ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第2回】日本から世界へ!拡大する一村一品運動【VIETJO LIFEコラム:ベトナム・フェアトレードの旅】

2018/06/12 12:00 JST配信
この記事に関連するおすすめの記事

ホアビン省産オレンジ、ベトナム航空の機内食で提供

(本記事は、2018年6月11日付け「VIETJO LIFE」で配信されたものです。)

こんにちは、青年海外協力隊の山田邦永(やまだくにはる)です。2017年10月より、ベトナムの非政府組織(NGO) VIRI で、ハノイを拠点に 活動 しています。

フェアトレード製品としての承認取得は、一村一品運動において開発された製品の付加価値を向上するための1つの手段としても活用されています。コラム第2回では、一村一品運動について紹介します。

大分県発祥、「一村一品運動」のコンセプト

一村一品運動 は、1979年に大分県知事に就任した、故・平松守彦さんが提唱・主導してきました。大分県内各地で過疎化が進行する中、行政依存傾向を払拭し、地域住民の自主自立精神の下に地場産業を興すことを目指し、一村一品運動が展開されてきました。

一村一品運動には、3つの原則があります。

1. 「ローカルにしてグローバル」
地域の文化と香りを持ちながら、全国、世界に通用する「モノ」をつくる。

2. 「自主自立・創意工夫」
地域住民が商品を決め、創意工夫を重ね、磨きをかけていく。行政は、技術支援やマーケティングなど側面から支援する。

3. 「人づくり」
先見性のある地域リーダーとともに、何事にもチャレンジする創造力に富んだ人材を育てる。

ベトナムにおける一村一品運動「OCOP」

OCOPがベトナム政府の重要施策に

大分県で始まった一村一品運動の英語名はOne Village One Product、略称はOVOPです。ベトナムにおいては、One Commune One Product(OCOP)の名称の下、日本のOVOP等の前例に倣いながら、2013年より東北部 クアンニン省 で始まりました。その後、ベトナム全土にOCOPが展開され、2018年4月時点で全国63省市のうち60省市がOCOPに参加しています。

そして2018年5月7日、2018~2020年のOCOPについて定めた 首相決定490号(490/QD-TTg)が交付 されました。総事業費は約45兆VND(約2173億円)で、農業・地方開発省が他の省とともに、ベトナムにおけるOCOPを強力に推進していきます。

ベトナム草の根民間団体「I-OVOP」の設立準備中

ベトナム政府の大きな施策の決定がなされる一方、草の根レベルでOCOPを推進していく民間団体、国際OVOP(International One Village One Product=I-OVOP、仮称)の設立準備が進んでおり、2018年の夏頃までに設立の認可が得られる見込みです。設立後は、現在 VIETCRAFT *の代表であるレ・バー・ゴック氏が会長に就任する予定です。

国際一村一品交流協会 内田正理事長のベトナム訪問

ベトナムにおけるOCOPの推進及びI-OVOPの設立の裏には、大分県に本部を構える国際一村一品交流協会の強力なサポートがあります。本協会の内田正理事長が2018年5月13日~21日までハノイ市を訪問していました。訪問期間中、内田理事長は、 モア・プロダクション・ベトナム三井住友銀行ハノイ支店イオンモール・ベトナムVPバンクVTV 等を訪問し、一村一品運動のコンセプトやベトナムにおけるOCOPの現状等を共有しました。

左より、グェン・ティ・トゥ・チャン氏(VIRI プロジェクトスタッフ)、レ・バー・ゴック氏(VIETCRAFT 代表)、勝恵美氏(モア・プロダクション・ベトナム CEO)、内田正氏(国際一村一品交流協会 会長)、筆者(青年海外協力隊)(撮影:2018年5月)

また内田理事長は、 ホアビン省 人民委員会副代表、同省カオフォン県代表、カオフォン県オレンジ生産協働組合代表らと面会し、農村部の持続可能な発展のためにOCOPを推進し付加価値のある商品を開発することの重要性等を説明しました。またカオフォン県のオレンジ農家の視察もしました。

ホアビン省カオフォン県オレンジ農園にて、生産協働組合代表トゥ・クアン・ハー氏(右から3人目)と握手をする内田正氏(右から4人目)(撮影:2018年5月)


本文の続きはこちら → VIETJO LIFE「【第2回】日本から世界へ!拡大する一村一品運動
コラム「ベトナム・フェアトレードの旅」の一覧はこちら → 「ベトナム・フェアトレードの旅

著者紹介
青年海外協力隊 山田邦永
ベトナムのNGO、VIRI で、ハノイを拠点に活動中の青年海外協力隊隊員が、彩り豊かな「ベトナム・フェアトレードの旅」へと皆さまを案内します。VIRIは世界フェアトレード機関(WFTO : World Fair Trade Organization)から国際フェアトレード組織として認められたベトナム唯一の団体です。

著者略歴:1983年生まれ。愛知県出身。東京大学卒業、東京大学大学院修士課程修了(分子生物学)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修士課程修了(MBA)。元ファイザー勤務、元ジョンソン・エンド・ジョンソン勤務(R&D)。現在、青年海外協力隊(任期:2017年10月~2019年9月、活動概要:VIETJOベトナムニュース記事参照)。
ベトナム・フェアトレードの旅
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
マクドナルド・ベトナム、中国人ゲーマーの自殺に便乗した広告で.. (6:05)

 米系ファストフード大手のマクドナルド・ベトナム(McDonald’s Vietnam)が、中国人男性ゲーマーの「胖猫(太った猫)」の自殺に便乗して掲載した広告が物議を醸し、批判の的になっている。  ベトナムではここ...

ディエンビエンフー戦勝70周年、軍事パレードにビンF製EV起用 (6:02)

 西北部地方ディエンビエン省ディエンビエンフー市で7日に執り行われたディエンビエンフー戦勝記念日70周年(1954年5月7日~2024年5月7日)記念式典の軍事パレードに、ベトナム製の電気自動車(EV)が起用された。 ...

ベトソブペトロ、油田2か所で新たな油層発見 (5:56)

 ペトロベトナムグループ(Vietnam National Oil And Gas Group=PVN)とロシア企業との合弁会社ベトソブペトロ(Vietsovpetro)はこのほど、ベトナム沖09-1鉱区ロン油田の試掘井「R79」とPM3 CAA鉱区(マレーシアと...

寝床は道端の椅子、幅1.5mの超狭小住宅に暮らす女性 (5日)

 ホーチミン市3区のグエントゥオンヒエン(Nguyen Thuong Hien)通りに面した一角に、幅わずか1.5mという住宅がある。  チュオン・ティ・クックさん(女性・1950年生まれ)はこの住宅に暮らして長いが、あまりに...

クックフオン国立公園、ホタルや野生動物鑑賞のナイトツアー開始 (5:13)

 北部紅河デルタ地方ニンビン省、西北部地方ホアビン省、北中部地方タインホア省の3省にまたがるクックフオン国立公園で4日、ホタルや野生動物を鑑賞するナイトツアーがスタートした。  ナイトツアーは毎晩...

4月の新設外資企業254件、前年同月比+37%増 (4:44)

 各省・市の計画投資局のデータによると、2024年4月に全国で新規設立された外資企業および支店、営業所、駐在員事務所の数は前月比+3.67%増、前年同月比+37.30%増の254件で、うち会社が240件、営業所が8件、支...

食品機械のマスダック、ベトナム子会社を設立 (4:12)

 食品機械の開発・製造・販売や食品の研究開発、食料品の製造・販売などを手掛ける株式会社マスダック(埼玉県所沢市)は、同社100%出資のベトナム子会社をホーチミン市に設立し、4月1日より事業を開始した。 ...

Tomorrow Medicalと科学技術公衆衛生研究所、医療分野で戦略的提携 (3:58)

 医療コンサルティング事業やサプリメント事業を手掛けるTomorrow Medical株式会社(東京都千代田区)は3月23日、ベトナム科学技術省傘下の公衆衛生医薬科学技術研究所(MEDIST)との間で、医療領域での技術協力や人...

ハノイ:国際建築展示会「ベトビルド」、5月29日から開催 (2:47)

 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国立展示建設センター(1 Do Duc Duc, quan Nam Tu Liem, TP. Ha Noi)で、5月29日(水)から6月1日(土)まで、国際建築展示会「ベトビルド・ハノイ2024(第2回)(VIETBUILD Ha Noi 2024 ...

ディエンビエンフー戦勝70周年記念式典開催、仏国防相も初参列 (7日)

 西北部地方ディエンビエン省ディエンビエンフー市で7日午前、ディエンビエンフー戦勝記念日70周年(1954年5月7日~2024年5月7日)を祝う記念式典が盛大に執り行われ、21発の祝砲が響き渡った。  国旗掲揚式が...

国内航空運賃の高騰、タン交通運輸相が状況調査を指示 (7日)

 グエン・バン・タン交通運輸相は3日、同省傘下の運輸部とベトナム民間航空局(CAAV)に対し、国内航空運賃が高騰している状況を調査するよう文書で指示した。これを受けてCAAVは、国内航空各社の航空券の販売状況...

ベトナムで働く外国人労働者、23年末時点で13.7万人 (7日)

 労働傷病兵社会省によると、ベトナム国内では2023年末時点で、約13万6800人の外国人労働者が働いており、ベトナムは世界各国から多くの労働者を惹きつけているという。  また、ドイツの調査会社インターネ...

東南部開発計画、1人当たりGRDPを50年までに830万円に (7日)

 ファム・ミン・チン首相は、「2050年までを視野に入れた2021年~2030年の東南部地方開発計画」を承認する決定を公布した。  同計画では、◇ホーチミン市、◇ドンナイ省、◇ビンズオン省、◇ビンフオック省、◇バ...

個人情報漏洩の個人・組織に高額罰金、政令草案 (7日)

 公安省が策定したサイバーセキュリティ分野の行政違反に対する罰則を規定した政令草案によると、個人情報に関する多くの違反に対して、高額な罰金を科すとの条項が盛り込まれている。  草案によると、個人...

仕事に対する満足度、ベトナムは東南アジア最低 (7日)

 ベトナム人労働者は、自分の仕事に対する満足度が低く、「満足」と回答する割合が東南アジアで最も低かった。これは、社会と環境の進歩の促進を目指すプラットフォームである、Jobs_that_makesense Asiaと総合...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved