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- 持分取得前の不適切な会計処理が発覚
- 買収契約の無効を主張する通知を送付
- SSBとの協議を経て主張を取り下げ
イオングループの総合金融事業を担うイオンフィナンシャルサービス株式会社(東京都千代田区)は、2023年10月にシーバンク[SSB](SeABank)と締結した郵便通信ファイナンス(Post and Telecommunication Finance=PTF)の持分譲渡契約に関連し、PTFの持分取得前の不適切な会計処理が発覚したことを受けて、SSBに同契約の無効を主張する通知を送付していたが、SSBとの協議を経て、その主張を取り下げた。
イオンフィナンシャルサービスは、2025年2月にSSBより持分取得を完了し、PTFを連結子会社化した。しかしその後、イオンフィナンシャルサービスは、PTFで貸倒引当金の過少計上があったことを確認したことから、ベトナム民法に基づき同契約の無効を主張する通知をSSBに送付した。
6月6日以降、両社は協議を継続し、SSBはPTFを保有していた時期に貸倒引当金の過少計上を把握していなかったことが確認された。これを受けて、両社は今後のPTFの事業運営の正常化を目的とした建設的な協議を行い、その結果、両社で協力してPTFの企業成長に取り組むことに合意するとともに、PTFは保有する営業債権の一部を売却することを決定した。
イオンフィナンシャルサービスは、この合意によりPTFの事業が正常化されることが確認できたとして、同契約の無効の主張を取り下げることを決定し、外資100%単独でのファイナンスライセンスの獲得により、ベトナムで事業領域の拡大を図っていく方針だ。
イオンフィナンシャルサービスは、SSBとの合意を受け、PTFの事業計画を再構築した。ベトナムにおけるイオングループとのシナジー発揮による金融ニーズへの対応と金融サービスの拡大を図る方針に変更はない。