ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第13回】「毎日おそと呑みごはんがない国にGDP成長なし」の巻

0000/00/00 00:00 JST配信

こんにちは!

おそと呑み研究所所長の加藤です。

私はおそと呑みごはんが好き。自分が飲むのも好きだけど、日常的におそと呑みやおそとごはんを食べてる人を見るのも好き。ベトナムから帰ってきて、日本が窮屈だと思ったのがここ。

ベトナムではとにかく毎日、おそと呑み&ごはんをしている風景を朝から見かける。朝、子どもを幼稚園に連れていく途中にバイクを止めて、フォーや朝ご飯を路上で食べてる風景を歩きながら見てると、生CMを見てる感じで家族が欲しくなる。(実際、子どもが生まれて半年でおそと朝ご飯を即実行)

昼ご飯は、路地裏や集合住宅の通り道に、大量の屋台が並び、地面に宇宙一近い椅子とテーブルで、大地とホコリとぬるい風を感じながら、仲間と食べる。暑くて、油がすごい攻撃的、でもそれもなぜか溶け合い、街の色気に変化。食べ終わると、フルーツが安くて美味しいので、路上にフルーツを広げて販売してるおばあちゃんに好きな果実を指さしながら、カットしてもらい、つまようじでつつき、ゆっくりオフィスに戻る。ベトナムは四季がなく二季(雨季と乾季)だから、なんか趣がないよね!とほざいてる暇がない位、ランチで街から感受性を育むレッスンを受ける。

夕方から夜がおそと呑みごはんの真骨頂。ベトナムの仕事終わりは17時半が基本。そこからの一時間、昼か夜かどっち?タイムが一日の街のメインイベント。

今日一日離れていた家族にようやく会える!家族に会ったら何しよう?ご飯は外で何食べよかな?そのあと一緒に買い物にでかけよう!という10時間コトコト寝かせた家族を想うエネルギーが、街をクラクションと一緒に包み込む。

「そーよ、幸せは、とどのつまりこれこれ!」と叫びたくなる。

その勢いが一番強烈なのが家族でご飯を食べるおそと呑みごはんの屋台やレストラン。家族にこれから再会する喜びと再会できた喜び、そこにゆーっくり幕が下りて、今日の第二幕が上がる様な赤い夕焼け。それがだんだん想いの分量と共に暗くなりながら、家族揃ってのおそと呑みごはんがスタートする瞬間、すべてが溶け合い一つになる感覚がたまらない。

加えて友達同士の家族で一緒にご飯を食べると×3倍の喜びで、栄養ドリンクいらずで明日へのパワーチャージ完了。両家族同士が全く盛り上がってなくても、「大好きな友達が大好きな家族と一緒にご飯食べるのを見るだけでうれしいし幸せになる!」というベトナム人の感性がフルスロットル。日本人なら、「そんな関係じゃまだないし、仕事帰りに盛り上がらなかったら面倒だし」などと、先回り上手になってる自分を突き付けられて、痛心地よし。

日本で疲れてる人に動画で撮って見せたい!「日本人は頭いいからまじめに考えすぎだよ!」と若者まっすぐ上から発言をつまみに、ビアぐいぐい飲みも結局一度も実行せず。あの時の自己酔っ払い加減と、そんな疲れてるに人に帰国後ちゃんとなってる、自分の変化にさえ花束を。(あの動画を見たら、逆に今踏ん張れなかったかも)

日本でもゼロじゃないのは、半年で学んだ最高の学び。日本では、週末の公園や河川敷、イベントなどでかわいいテントを張って、おそと呑みごはんが繰り広げられている。

そこには、僕が望んでいた家族との風景や、喜びのエネルギーを確かに感じる。ちょっと控えめでシャイな日本人家族はゴザやブルーシートから、より個室感のあるテントを手に入れて、ファミリー感を取り戻したんだと。お父さんの心の叫び、「日本でも実は結構求められてるんだ!」という気概も。

私が子どもの時のテントは完全に山登りや非日常だった。せいぜい年に数回。それが今や週末というマックス年96回行けちゃう位までに。日常と非日常の間には来てる。昔の日本にも絶対あった風景なはずだし、それを新しい形で取り戻し始めてる。こんなに急速にマーケットが右肩上がりな業界は、この成熟しきった日本社会にあるでしょうか?

今の日本に必要な、おひとり様問題、少子高齢化、シニア活用、社会のセーフティネット問題は、結局全部名前が違うだけ、ゼロファミリー感、とどのつまり、大地と家族につながるおそと呑みごはんにつながっている。

今の日本でやるべきことは、平日におとそ呑みごはんを取り戻すこと。

消防法も衛生法ももちろんいつもはありがとう。ただそれを週一日だけ閉店してもらう。全部取っ払って、駅前やオフィス街で屋台出せる、テント張れる、路地裏で机と椅子持ってきて宴会できる、街をキャンプ場や公園、河川敷にする。そこで起きるエネルギーはきっと今の日本人の幸せ度数の改善にももちろん影響するし、毎日の労働意欲も上がる。

ベトナムは新興国でモノがないから元気!は半分正解。

身近におそと呑みごはんがない国のGDPが上がるはずがない。

著者紹介
おそと呑み研究所所長 加藤将司

某外資系人材紹介会社 勤務

ベトナムのおそと呑みをこよなく愛し、その素晴らしさを広めるため、日々普及活動に勤しんでいる。おそと呑み親善大使に任命してもらうことが、目下の目標。(どこから任命されるのかは不明)

おそとでベトナムでのキャリア相談を受けたい方はコチラ


おそと呑み研究所
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトジェットエア、ダナン~クアラルンプール線を就航 (12:18)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は26日、南中部地方ダナン市とマレーシアのクアラルンプールを結ぶ直行便を就航した。  同路線は週7往

中部で大雨、ホイアン旧市街で観光客4万人避難 (6:58)

 26日から27日にかけての24時間に、ベトナム中部では激しい雨が降った。北中部地方フエ市では、降水量が1086mmに達し、過去の記録を超える前例のない大雨となった。  事前の備えがあったため、中部地方の人...

チン首相、ロシア副首相とマレーシアで会見 原発交渉加速で一致 (6:18)

 マレーシアの首都クアラルンプールで26日に開幕したASEAN関連首脳会議に出席するため、同国を訪問しているファム・ミン・チン首相は27日午後、ロシアのアレクセイ・オベルチュク副首相と会見した。  チン首...

サイゴン動植物園にそびえ立つ樹齢160年・高さ62mの大木 (26日)

 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)のサイゴン動植物園には、樹齢160年余り、高さ62mの「サークー(xa cu)」の木がそびえ立つ。学名は「カヤ・セネガレンシス(Khaya senegalensis)」で、ムクロジ目センダン科カヤ...

第20回東アジア首脳会議(EAS)開催、南シナ海の状況に深刻な懸念 (5:54)

 マレーシアの首都クアラルンプールで27日午後、第20回東アジア首脳会議(EAS)が開催され、ベトナムからはファム・ミン・チン首相が出席した。日本からは茂木敏充外務大臣が代理出席した。  地域・国際情勢に...

第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議開催、枠組み協力推進 (5:22)

 マレーシアの首都クアラルンプールで27日午前、第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議が開催され、ベトナムからはファム・ミン・チン首相が出席した。日本からは茂木敏充外務大臣が代理出席した。  ASEAN+3は、ア...

タイのシリキット王太后死去、ベトナム首脳陣が弔電 (4:31)

 タイのシリキット王太后が24日に死去したことを受けて、ルオン・クオン国家主席は27日、ワチラロンコン国王(ラーマ10世)宛てに弔電を送った。  また、ファム・ミン・チン首相も、アヌティン・チャーンウィ...

デジタルハリウッド大学、ズイタン大学とハッカー教育で協力 (4:02)

 文部科学省認可の株式会社立大学として2005年4月に開学したデジタルハリウッド大学(東京都千代田区)は9月14日、ハッカー育成の強化を図るべく、南中部地方ダナン市のズイタン大学と包括的連携協定(MoU)を締結し...

ゲアン省でニンニク栽培の農業機材譲渡式を開催、JICA支援事業 (3:55)

 国際協力機構(JICA)は、ファーマーズ協同組合(香川県善通寺市)が提案した「ベトナム国ゲアン省さぬきニンニクのバリューチェーン構築に係る普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)」を2023年から2026年に...

ベトジェットエア、国内線運賃0VNDキャンペーン実施 3日間限定 (2:04)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、年末の旅行シーズンに合わせて、10月29日(水)から31日(金)までの3日間限定で、すべてのベトナム国内線を対象にエコ

日越外相がマレーシアで会談、連携深化で一致 (28日)

 マレーシアを訪問中のレ・ホアイ・チュン外相と茂木敏充外務大臣は、現地時間27日午後6時15分(日本時間同日午後7時15分)から約20分間にわたり、会談を行った。  茂木外相は冒頭、大臣就任に対するチュン外...

CLV首相がワーキング朝食会、国防・経済協力の強化で一致 (28日)

 マレーシアの首都クアラルンプールで26日に開幕した第47回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席するため、同国を訪問しているファム・ミン・チン首相は27日朝、カンボジアのフン・マネット首相およびラオス...

ASEAN首脳会議、チン首相が各国要人と会見 高市新首相とも会談 (28日)

 ASEAN関連首脳会議に出席するため、マレーシアの首都クアラルンプールを訪問中のファム・ミン・チン首相は26日、カオ・キム・ホンASEAN事務総長と会見した。  事務総長は、ベトナムをASEANにおける主要かつ...

台湾鴻海、バクニン省の孫会社に23億円追加投資 (28日)

 電子機器受託生産(EMS)で世界最大手の台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology Group=鴻海)傘下のシュンシン・テクノロジー・ホールディングス(ShunSin Technology Holdings)は、子会...

米インテル、コスタリカからベトナムに一部生産移管を計画 (28日)

 米国の半導体大手インテル(Intel)は、グローバル生産体制の最適化を進める中で、中米コスタリカ工場における組立・封止・検査工程の一部をベトナムへ移管する計画だ。  この計画は、ホーチミン市人民委員会...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved