ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「タイミングと運も大切」松原祥起さん/HR tech

2017/03/24 07:20 JST配信

ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けする在住日本人へのインタビュー。

今回は、日本でも注目されているHR tech (Human Resource × Technologyを意味する造語)に関しての事業を行う IGS Asia のホーチミンオフィスで働く 松原祥起さん(27歳) にインタビューしました。

メーカーと外資のITを経て、現在の会社で働いている松原さん。社会人としては珍しいくらいのフットワークの軽さにはどのような秘密があるのでしょうか?

今の会社で働くきっかけとは?

― では、自己紹介からお願いします!

松原:松原祥起です。平成元年7月19日生まれの27歳で、かに座、A型、東京都東村山市出身です!

― 丁寧にありがとうございます。もともと海外は結構行かれるんですか?

松原:初めて海外に行ったのが、大学の卒業旅行の時だったんですよ。4年の卒業手前らへんくらいで初めて海外行って。

― じゃあ、大学生の頃は・・・?

松原:もちろん、海外で働くことになるなんて思ってなかったです。

― 現在はどのようなお仕事をされているんですか?

松原:IGS Asiaという会社で働いています。IGS Asiaは、HR techといわれる人事領域に最新テクノロジーを取り入れていこう、という取り組みをしている会社です。

具体的な内容としては、AI(人工知能)を用いた採用マッチングシステムと GROW っていうアプリを使った360°評価でデータを集めてAIを使った分析を行っています。

今、メインでやっているのは、「組織調査」ということで、コンピテンシー(人の行動特性)といわれる従業員方のソフトスキルや、価値観、仕事への姿勢などをアプリを使って調査しています。あとは、組織の関係性分析とかを行っていて、チームで浮いている人はいないかとか、ハラスメントの傾向があるかどうかもこの調査でわかっちゃいます。すごいっすよ、AIって。

それらの営業を行っているのですが、まだスタートアップの段階なので契約書から何から全部してます。

― すごく魅力的な会社ですね!聞いていてわくわくしました!他の会社でも就業経験があるとのことでしたが、なぜ今の会社で働くことになったんですか?

松原:最初、大学を卒業してメーカーに就職して名古屋で働いてました。3年働いているうちに、名古屋は好きだったんですけどここで死ぬのはやばいなって。それに今とちょっと違うことやりたいなって。それで、外資系のIT企業に入りました。まあ、海外行くチャンスあるかもな、とはその時思ってました。

その会社で1年半くらい働いたんですけど、ある時1週間お休みをもらえて。そのタイミングで、前年ベトナムに来た時に紹介してもらってた弊社代表の国本にアポ取って会ったんですね。その時に誘ってもらえたのがきっかけです。

― そのお休みがなかったら・・・。すごく素敵な出会いですね!他にも決定打みたいなのはありましたか?

松原:実は、決め手になった理由が3つあって。

1つが、東南アジアであったこと。

日本は閉塞しているじゃないですか。まあやっぱちょっと人々の成長意欲とか、エナジーティックなとこがいいなって。

2つ目が、スタートアップであったこと。最初の会社も次のITも大きいところだったんで、仕事は降ってくるんですけど、もっと自分で作っていけるようなスタートアップってところが刺さりました。

3つ目は、AIってところです。ま、AIブームになっているところで、そこの知識をつけていくことはプラスになるので。それに関しての会社で働いていけるっていうのは魅力的でしたね。

これからのベトナム

―実際に海外で働けることになって、ベトナムに来てどうですか?

松原:みんなハッピーで、エネルギーもあって、そこは想像通りなんですけど、意外とやっぱり格差があるというか。すごい高みを目指してがんばっている人もいれば、もうなんかハッピー野郎みたいな人もいて。それはそれでいいと思うんですけど、ちょっと気になります。もっとみんな意識変えてかないとやばいよって。意識改革っていうのもうちの会社の課題ですね。

大学でクラスとかもやっています。そういう身としてコンピテンシーだとか論理的思考法だとかのセミナーをやっているんで、そういったところで若い人の意識や考え方を変えていけたら、と。

それに、ベトナムの企業っていうのはスキルでその人を選ぶので、日本のように潜在の力で判断したり、新卒で採って育てていくっていう考えじゃないんですよ。人が若くてあり余ってるんで、 人が辞めてもどんどん来るんですね。だから、なんていうんですか、育てるとか、定着させる意識が薄い気がしてます。入れ替わればいいじゃん、みたいな。お互いへのコミット意識が薄いからなかなか成長し合えないんじゃないですかね。

?

― なるほど。HRの会社ならではの視点ですね。これから変えていく必要がある市場ということで、HRの会社としてはとてもやりがいがありそうですね!他に、仕事をしていてどんなやりがいと感じますか?

松原:今まで経験できなかったことを経験できているっていうのはありますね。それは、相手が外国人ってのもありますし、スタートアップなので自分でなんでもやらなといけないって環境もありますし。社内でも英語がメインてのもありますし。

今まで大きい企業で働いてきて、仕事も降ってくる、日本語も通じるっていう環境から、自分でいろいろ組み立てていかないといけない、自分でどんどん学ばないといけないっていう環境になって。大変な分、やりがいを感じます。 成長につながるってやつですね

― 松原さんの中で成長とはどういったことでしょう?

松原: 成長=自分でできるようになる っていう。起業もそのうちの選択肢の一つかもしれないですね。

でも、どこでも生きていけるというか、なにやっても生きていけるというか、会社の肩書なしでも生きていけるというか。もちろん全部自分でできるわけではないんで、他の人の支えとかももちろん大事なんですけど、その支えをもらえるくらいの力量をつけて自分で生きていける。 そういった意味での一人で生きていけるようになる っていうことですね。

?

― すごく素敵な目標です!松原さんのわくわくがとても伝わってきました!今日は本当にありがとうございました!

― インタビュー後述

最初の写真は、実は何枚も構図や場所を変更してやっと撮れた1枚です。

ベトナムに来たのは「タイミング」、今の会社で働けているのは「運」 とおっしゃっていた松原さん。ユーモアのあふれる半面、さらにこれから「実力」もつけていきたいという、とても素敵な考え方をする方でした。

転職を迷われている方、きっかけが欲しい方。ぜひ松原さんのように、タイミングや運をきっかけに挑戦してみるのも、素敵な職場や人と出会うチャンスかもしれません!

著者紹介
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、常に100件を超える日本人向けのベトナム勤務の求人・仕事を保有している。
◆ホームページURL : https://jellyfishhr.jp
ベトナム求人・転職・就職をお考えの方はこちら
Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
第4回日越海洋協議を開催、海洋秩序の維持で緊密に連携へ (2:49)

 13日、第4回日越海洋協議が東京で開催された。今回から局長級に格上げされ、日本側から柏原裕外務省南部アジア部参事官、ベトナム側からチャン・バン・トゥイ外務省国家国境委員会副委員長などの関係者が出席し...

デジタル技術産業法を可決、デジタル資産とAIの法的根拠を制度化 (16日)

 国会は14日、デジタル技術産業法を賛成多数で可決した。同法は2026年1月1日に施行される。これにより、デジタル資産と人工知能(AI)に関する法的根拠が初めて制度化された。  同法の対象となるデジタル資産...

国会、改正特別消費税法を可決 加糖飲料も対象に (16日)

 国会は、改正特別消費税法を賛成多数で可決した。同法は2026年1月1日に施行される。  同法によると、加糖飲料については、ベトナム国家基準における清涼飲料水の定義に該当し、糖分が100mLあたり5gを超える...

世界のベトナム人街を訪ねて【プラハ編・後編】 (15日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

国会、憲法改正の決議採択 7月1日から地方自治体を2層構造に移行 (16日)

 国会は16日、憲法の一部条項を改正・補足する決議を採択した。同決議は即日施行された。  決議によると、地方自治体は6月30日をもって郡レベルの行政区(省・中央直轄市傘下の市、区=quan、郡=huyen、町=...

ホーチミン、米AMDとAI・ハイテク協力促進で覚書 (16日)

 ホーチミン市人民委員会は12日、半導体設計大手の米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices=AMD)との間で、技術協力に関する覚書を締結した。式典にはチャン・ホン・ハー副首相も出席した...

ベトナム政府、国家戦略技術32分野を公表 AI・バイオ医療など (16日)

 ファム・ミン・チン首相は12日、国家の戦略的技術および戦略的技術製品に関するリストを定める決定第1131号/QD-TTgに署名した。  今回の決定では、国家の持続的な発展と技術革新を推進するための、10の戦略...

ベトナムAI産業のGDP貢献、40年までに最大1300億USD規模に (16日)

 財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)が国際協力機構(JICA)およびボストン・コンサルティング・グループ(BCG)と協力して発表した報告書「ベトナム人工知能(AI)経済2025」によると、AI産業は今...

信頼性の高い保険会社トップ10、バオベトが生保部門で首位キープ (16日)

 ベトナム評価レポート社(ベトナムレポート=Vietnam Report)は、2025年における信頼性の高い保険会社トップ10を発表した。この中で、バオベトグループ[BVH](Bao Viet Group)は生命

クオン国家主席、越訪のリトアニア大統領と会談 (16日)

 ルオン・クオン国家主席は12日、リトアニアのギターナス・ナウセーダ大統領と会談した。1992年の外交関係樹立以来、同国大統領がベトナムを公式訪問したのは今回が初めて。  両首脳は会談で、今回の公式訪...

7月1日施行の社会保険法、加入対象者を拡大 外国人関連規定も (16日)

 2024年社会保険法(法律第41号/2024/QH15)が、2025年7月1日に施行される。これは2014年社会保険法(法律第58号/2014/QH13)に置き換わるもので、社会保険の加入対象者が拡大される。  2024年社会保険法では、...

個人事業主への電子請求書義務化、飲食店が便乗で一斉値上げ (16日)

 6月以降、ホーチミン市やハノイ市にある多くの飲食店で、ブン、フォー、バインミーなどの価格が一斉に引き上げられている。店主らは値上げの主な理由として、「納税義務の発生」を挙げている。  店主らは、...

ベトコムバンク、東南アジアの有力ブランドトップ30に初選出 (16日)

 英市場調査会社カンター(Kantar)が発表した「東南アジアのブランド価値トップ30ランキング」2024年版で、ベトコムバンク[VCB](Vietcombank)がベトナム企業として唯一ランクインを果

畜産大手CPベトナムの「病畜の肉」流通疑惑、違反の3店舗に罰金 (16日)

 タイ系畜産大手CPベトナム(CP Viet Nam)が病気の豚や鶏の肉を販売していたとソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で告発されたことを受け、南部メコンデルタ地方ソクチャン省農業環境局は11日、検査...

ベトナム航空、スカンジナビア航空と提携 北欧路線の接続強化 (16日)

 全日空ANAが出資するベトナムのフラッグキャリアであるベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は13日、スカンジナビア航空との間で、ベトナムと北欧(デンマーク、ノルウェー、スウェ

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved