石油ガス(LPG)の供給懸念が高まる中、国内で唯一、一貫した生産体制を築いている最大手ガス会社ペトロベトナムガス[GAS](PV Gas)は、調達先の多様化を進

FPT情報通信、カメラ管理アプリにVNeIDログインを導入 (24日)

 ベトナムのIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)傘下のFPTテレコム[FOX](FPT Telecom)はこのほど、自社のスマート

石油小売大手、バイオガソリンE10の全国販売を前倒しへ (24日)

 ベトナム国内の石油元売り各社は、エネルギー安全保障の強化と化石燃料の輸入依存からの脱却を目指し、ガソリンエンジン用「E10ガソリン」(バイオエタノール10%混合ガソリン)の全国展開を、商工省が定めた2026...

ガソリンベース価格が+15%上昇で翌日に価格調整へ (24日)

 ベトナム政府は19日、決議第36号/NQ-CPの一部を改正・補足する決議第55号/NQ-CPを公布した。同決議は同日に発効した。これにより、市場で一般的に消費されるガソリン・石油製品のベース価格の変動幅に関する基...

サングループとチャンギ空港運営会社、フーコック空港運営で協力 (24日)

 観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)と、シンガポールの空港運営会社であるチャンギ・エアポート・インターナショナル(Changi Airports International=CAI)は...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2026 All Rights Reserved