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第15回【こんな果物見たことない!】ベトナムで食べたい南国フルーツ8選

2020/11/16 10:10 JST配信

みなさん、こんにちは!ホーチミン在住のベトナム人 ICONIC のHanです。コラム 「【日本人が知らない】ディープなベトナム案内」 では、ベトナムでの旅行やグルメ・文化・ショッピング・その他おもしろ情報を発信していきます。

南国のベトナムで生活する上で楽しみなことの1つに、鮮やかな色のひんやり冷たい果物を味わうことが挙げられます。真っ赤なスイカに齧りついて、口に広がる爽やかさと甘さを感じたり、様々な果物から作るヘルシーで美味しい シントー (ベトナム版スムージー)を飲んだり…、想像しただけで涼しくなりますね!

ベトナムは東南アジアでも フルーツ王国 として知られており、訪れた誰もが数千にも及ぶ品種やその味、変わった形状などに驚かされます。それらはかつて新しい品種を海外で発見し、ベトナム国内に持ち帰って栽培したことが始まりとされています。その後も、多くの生産者や研究者は現状に留まらず、新しい苗木や果物の研究に余念がありません。そんな訳で、今回はベトナムのちょっと変わった果物について、私と一緒に研究していきましょう。日本では見ることのない珍しい南国フルーツに、びっくりすると思いますよ!

小玉スイカ

最初に紹介するのは、小玉スイカです。 ベビースイカ とも呼ばれており、メキシコや中米諸国に起源があります。ベトナム国内では ラムドン省 のダラット市で多く栽培されています。

種を植えると苗木が育ち、画像のように枝に実が成ります。手のひらサイズで重さは200~300g、 熟すと黄色っぽくなり、紫色の筋が浮かびます 。中身の種が少ないのも普通のスイカとの違いです。ベビースイカは甘みが少ないものの、水分をたくさん含んでいるため、砂糖と混ぜてシントーを作るのに適しています。また、 スイカは縁起物 とされており、テト旧正月)にお供え物として飾られます。

ユニークな色合いの小玉スイカ

引用: Chudu24

紫色の竜眼

メコンデルタの名物といえば 竜眼 (リュウガン/ロンガンとも言う)です。ライチよりも小ぶりで、茶色い皮の中にツルっとした白い果肉が入っています。しかし、今回紹介したいのは竜眼の中でも特別な 紫色の竜眼 です。

この紫竜眼は見た目だけでなく産地も特別で、ベトナム全土でもメコンデルタに住むTran Van Huy(チャン・バン・フイ)さんのもとにのみ生息しています。17年前、普通の竜眼を育てていたフイさんの庭に紫竜眼の枝が突然現れ、驚いたフイさんはその枝を切って植え直し、その後枝が成長して綺麗な紫色の竜眼が実ったそうです。フイさんはこの苗木を近所の人にも分け与え、今では彼の住む ソクチャン省 は紫竜眼の産地として全国に知られています 。ただし、タイ・台湾・中国などの国外から苗を求めて来た人には誰にも売らず、「神様がくださったご縁」として、地元で大切に育てているそうです。

鮮やかな紫色の竜眼

引用: 24h.com

2色のココナッツ

次はちょっと不思議なココナッツを紹介します。Nguyen Chi Cuong(グエン・チ・クオン)さんという農業技術者が6年の歳月を経て研究し、繁殖させたとされる アドナ・ココナッツ です。

通常、ココナッツは背の高い木になっていて黄緑色の見た目をしていますが、アドナ・ココナッツは手を伸ばしただけで取れる背の低い木になり、 黄色とオレンジ2色の鮮やかな色合い となっています。この品種は病気に強く、1本の木に300~350もの実をつけ、1個あたりの重さは最大2kgにも上るという生産効率の良さです。1個5万~15万VND(約225円~675円)で売られています。クオンさんはホーチミン市12区にココナッツ農園を持っており、多くの観光客を受け入れています。来園者は生のココナッツを味わったり、付近で釣りや水上自転車を楽しむことができますよ。

綺麗な色合いの2色ココナッツ

引用: Vietnam net

果肉が赤いりんご

りんごといえば赤い見た目をイメージすると思います。今回紹介するのも一見したところ普通のりんご。ただ、齧ると皮だけでなく、 中から赤い果肉が出てくるりんご です。初めて食べる方はびっくりすると思います。このりんごは、2014年にスイス人がベトナムに輸入したことが始まりです。次第に好んで食べる人が増え、今では多くの農家で栽培されています。2色ココナッツのように低い木(高さ1~2m)になり、病気に強く、外来種ながらベトナムの気候に合う、育てやすい品種です。18~24ヶ月ほどで収穫できます。

いくつかの研究資料によると、この赤いりんごは栄養価が高く、 ビタミンが豊富で抗酸化作用がある など、健康にとても良いそうです。もし私の家に庭があれば、絶対にこのりんごを育てます!鮮やかな赤色が綺麗ですし、育ちやすくて栄養もあって美味しい!メリットしかありません。

切るとびっくり!ぜんぶが真っ赤!

引用: Hat Giong

黄金ミルクフルーツ

みなさんはベトナムの ミルクフルーツ を食べたことがありますか?丸い形状で皮は緑色、中はミルクのように白く柔らかい果肉が入っていて、この果肉が名前の由来となっています。今回お伝えしたいのは輝く高価な 黄金ミルクフルーツ です。

黄金ミルクフルーツにはアビウ・ミルクフルーツ、スターアップル、水晶柿といった別名もあります。写真のようにパキッとした黄色で、皮は薄く、切ると種が1粒だけ入っていて、良い香りがします。ルーツは ビンフック省 にあり、現地に50本だけあった苗木を生産技術を応用して栽培、自動給水システムを導入するなどして、数千本まで増やすことに成功したそうです。

ベトナムでは高級フルーツ として扱われ、輸入品を扱う青果店などで1個30万~35万VND(約1350円~1576円)で売られています。紙に包んで冷蔵庫に入れると1週間ほど保存できます。

眩しい黄金色のミルクフルーツ

引用: SOHA

034アボカド

アボカド の美味しい食べ方といえば、ベトナム人ならすぐにアボカドシントーを思い浮かべます。そして、美味しいシントーを作るためには美味しいアボカドを選ぶことが1番大切です。 「アボカドの王様」として知られている034アボカド は、下の画像の通り特徴的な外見をしています。普通のアボカドよりも30?程度長く、重さは300~800gでまるでヘチマのようです。

034アボカドは、Nguyen Dang Trung(グエン・ダン・チュン)さんという農家の方が13年の研究と投資を経て栽培した成果です。彼は長年アボカド畑の開拓や品種を探していて、どこかで新種が見つかったと聞きつければ、すぐさま飛んでいくという熱心な研究者です。そしてついに、 タイグエン省 にあるBao Lam町で古木のアボカドを発見し、接ぎ木の許可を得て034アボカドの栽培に成功したのです。

その過程でチュンさんは何度も失敗を重ねましたが、改良を繰り返し、034アボカドは現在ベトナム各地で栽培されています。9月~12月が旬で、みなさんは市場やスーパーに行けば手頃な価格で購入できますよ。アボカドは 粘膜の炎症や潰瘍を防ぎ、抗酸化作用もある と言われ、健康をサポートしてくれる果物です。

へちまのように長い 034アボカド

引用: GIONGCAY.net

カラオレンジ

カラオレンジとは、 果肉が濃いオレンジ色の品種 を指します。起源はベネズエラにあり、アメリカに輸出されその後オーストラリアに渡り、現地の在留ベトナム人が持ち帰ったことで広まりました。一般的なオレンジよりも大きく、重さは約200g、皮は薄くて黄色で、切るとたっぷりの果汁が出てきます。中に種はなく、少し酸っぱいグレープフルーツのような味がします。

研究者の間では、カラオレンジはビタミンが豊富で がん予防が期待できるとされており、特に女性の身体に良い そうです。ジュースにするより生で食べたほうが良いとも言われています。

燃えるような色のカラオレンジ

引用: vov

サチの木

最後に紹介するのはサチの木、別名サシャインチです。なんと1000年以上前からペルーに生息しており、2007年に行われたパリの食品展覧会がきっかけで世の中に知られることとなりました。2010年にはSachiVinaという企業や農業大学がベトナムに持ち帰り、4年ほど試験的に育成した後、現在はタイグエン省にて広く栽培されています。

サチの木はつる植物で高さは2mほど。ハート型の葉が生い茂っています。実が星型になり、中には4~8つの種が詰まっています。木の寿命は15~30年と長く、長期に渡って栽培できます。

私がみなさんにサチを紹介したい理由は、 種の部分が豊富な栄養素を持つスーパーフード として知られているからです。いくつかの統計データによると、種には身体機能をサポートする大切な不飽和脂肪酸が含まれており、オメガ3脂肪酸48~58%、オメガ6脂肪酸30~36%、オメガ9脂肪酸8~13%の含有量になるそうです。サチの種はスキンケア用品に使われたり、お茶のティーバッグやドライシードの状態で摂取できたりします。ただし、ベトナムでは生産量を増やしている最中であるため、少し高価です。

サチ/サチャインチ

引用: TÂN TÂN

以上がみなさんに紹介したいベトナムのちょっと風変わりな、でも美味しくて身体に良いとされる果物です。私もまだ全てを試したわけではありませんが、病気の予防や健康維持のためにも、必ずこれらを見つけ出して食べるつもりです。農業技術の発展とともに、ベトナムの農業研究機関や農家の人々が、このような私達の国の「果物コレクション」をもっと豊富にしてくれるものと信じています。

著者紹介
ICONICベトナム
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