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- サプライチェーン管理強化が最重要課題
- 7割がASEAN域内の貿易活性化を期待
- 進出先ではタイとシンガポールが人気
シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)のベトナム法人、UOBベトナム(UOB Vietnam)が発表した「2025年の企業展望調査」によると、ベトナム企業の約60%が今後1年間のビジネス見通しを楽観視しており、46%が海外市場への事業拡大を計画していることが明らかになった。
世界経済の不透明感が強まる中、特に4月2日に米国が報復関税の導入を発表して以降は、多くの企業が潜在的リスクへの対応を進めている。特に、サプライチェーン管理の強化が最重要課題とされており、調達コストの上昇、物流の混乱、在庫管理の複雑化といった課題が浮き彫りとなっている。
これに対し、企業は調達先の多様化や供給プロセスのデジタル化、サプライヤーとの連携強化を急いでおり、国内や近隣地域からの調達を優先する動きも広がっている。
また、企業の約70%がASEAN域内の貿易活性化に期待を寄せており、今後1~3年にわたって最も注力すべき市場として同地域を挙げている。進出先としてはタイとシンガポールが特に人気が高い。一方で、欧州市場も注目を集めており、回答企業の4社に1社が「現在および将来的な重点市場」と位置づけている。
海外展開における主な障壁としては、適切なビジネスパートナーの確保、資金・法務支援の不足、限定的な市場情報などが挙げられた。企業側は戦略的顧客とのマッチング支援(45%)、税制優遇措置(43%)、市場参入向けの資金補助(41%)といった外部支援を求めている。企業の成長戦略としては、デジタル化(61%)と持続可能な開発(56%)への投資が2大テーマとなっている。
短期的には、関税負担の軽減に向けた金融支援(73%)や、影響の大きい業界向けの補助金・減税措置(65%)が必要とされている。中長期的には、自由貿易協定(FTA)の締結やサプライチェーンの再構築・移転支援を政府に求める声が全体の62%となった。