9日夜、ロシアの大学に留学中の北部ハイフォン市出身の男子学生タン・クォック・ビンさん(21歳)が、モスクワの地下鉄駅付近の路上で何者かに襲撃され殺害されるという事件が起きた。
事件前、ビンさんは女友だちに会うためプレハーノフ大学の寮を訪れていた。この女性によると、ビンさんが帰途について数分後の午後6時半ごろ、ビンさんからこの女性の携帯電話に「大学の近くで見ず知らずのグループに襲われた」との連絡があったという。この電話を受けて女性が現場に急行した時には犯人らの姿はなく、ビンさんは複数個所を刃物で刺されて全身血まみれで倒れていた。ビンさんは病院に救急搬送されたが、10日午前1時に死亡した。
ロシアではこの数年民族主義の高まりで外国人排斥を唱える極右勢力が台頭しており、最近では経済危機の影響もあって外国人襲撃事件が多発している。ベトナム人が被害者となるケースも珍しくなく、2004年末には20歳の男子留学生が、2008年4月には市場で働く35歳の女性がともに複数の人間に路上で襲撃されて命を落としている。