ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第40回】ベトナムの都市部と田舎の生活の違いについて

2017/11/03 08:20 JST配信

ベトナム市場を攻略しようとしたときに問題になる点の一つとして、田舎をどう捉えるかという点があります。9000万を超える人口を誇るベトナムですが、ホーチミン・ハノイの人口を合計しても2000万人に至らず、大多数が郊外・田舎で生活をしています。

ということで今回は、都市部の代表としてホーチミンを、また田舎の代表として キエンザン省 (ホーチミンから車で6時間ほど)における18~49歳の800名に調査を実施し、都市部と田舎の生活の違いについて探ってみることにしました。

田舎の人も皆持っているスマホとテレビ

家電製品、IT製品などの所有率を都会と田舎で比較してみると、「共に所有しているもの」と「都会では所有率が高いけれど田舎では浸透していないもの」に分かれます。例えば 洗濯機はキエンザン省での保有率は24% で、ほとんどの人が大きなたらいを使って手洗いで衣服の洗濯を行なっています。またエアコンを所有している家庭は大変少ないです。

一方で、テレビやスマートフォンについては、都市部・田舎ともに多くの人が保有をしていました。 テレビ・スマートフォンともに都市部・田舎それぞれで9割もの保有率 です。とはいえ、所有している製品には違いがあり、例えば田舎ではブラウン管のテレビを所有している人が半数以上を占め、またアイフォン(iPhone)の利用者が目立つ都市部と異なりスマートフォンも廉価な製品を利用している人がほとんどでした。

都市と田舎で異なるインターネット・ソーシャルの利用方法

インターネット・ソーシャルネットワークについてはともに人気で多くの人が1日数時間をネット利用に費やしています。とはいえ、ソーシャルの利用については大きな違いがあり、 フェイスブック(Facebook)が大人気の都市部に対して、キエンザン省ではザロ(Zalo)の方が人気が高い 結果となりました。

これには明確な理由があり、多くの人と繋がりを得ることを良しとする都市部の人に対して、田舎の人たちは家族や知人など割と近い間柄の人とのやりとりが主となっています。また日常の生活をポストしたりシェアしたりすることも都市部と比べて少ないことから、繋がりすぎてしまうFacebookよりもメッセージング機能に長けたZaloをより好む傾向にあるようです。また 30代を過ぎるとネット利用が急激に減るのも地方の特長 として挙げられます。

※【第35回】Facebook 対 Zalo!ベトナムで人気のメッセージアプリは?

田舎の人はどこでどの位買うのか?

それでは、田舎の人はどういったところで買い物をするのでしょうか?実は今回調査をしたキエンザン省には、コンビニもなく、またスーパーも3件しかありません(ホーチミンには1000店弱のコンビニと100店舗弱のスーパーが存在します)。結果的に、田舎では食料品・美容製品・ファッション製品のいずれに関しても ローカル市場での購入が大多数を占める 形になっています。また、出費額については都市部と比較して約半分程度に止まります。

EC(eコマース=電子商取引)の利用もまだまだです。ホーチミンの7割の回答者が過去6ヶ月にオンラインショッピングを利用したことがあるのに対して、 キエンザン省の利用率は12% でした。Zaloなどを使ったソーシャルコマースなどの利用が見られるものの、地方では情報の流れが遅く、また物流などが整っていないことからオンラインショッピングの本格的な浸透はこれからと言えそうです。

詳しい話はセミナーにて

11月22日(水)に「ベトナム市場攻略セミナー:地域で異なるベトナム人の生活と仕事観」と題したセミナーにて詳細なお話や田舎の家庭訪問体験談などを共有させていただきます。ご興味のある方は是非 こちら からご応募くださいませ。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ホーチミンのベンタイン市場で半世紀以上愛されるチェー店 (10:19)

 チュオン・ティ・トゥエット・チンさん(女性・63歳)は、7~8歳のころからホーチミン市のベンタイン市場で母親のチェー(ベトナム風ぜんざい)の屋台を手伝っていた。そして、50年以上にわたり市場に身を置き、母...

世界最高のリゾート、ベトナムから16部門に選出 WTAの25年版 (27日)

 世界の観光業界の「オスカー」とも称される「ワールド・トラベル・アワード(World Travel Awards=WTA)」は、世界の観光をリードするホテルやリゾート、航空会社、旅行会社などを選出した2025年版のリストを発...

世界で最も娯楽費が安い都市、ハノイが6位 バンコク12位 (27日)

 英国タイムアウト誌(Time Out)はこのほど、2025年版「世界で最も娯楽費が高い/安い都市トップ15」のランキングを発表した。ハノイ市は娯楽費が安い都市で6位にランクインしている。  これは、世界100都市の...

26年に注目すべき世界の旅行先トップ10、ムイネーが1位 (27日)

 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」はこのほど、2026年の注目の旅行先トップ10を発表した。この中で、南中部地方ラムドン省(旧ビントゥアン省)のムイネーが1位に選出された。 ...

スーパーホテル、ハノイに26年3月17日オープン 海外2店舗目 (26日)

 ホテル運営を手掛ける株式会社スーパーホテル(大阪府大阪市)は2026年3月17日、同社100%出資のベトナム現地法人であるスーパーホテル・ベトナム(SUPER HOTEL VIETNAM)が運営する新店舗「スーパーホテルハノイ(S...

タイのアマタ、フート省で新たな工業団地を開発へ (26日)

 北部地方フート省人民委員会は23日、タイのアマタ(Amata)に対し、ドアンフン工業団地(別称:アマタシティ・フート=Amata City Phu Tho)の投資登録証明書を交付した。  同案件はドアンフン村(xa Doan Hung)...

クアンニン省など4省で党委書記・人民委主席が交代 (26日)

 各地方自治体の人事異動により、東北部地方クアンニン省と同カオバン省の共産党委員会書記、西北部地方ディエンビエン省と南中部地方カインホア省の人民委員会主席の4人が交代となった。 ◇クアンニン省共産...

「ベトナム食文化名人」の称号、全国規模で初の授与 (26日)

 ホーチミン市で23日、2025年の「ベトナム食文化名人」の称号の授与式が行われた。食分野に特化した称号の授与が全国規模で行われたのは初めて。  「食文化名人」の称号は15人に、「食文化名匠」の称号は6人...

ベトナム・モビリティショー2025、ハノイで12月26日から開催 (26日)

 ハノイ市ドンアイン村の国家展示センター(VEC)で12月26日(金)から28日(日)まで、モビリティ分野の国際展示会「ベトナム・モビリティショー2025(Vietnam Mobility Show 2025)」が開催される。  同展示会は、...

ベトナム企業、アマゾン経由の輸出拡大 ブランド重視へ転換 (26日)

 アマゾングローバルセリング・ベトナム(Amazon Global Selling Vietnam)はこのほど、国境を越えた電子商取引(eコマース=EC)に参加するベトナム企業の成長と成功事例をまとめた年次レポートを発表した。  ...

又吉直樹×ヨシタケシンスケ共著「その本は」、ベトナム語版を出版 (26日)

 お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹氏と、人気絵本作家のヨシタケシンスケ氏による共著「その本は」のベトナム語版がこのほど翻訳出版された。ベトナム語版では、「本の王国の奇跡(Dieu ky dieu o vuong quoc Sa...

ホーチミン:レロイ通りの改修工事が完了、都市景観が改善 (26日)

 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)のレロイ(Le Loi)通りに立ち並ぶ、老朽化した建造物群の改修工事がこのほど完了した。クリスマスと新暦正月に向けて、ペンキの塗り直しや屋根の改修が急ピッチで進められ、市中...

ハイフォン:6.5万DWTの貨物船が進水、ベトナムの建造で最大級 (26日)

 造船工業総公社(ShipBuilding Industry Corporation=SBIC、旧ビナシン=Vinashin)傘下のナムチエウ造船(NASICO)は北部紅河デルタ地方ハイフォン市で24日、貨物船「チュオンミン・ドリーム02(Truong Minh Dream...

外務省「第19回日本国際漫画賞」、ベトナムの作品が優秀賞 (26日)

 日本の外務省が主催する「第19回日本国際漫画賞」で、ベトナム人作者・原作者の作品が優秀賞を受賞した。  今回は、110か国・地域から過去最多となる738作品の応募があった。また、トーゴやネパールなどの6...

極東貿易子会社のヱトー、ホーチミンに支店開設へ (26日)

 産業設備や産業素材、機械部品などの事業を手掛ける極東貿易株式会社(東京都千代田区)の100%出資子会社であるヱトー株式会社(神奈川県横浜市)は、100%出資海外子会社のヱトー・ソリューションズ・ベトナム(ET...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved