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ハノイ市でHIV患者を受け入れている「09病院(Benh vien 09)」。ホアさん(男性・58歳)は、その感染症管理科の霊安室で働いている。エイズを発症し、亡くなった人の身体を清め、死装束を着せ、納棺する仕事に従事して18年、処置したご遺体は700体近くになる。
エイズを発症した患者が亡くなると、まずはその事実を家族に知らせる。そして、納棺の手続きに入る。身寄りのない人であれば、霊安室の側で火葬を進め、遺灰を墓地に送る。死後4~5年を経た後に、遺灰を引き取りにくる場合もあるという。
この仕事をすること約20年、線香を手向けてくれる人のいないご遺体には、慣れた。みな、痩せ細り、骨と皮だけになったご遺体だ。
「全身がただれ、身体が腐ってしまった人もいるため、遺体を清めて、死装束を着せてあげても、脳裏にいつまでも残ってしまう人もいる。人の身体が腐った臭いというのは、それは酷いものでね。どんな臭いにも似つかない。マスクを何枚も何枚もしないといけないような、そんな臭いを発する遺体も多いです」とホアさんは話した。