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【第61回】ベトナムの小売はコロナ後どう変化したのか?

2023/04/18 14:00 ICT配信

ベトナムの小売の状況は、特にCOVID-19以降、着実に変化しています。あらゆるカテゴリーでオンラインショッピングがこれまで以上に一般化した一方で、実店舗への大きな投資も行われています。2023年のベトナムのカテゴリー別店舗数の推移から、ベトナムの最新小売トレンドを見ていきたいと思います。

食品小売:Winmart系が復活、Bach Hoa Xanhはリストラ中

スーパーマーケットの数は長年安定していますが、ミニスーパーの数は5年間で倍増しており、このカテゴリーはベトナムローカルの小売業者2社(Bach Hoa Xanh、Winmart+)が牽引しています。Winmart+は地場の食品コンゴロマットのMasan Groupが運営している食品スーパーです。元々はVingroupが運営していたものをMasan Groupに売却後、不採算店舗のリストラが行われました。しかしその後、不採算店舗のリストラクチャリングが完了し、2022年には500店舗近くをオープンさせています。一方、Mobile World Group傘下のBach Hoa Xanhは、毎年店舗を急速なスピードで拡大させえていましたが、積極店舗拡大が祟り、2022年には20%近い店舗を閉鎖するに至っています。

成長分野:ドラッグストア・化粧品チェーン店舗が成長

業種別の傾向を見ると、店舗展開で最もホットな業種はドラッグチェーンではないでしょうか。ドラッグチェーンの数は、この2年で2倍以上に増えています。ベトナムには、古くからの伝統的な薬局店舗の数が非常に多いのですが、都市部や郊外を中心にチェーン店舗の拡大が進んでいます。同じような傾向は化粧品業界にも見られており、例えばHasakiなどの化粧品チェーンは2022年に積極的に出店活動を拡大させています。経済の成長による消費の拡大がチェーン店舗の多様化をもたらしています。

鈍化分野:ミルクティーとミニストア

店舗数が増えている業種がある一方で、最近減速している業種も見受けられます。そのひとつがミルクティー専門店です。数年前、他の東南アジアの国々から少し遅れる形でミルクティーの人気が爆発したことがありましたが、最近はその傾向が鈍化しているように思います。ミルクティーのお店が減る一方で、カフェチェーンが急激に増えています。これは、Highlands CoffeeやPhuc Longといった大手カフェチェーンが、ミルクティーの需要を取り込むべく、メニューを充実させたことに加えて、ミルクティーチェーンは元々テイクアウトを主流としていたため、オンラインデリバリーにより需要が取り込めるようになったことも大きいと思います。

もうひとつの鈍化カテゴリーは、ミニストアの動向です。Miniso、Mumuso、Minigoodなど、様々な生活用品を手頃な価格で販売する店舗が数年前から大きく店舗数を増加させました。これらの店舗は、特にHCMやハノイ以外の地域では閉鎖されています。商品単価が安い割に不動産価格が高いため利益の確保が難しかった点が背景にあるのではないかと思います。

難しい郊外都市進出とオンラインの成長

今、多くのグローバルな小売業者がベトナムの急成長する市場を獲得するチャンスに目を向けており、小売店舗への大型投資もここ数年行われていることから、店舗の増加や減少のトレンドが以前よりも大規模に見られるようになりました。一方で、ベトナムにはホーチミン・ハノイの2大都市以外の市場規模が大きく多くの企業が郊外への店舗拡大に苦戦する一方で、オンライン市場が急激に成長しており小売市場はより複雑化しています。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


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