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- サヴィルズ・ホテルズのリゾート市場分析
- 観光需要堅調もホテルの新規供給は減速
- 既存案件が26年以降の主要な投資対象に
英系総合不動産サービス会社のサヴィルズ(Savills)傘下のサヴィルズ・ホテルズ(Savills Hotels)によると、ベトナムのリゾート市場は転換期に入っている。観光需要が堅調に推移する一方、ホテルの新規供給は減速しており、立地に恵まれながらも十分に価値を引き出せていない既存プロジェクトが2026年以降の主要な投資対象になる見通しだ。
サヴィルズ・ホテルズの東南アジア地域の上級責任者であるマウロ・ガスパロッティ氏は、市場の主流は客室数の拡大ではなく、競争力の強化に向けた資産のアップグレードや再配置、運営の標準化に移っていると述べた。特にホーチミン市とハノイ市では、新規供給が鈍化し、既存資産の高度化が投資価値を高めているという。
また、供給の68%超がオーナー直営で、運営改善の余地は大きい。改修や国際ブランドとの提携により、収益性の向上が期待できるとしている。
東北部地方クアンニン省のハロン湾や南中部地方カインホア省のニャチャン、南中部地方ラムドン省(旧ビントゥアン省)のムイネーなどでは、中価格帯に供給が集中し、価格競争が激化している。一方、欧州やインド、北東アジアからの訪問客や国内中間層は質を重視しており、アップグレード可能な案件が有望視されている。
都市部では、用地不足や法規制により新規供給が限定的で、ハノイ市の新規供給は2028年までに約4000室、ホーチミン市も1500室未満にとどまる。これにより、既存資産の価値向上の余地が拡大している。
また、南中部地方ザライ省(旧ビンディン省)のクイニョンや、南中部地方ダクラク省(旧フーイエン省)などの新興市場や北部の衛星地域は、インフラ整備の進展を追い風に注目度を高めている。ただし、これらの地域では商品力の標準化や体験の多様化が不可欠で、新規プロジェクトの開発よりも、既存資産のアップグレードや再配置が資産の価値向上の鍵とされる。
サヴィルズ・ホテルズは、需要の堅調さと供給の制約を背景に、2026年以降は資産品質の最適化が市場の主軸になると分析し、既存資産への再投資を進める事業者が次の成長を主導するとしている。

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