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気候変動対策のために世界の資本を動員する活動を行う英国の国際組織「クライメート・ボンド・イニシアチブ(Climate Bonds Initiative)」と香港上海銀行(HBSC)は、ASEAN地域におけるサステナブルファイナンス(持続可能な社会を実現するための金融)に関するレポート「ASEAN Sustainable Finance - State of the Market 2021」を発表した。
レポートによると、2021年にASEANのサステナブルファイナンス市場は大きく成長し、うち「グリーン」(資金の使途が環境課題の解決に資する事業に限定)、「ソーシャル」(同社会課題の解決)、「サステナビリティ」(同環境と社会課題の解決双方)(=GSS)ボンド/ローンの発行/組成額が2020年の136億USD(約1兆8400億円)から+76.5%伸びて240億USD(約3兆2400億円)に達した。サステナビリティ・リンク・ボンド/ローン(事前に設定されたサステナビリティ目標の達成状況に応じて債券構造や融資条件が変化)は2020年の86億USD(約1兆1600億円)から+220%伸びて275億USD(約3兆7100億円)に達した。
ベトナムでは、GSSが2020年に3億USD(約405億円)だったところ、2021年には15億USD(約2030億円)と約5倍に伸びるなど、3年連続で安定成長している。ベトナムのグリーンボンド/ローンの発行/組成額は10億USD(約1350億円)でシンガポールに次いでASEAN2位。なお同年のベトナムにおけるグリーンボンド/ローンの大半は運輸、エネルギー業界で発行/組成されたもの。
2021年のベトナムにおけるGSSボンド/ローン発行/組成の総額の大半を占めるのが、地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)の株式引受権付きのビンパール[VPL](Vinpearl)によるグリーンボンド発行4億2500万USD(約570億円)と、ビンファスト(VinFast)のグリーンローン4億USD(約540億円)。