ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
RSS
Login
 ようこそ ゲスト様 
VietJo ID

【第54回】一人当たり平均月収から見るベトナムの地域格差について

2021/07/16 22:00 ICT配信

VIETJOベトナムニュース でも記事の掲載がありましたが、先日ベトナムの統計総局(GSO)が2020年の世帯生活水準調査を実施しました。 ビンズオン省 が最高の平均月収額だったという結果に驚いた人も少なくないかと思います。細かく見ると色々ツッコミどころのあるデータではありますが、今回は、この統計総局のデータを元に ベトナムにおける都市別の生活水準 について見ていきたいと思います。

省・市ごとの月間平均所得

統計総局のデータを元に各省別のデータを地図上に落とし込んだものが以下の図になります。緑色の省は平均収入が高い省、赤色は平均収入が低い省になります。 月間平均所得が700万VND(約3万3650円)を超えるビンズオン省 や、650万VND(約3万1250円)程度のホーチミン市、その他、ハノイ市、ドンナイ省、ダナン市、カントー市などの地域の平均収入が高いのが地図上から見て取れると思います。 平均月収が最も高かったビンズオン省と最も低かった ディエンビエン省 では平均月収に4倍の開き があります。各省別の数字もかなりバラつきがあり、こういった収入格差が地方から都市部への人の流れを産んでいます。

( 画像を拡大 )

地方ごとの月間平均所得

このデータを地方別に展開したものが下図となります。こうして見るとホーチミン市やビンズオン省、ドンナイ省などのある東南部地方とハノイ市、ハイフォン市のある北部紅河デルタ地方の二つの地方の平均月収が高いのが分かります。北部紅河デルタ地方(月間平均所得=500万VND(約2万4040円))と北部山岳地方(同=275万VND(約1万3220円))は 隣接しているものの平均月収で見るとほぼ倍の格差 があります。

( 画像を拡大 )

地方別の収入源は?

この統計データでは収入源に関するデータも掲載されているのですが、収入源を地方別で分析したのが以下のデータになります。この収入源は「給与・賃金」「農業・林業・漁業などからの収入」「その他製造収入」「その他」で構成されているのですが、例えばホーチミン市・ビンズオン省などのある東南部地方の65%が給与・賃金からの収入などに対して、中部高原地方では同数値が41%に留まる代わりに、「農業・林業・漁業」や「その他製造収入」の割合が高いことがわかります。一概には言えませんが、 地方別の収入源に大きな違いがあり、大都市では企業勤務者の割合が多い ことが窺い知れます。

( 画像を拡大 )

省・市ごとの人口と購買力

このような形で地域ごとの所得を見ると、例えばダナン市、カントー市などの地域も市場展開の観点から魅力的に映ります。一方で、市場の魅力を考える場合には、一人当たりの購買力だけでなく、 「購買できる人の数」=「人口」 を考慮する必要があります。そこで省別の人口を地図上に落とし込んだものが以下になります。900万人の人口を誇るホーチミン市と800万強のハノイ市の二都市の人口がずば抜けているのが地図上に落とし込むと非常に分かりやすいかと思います。例えば、平均月収ではダナン市などもある程度の水準を占めるのですが人口は100万程度ということでホーチミン市の1/9程度です。

( 画像を拡大 )

「一人当たりの購買力」x「人口」の二つを考慮すると、やはりホーチミン市・ハノイ市の2都市の市場性は他の地域を大きく上回っています。それ以外の都市も大きな投資が行われたり、高い成長を続けていますが、人口を考慮に入れるとなかなか効率的な攻め手が見当たらない企業も少なくないようです。人口9000万を超えるベトナムですが、ホーチミン市・ハノイ市の1700万人を先ずはターゲットに市場開拓を行うのが現実的であり、一方で他の東南アジア新興国と異なり攻めるべき場所が2箇所ある点がベトナム攻略を難しくしている一つの要素ではないかと思います。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースと自社過去記事を参考に記事を編集・制作しています   利用規約   免責事項
新着ニュース一覧
タイWHA、ダナンで新たな工業団地開発へ 投資総額1.05億USD (4:16)

 南中部地方ダナン市人民委員会はこのほど、WHAダナン工業団地のインフラ整備・運営事業について、投資方針および投資主を承認する決定第4602号/QĐ-UBNDを発出した。  投資主は、タイの工業団地開発大...

ホーチミン:メトロ2号線工事で交通規制、中心部の通りなど (4:01)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)が推進する同市メトロ2号線(ベンタイン~タムルオン間)の建設工事に伴い、同市建設局は10日から、同市中心部の一部の通りや主要交差点で交通規制を実施している。...

26年7~9月のバイク販売台数+10.4%増、1~9月期で200万台突破 (3:56)

 ベトナムバイクメーカー協会(VAMM)が発表した2026年7~9月の加盟6社の二輪車販売台数は、前年同期比+10.4%増の68万6661台となった。これにより、1~9月期の累計販売台数は200万台を突破した。  VAMMの加盟...

私財を投じて地域を守る、ドンタップ省の有志消防隊 (11日)

 南部メコンデルタ地方ドンタップ省タンタイン村(xã Tân Thạnh、旧タインビン郡)のファム・バン・ヌンさん(男性・54歳)は、自費で15億VND(約910万円)近くを投じて大容量ポンプ6台を購入し、有志...

T&Tグループ、ラオスで風力発電所開発へ 投資総額7.7億USD (3:53)

 地場系コングロマリット(複合企業)T&Tグループ(T&T Group)はこのほど、投資・貿易会社のビナコム(Vinacom)との間で、ラオスでの第2サバン(Savan)風力発電所の開発・運営に関する協力覚書(MoU)を締結した。 ...

ハノイ:旧市街で文化産業センター着工、27年完成へ (2:51)

 ハノイ市ホアンキエム街区(phường Hoàn Kiếm、旧ホアンキエム区)でこのほど、グエンティエントゥアット(Nguyễn Thiện Thuật)通り17番地とタインハー(Thanh Hà)通...

世界で最も影響力のある科学者1万人、ベトナムから9人ランクイン.. (2:32)

 出版社エルゼビア(Elsevier)が発表した2026年版の「世界で最も影響力のある科学者」上位1万人のランキングで、ベトナム人科学者9人が選出された。  同ランキングでは、科学界における影響力を示す指標とし...

26年1~9月期の海外派遣労働者10.2万人、年間目標の91% (1:34)

 内務省傘下の海外労働管理局(DOLAB)の最新統計によると、2026年1~9月期に海外へ派遣されたベトナム人労働者数は前年同期比▲6.81%減の10万2001人となり、年間計画(11万2000人)の91.07%に達した。  派遣先...

ホーチミン:ベトナム国際繊維産業展示会、10月14日から開催 (0:39)

 ホーチミン市で10月14日(水)から17日(土)まで、「ベトナム国際繊維産業展示会(VTG 2026)」が開催される。  同展示会には11か国・地域から400ブランドが参加し、1万5000m2の会場に800ブースが設けられる。繊...

ベトナム:働きたい企業、ビンパールとベトテルIDCが各部門首位 (10日)

 求人・求職プラットフォーム大手キャリアベト(CareerViet)は、市場調査会社アムコ・ベトナム(Amco Vietnam)の協力のもと、8日にホーチミン市で「働きたい企業2026」の表彰式を開催した。今回の調査には8万2484...

ベトナム・カンボジア首脳会談、貿易額200億USD目標で一致 (10日)

 レ・ミン・フン首相は9日、カンボジアを公式訪問し、同国の首都プノンペンでフン・マネット首相と会談した。両国間の経済的な連携を強化し、二国間貿易額を将来的に200億USD(約3兆1600億円)へ引き上げる方針で...

WTAアジア版、ベトナムのリゾートや航空会社などが44部門に選出 (10日)

 世界の観光業界の「オスカー」とも称される「ワールド・トラベル・アワード(World Travel Awards=WTA)」は、アジアの観光をリードするホテルやリゾート、航空会社、旅行会社などを選出した2026年版のリストを...

米誌「世界で最も魅力的な国2026」、ベトナムが10位 日本1位 (10日)

 米国の大手旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー(Conde Nast Traveler=CN Traveller)」が発表した読者投票ランキング「リーダーズ・チョイス・アワード2026」の米国版および英国版で「世界で最も魅力的な国」の...

「にいがたベトナムフェスティバル」、10月11日・12日開催 (10日)

 新潟県は、10月11日(日)・12日(月)の両日、「にいがたベトナムフェスティバル2026」を新潟県長岡市のハイブ長岡で開催する。開催時間は各日10時00分から16時30分までで、入場無料となっている。  同イベン...

ヤマト運輸、ザービン空港で高度物流ハブ構築へ 地場と基本合意 (10日)

 ヤマト運輸株式会社(東京都中央区)は8日、急成長中の地場系新興不動産会社であるマステライズ・グループ(Masterise Group)傘下のマステライズ・アビエーション・インフラストラクチャー(Masterise Aviation Inf...

越日・日越辞書(8万語収録)
©VIETJO ベトナムニュース 2002-2026 All Rights Reserved