ホーチミン市ゴーバップ区警察はこのほど、ファム・バン・トアン(男性、31)を詐欺容疑で逮捕した。この事件は、トアン容疑者が同区役所に勤める土地登記室の幹部2人から、合わせて3万2千米ドルを受取り返さなかったというものである。しかし、そんなにもの大金をトアン容疑者はどうやって得たのだろうか。警察の調べによると、トアンは今年7月、この2人の上司である室長が土地汚職容疑で逮捕されたことを知り、「室長が逮捕されたとなれば土地登記室ナンバー2と3のこの2人も潔白なわけはない」と2人の心情が不安定な状況ににつけこんだのである。
ある日、トアンは2人と接触し「俺はある大物の知り合いだ、あんたらの上司、土地汚職で捕まったらしいね。どうにかしないと次はあんたらの番だよ。(暗に、金を払ったらよきにはからうの意)」と脅し、なんのことなく上のような大金を奪うことに成功した。しかしトアンは、実際には大物でも何でもなく、ただの詐欺師。それを知ったこの2人は逆にトアンを詐欺で警察に訴え、トアンは結局警察の取調べに観念し、詐欺容疑を認めた。
そして次の取調べは金を渡した2人の番である。警察官がニヤニヤしながらこう聞いた「一体どうしてこんなにも大金を渡したんだい?何をそんなに恐れているんだい?」