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【第16回】コロナ禍、子どもたちへの保育

2022/04/28 10:00 JST配信

オンラインでの保育

本来であれば、絶対に選択したくないメソッドです。休園当初は、週3回くらいの割合で、先生たちの動画配信を行なっていましたが、この状況が続くかもしれないとなった時に、幼稚園の保育対策としてオンラインでの保育体制を組まざるを得なくなりました。

週3回の動画配信もどこかの動画をコピーして配信するのではなく、子どもたちを想像しながら、担任としてできることを考えていきました。この時期は一方的に配信するというものでした。しかし休園が長引くことを踏まえ、完全にオンラインに切り替える方向に転換することを決定しました。保育者も今まで経験がないことでしたので、実施するまでにかなり悩みました。今までにやった事がない、しかも目の前に子どもたちがいない状況でどう保育をやっていくのかという不安が募りました。幼児なりにオンラインでの保育のルールを学ぶことなど必要なことを話し合い、9月からスタートとなりました。

年幼・年少は親子で、タブレットやディスプレイの前で集中できない場合は無理に参加しないことを保護者の皆様にはお願いいたしました。実際6ヶ月間のオンラインとなりましたが、いろいろなことを考えさせられ、また保育のあり方も見直しや確認ができました。

幼稚園再開~子どもたちの様子~

登園が始まりました。年長組は久しぶりの登園に喜んで実際に今までの友達と直接会えることを本当に喜んでいました。磁石の両極が吸い付くように、一緒にいることを求めているようにも見えました。

ところが、ほぼ9ヶ月の間、幼稚園の生活はしていないわけですから、オンラインで顔を合わせているといっても、そこで作られているのは保育者とその子という1対1の関係でしかありません。

特に年長組は卒園を控えているものの、ほとんどクラスでの活動ができなかったことが気がかりでした。クラスの仲間と協力して何かを作り上げる経験や、何人かの仲間と意見を交わしながら物事を進めていく活動や遊びをする時間が全くありませんでした。気の合う仲間とは数人で好きな遊びをしていきますが、幼稚園で育って欲しい最終の姿ではありません。

年幼組から年中組については基本的生活習慣も含めた自立の問題が気になりました。特に食事のマナーから偏食に関しては幼稚園での生活があったのであれば、幼稚園とご家庭で、いろいろ相談しながらその子に相応しい方法を見つけていくことが、早めにできたのではないかと考えてしまいました。「幼稚園」の役目、使命を考えたとき、小さい時期だから9ヶ月ぐらいの休園なら大きな影響はないと思っているとしたら大きな問題かと思います。この幼児期だからこそ、直接人に触れて、他者との人間関係をどう作っていくのかを学ぶ最初のステップの時なのです。おもちゃの貸し借りが、泣いている子供に寄り添って慰める保育者の温かさが、子どもたちの成長を助けていくと私は思っています。

また子どもを理解していく上では、家庭と幼稚園との連携が大切な要因であると思いました。コロナ禍で、最初はすべがわからず途方にくれましたが、こういう時期だからこそ大人が考えて子どもたちに与えていかなければならない教育があると改めて確信しています。

著者紹介
多々内三恵子
おおぞら日本人幼稚園理事長・園長。

タオディエン日本人幼稚園園長。

静岡大学教育学部附属幼稚園・青山学院幼稚園教諭を経てホーチミンで日系幼稚園を開園。

日本の保育を真摯に、かつユニークに展開中。

子どもの世界の面白さを語ったら止まらない。

>> おおぞら日本人幼稚園ウェブサイト

>> タオディエン日本人幼稚園フェイスブックページ
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