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- 漁業で使う小舟で自殺志願者を救出
- 「20年で50人以上を救った」と夫婦談
- 25年10月だけで3人救出、13歳の少女も
北中部地方ゲアン省チュオンビン街区で暮らす貧しい夫婦は、同省を流れるラム川の中流で、橋から飛び降りて自殺を図った大勢の人たちの命を救ってきた。その数は20年で50人を超える。
ホアン・バン・マインさん(男性・44歳)とダウ・ティ・フックさん(女性・43歳)は、長年にわたり漁業や畜産業を生業にしてきた。昼夜を問わずに小舟で川を行き来する夫婦の姿は、地元の人々にとって馴染み深い光景となっている。そんな日々の中で、夫婦はこれまで数え切れないほどの人命を救ってきた。
夫婦の行動基準は至ってシンプルだ。「川で助けを必要とする誰かを見かけたら助けます。たいていは助けを呼ぶ声がするでしょう。それを聞いたら、すぐに駆け付けます」と夫婦は話した。
夫婦は今年10月だけでも、妻に不満を持つ52歳の男性、母親と喧嘩した15歳の少年、地元を離れて友人から孤立して、いじめを受けていた13歳の少女の3人の命を救った。
マインさん一家7人は現在、ラム川沿いにある民家で暮らしている。この民家は9月末に、北中部を襲った台風10号(アジア名:ブアローイ、日本では台風20号)で壊滅的な被害を受けた。台風により、畜舎は倒壊し、家畜と家禽のほとんどが流され、なんとか生き残った豚と鶏を小舟に乗せて、弟の家に避難したという。
地元の人々は、夫婦の崇高な精神に感銘を受けており、被災した夫婦の生活環境を整えるよう地元当局に提案している。フックさんは先日救出した少女のことを思い出し、以下のように語った。
「10月4日の午後10時ごろ、第2ベントゥイ橋から人が飛び降りたという知らせを受けて、夫と一緒に救出に向かいました。少女を救出したのが午後11時ごろです。びしょ濡れで震えている少女を見て、同情とともに怒りがこみ上げてきて、何度か叱りました。少女はただ静かに謝るだけで、両親の迎えを待っていました」
「夫も私も、このような形で“善人”になりたいわけではありません。誰もが自分の命の大切さを知り、自殺志願者の命を救ったり、遺体探しをしたりしないでも済むようになることを願っています」
財政省の統計によると、2024年におけるベトナムの自殺者数は約2900人で、このうち77.3%が男性だった。年齢別でみると、84.8%が15~59歳となっており、最も多かったのは30~34歳(11.9%)だった。15~29歳では、自殺が交通事故に次いで最も多い死因となっている。

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