以前はロシアかタイにまで行かなければ見ることができなかった豚レースが、今ではホーチミン市9区のロンビン(Long Binh)競技場、または同市クチ郡の少数民族観光村で楽しむことができ好評を博している。50メートルのコースにゼッケンをつけた豚が現れると、観客は心なしか興奮し始める。
レース中に突然、コース内の草を食べてしまうというハプニングなどがあるものの、一度走り出すとゴールの餌を求め、豚とは思えないほどの速さで走り出す。観客のほとんどがどの豚が勝つかの賭けをしており、中には数100ドルを賭ける人もいる。そういう人はどの豚が速いかという情報収集に余念がない。
レース用の豚はわざわざ中国国境の町モンカイから仕入れ、生後1週間からレース用に厳しい調教が行われる。見目麗しく足が長く、団子鼻で賢い子豚を選び、速さを求め、徹底した食事制限が行われるため、最も太っている豚でも20数キロほどしかないという。今後は障害物レース用に白豚を調教していく予定だ。