南部キエンザン省沖を漂流しているところを保護され、同省で身柄を収容されているミャンマー人水夫が自国での住所を忘れてしまったため手続きが滞り送還できずにいる。
この水夫はヴィートゥンという名前でタイのパッターニからタイの漁船に乗り込み働き出して1年ほど経った今年の4月末、用を足そうと船尾のトイレに立っていたところを波にさらわれて海上に放り出されたという。丸2日間漂流を続けていたところ運よくキエンザン省の漁船が通りかかりヴィートゥンは九死に一生を得た。
その22日後に寄港した漁船の船長から彼の身柄を引き取った同省の国境警備隊は2006年6月9日付の報告No.649/TB-BCHBPを出して同省外務局に身元の確認作業を依頼した。外務局から連絡を受けたミャンマー領事館からヴィートゥンの元に身元確認書が送られてきて事態は収束に向かうかと思われたが、彼が故郷の正確な住所を覚えていなかったという予想外の出来事により現在手続きが滞ってしまっている。今後関係機関がどのような対応を取っていくのか注目される。