独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC:東京都港区)と日本ベトナム石油株式会社(JVPC、JX日鉱日石開発株式会社の子会社)は19日、JVPCが操業するベトナム沖油田の掘削障害防止のため、頁岩(シェール)の坑壁安定性に関する共同研究を実施する合意書に調印したと発表した。
JOGMECとJVPCは、2006年から2009年にかけてJVPCが操業する油田で発生する※坑壁不安定による掘削障害を抑制して掘削に要するコストを低減するためのスタディーを共同で実施してきたが、このほど前回分析対象としていた地層よりも深部の地層をターゲットとして、新たに研究を実施することを決定した。この研究は、JOGMECがこれまで頁岩の分析等を行って得た知見や技術を活かして、掘削現場における岩石の性質を明らかにし、より安全な操業を支援するもの。
この研究で得られる成果は、実際の開発操業プロジェクトにおける今後の掘削作業の指針の策定、さらにはJOGMECとJVPCの頁岩に関する知見を高めるために使用されるという。
※坑壁不安定による掘削障害:掘削した坑井の周囲の岩石が破壊して井戸の中に落ち込むために掘削ビット(井戸を掘るためのドリル)等を動かせなくなる現象のこと。