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- 遺体をバラバラに切断して川に遺棄
- 17歳美少女が被害者で話題の事件
- 被告が全面自供、動機は金銭トラブル
ハノイ市人民裁判所は30日、強盗殺人の罪に問われていたター・ズイ・カイン被告(男・39歳)に死刑判決を言い渡した。この事件は、被害者の遺体がバラバラに切断されたうえ、発泡スチロール容器に入れて川に遺棄されるという残虐な手口、そして、被害者が17歳のミスコン準優勝経験者だったことから世間の注目を集めた。
公判では、カイン被告が被害者のH・Y・Nさんについて、派遣コンパニオンとして働いていたと証言したが、Nさんの母親が異議を唱えた。母親によると、娘とは2021年から一緒に暮らしており、娘は被告から借金するほど生活に困ってはおらず、慈善活動に参加する程度の金銭的余裕があったという。また、娘は極度の秘密主義者でもあり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を更新するのはミスコンで受賞したときぐらいだった。
母親は娘が殺害された後、火葬するお金がなかったため、バイクを質入れしなければならなかった。事件後、被告の家族が1億VND(約58万円)の賠償金を送金した。母親は、「被告の両親は親切な人で、葬儀代として1億VNDを支払ってくれた。陪審には法律に基づいて被告を罰してもらいたい」と語った。
被害者の母親の証言に先立ち、検察側はどのような形で被害者にお金を貸したのかを質問し、被告は被害者が指定した口座に送金したと証言。この内容については、警察が集めた証言とも一致。被告は起訴内容の事実を認めて、警察に対しての証言から内容を変えようとはしなかった。
起訴状によると、2021年初め、被告はハノイ市内でコンパニオン仲介を生業としていた。Nさんとは仕事を通じて知り合い、彼女は自己紹介の際に2000年生まれのタインと名乗った。被告はNさんに何度も仕事を斡旋。仕事内容は1回200万VND(約1万2000円)/4時間で客と一緒に酒を飲みに行くというもの。この場合、被告の取り分は客が支払った金額の25%だったという。
2022年4月頃、被告はNさんに年利73%の条件で6000万VND(約35万円)を貸した。同年末までに、Nさんは利息と元本の一部を返したが、以降は何度求めても返済に応じなかった。
2023年10月10日、被告は客が会いたがっているとNさんに嘘をついて自宅まで呼び出し、その後、Nさんと食事に出かけた。同日夜、被告は同市ザーラム郡にある新都市区「ビンホームズ・オーシャンパーク(Vinhomes Ocean Park)」のマンションの一室で借金の返済を要求。Nさんはお金がないと言って、はめていた指輪を外して被告に渡し、これを質として預けると話した。
被告はこれに同意せず、誓約書を書いてIDカードを置いていくよう求めたが、Nさんがこれを拒否。返済の意思なしとみた被告は、Nさんの背中を蹴り、倒れたNさんはテーブルに頭をぶつけて気を失った。これを見た被告はNさんをシャワー室に運び、冷水を浴びせると、しばらくしてNさんが目を覚ました。Nさんが大声で叫んだので、被告はナイフで脅して黙らせようとしたが、逆効果となり、悲鳴をあげ続けたため、その場で刺殺した。
被告はNさんの死亡後に所持品を確認して携帯電話と口紅を盗み、遺体をホン川(紅河)に遺棄することを思いついた。被告は被害者の遺体をバラバラにして、発泡スチロールの容器に詰め込むと、タクシーを呼んで同市ザーラム郡バッチャン村まで運び、遺体を川に遺棄。
2023年10月23日、クレーン修理業者が遺体の一部を発見して警察に通報。警察が容疑者を特定して、10月16日に被告を逮捕した。被告は裁判で犯罪事実を認めて反省の意を示し、陪審側に誠実な自白と家族が遺族に賠償金を支払ったことを考慮して、情状酌量の検討を望んだ。