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- S-STECの持分49%をフラーテインに譲渡
- S-STECへの技術的な支援は継続
- 100%出資のベトナム現地法人を設立
半導体デバイス・モジュール製品及び産業用装置の開発・製造・販売などを手掛けるエスタカヤ電子工業株式会社(岡山県浅口郡)は、電子機器受託生産(EMS)で世界最大手の台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology Group=鴻海)子会社の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)の子会社であるフラーテイン・インフォメーション・テクノロジーズ(Fullertain Information Technologies、英領バージン諸島)との間で、エスタカヤ電子工業が保有するサイゴンエステック(SAIGON STEC=S-STEC)の持分49%を譲渡する持分譲渡契約を締結していたが、6月30日付けで譲渡手続きを完了した。
この取引により、フラーテインはエスタカヤ電子工業が保有するS-STECの持分49%すべてを取得するが、エスタカヤ電子工業はS-STECへの技術的な支援を目的として、4月3日付けで同社100%出資のベトナム現地法人を設立した。今後はエスタカヤ電子工業とフラーテインが戦略的パートナーとして、それぞれの経営資源、半導体業界に関する知見、技術力、専門的ノウハウ、ネットワークを活用し、S-STECのさらなる成長を目指していく。
なお、S-STECは今後も「サイゴンエステック」の社名で事業を継続する。エスタカヤ電子工業は引き続きS-STECを支援し、両社の企業価値の最大化に向けて共に連携を深めていく。
エスタカヤ電子工業は2007年9月、同社100%出資の完全子会社としてS-STECを設立した。その後、継続的な大規模投資が必要となり、同社単独での運営が難しくなったため、エスタカヤ電子工業は2018年4月、長年協力関係にあり当時同社の株主でもあったシャープ株式会社(大阪府堺市)にS-STECの持分のうち51%を譲渡して共同経営に切り替え、エスタカヤ電子工業からはS-STECに対して継続的に支援を行ってきた。その後、2021年にシャープはカメラモジュール事業を子会社のシャープセンシングテクノロジー株式会社(奈良県天理市)として分社化した。
2024年12月にシャープがフラーテインと持分譲渡契約を締結したこと、またエスタカヤ電子工業がS-STECに対して実施していた支援に一定の成果と区切りを迎えたことを機に、エスタカヤ電子工業もフラーテインとの間で持分49%を譲渡することで合意し、1月17日に持分譲渡契約を締結した。