ハイフォン(Hai Phong)市Hai An区にあるTrang Catゴミ埋立てをめぐり市当局と住民との間で小競り合いが起こり、7日には集まっていた住民を解散させようと出動した公安の機動車両を住民側が横転させる事態にまで発展した。またゴミ埋立て場でも住民がゴミ運搬車両の進入を阻止しており市当局ではここ数日間ゴミの処理ができず毎日市内からでるゴミ数千立方米が行き場所をなくし悪臭を放っている。
この事件の発端は1997年に建設された年間処理能力30万トンのTrang Catゴミ埋立て場の立ち退き補償問題で、当時総額およそ100億ドン(約7000万円)の補償金が支払われる約束であったが、実際は地元役場の幹部に近い12人のみが補償金を得ただけで残りの人々には現在まで補償金が支払われていない中、市当局は既に立ち退き対象者に全額を支払ったと回答しているという住民側と市当局との間の金銭問題と市当局のゴミ埋立て場の管理問題から起こった。
通常ハイフォン市のような大都市に建設されるゴミ埋立て場は住宅地から最低15km以上離れたところに建設しなければならないという規定があるが、ここではわずか1.4kmしか離れておらず、またゴミの上に覆われる土の厚さも規定では40cm以上と決まっているが、経費削減のためわずか半分の20cmの土でしか覆われていない。このように規定に反し建設されたゴミ埋立て場が長年使用されてきた影響で現在では地下汚染が激しく、付近の河川が汚染され、毎日悪臭にも悩まされているおり、7日地元役場で市当局と住民側との間で話し合いがもたれていた。
この話し合いの最中も数千人の住民が役場を取り囲み、またそこから2km離れたゴミ埋立て場でも数百人の住民がゴミ運搬車の進入を阻止していた。6時間あまりに及ぶ話し合いでも双方合意に至らず、会合終了後役場を取り囲んだ住民側が市当局者を乗せた車を役場から出そうとしなかったため午後9時30分になり特別警察113と機動部隊が役場に駆けつけた。
しかし特別警察113と機動部隊は数千人の住民を解散させることができずその後ゴミ埋立て場にも駆けつけたが、興奮していた住民らはこれを阻止し機動隊車両2台を横転させ、さらに特別警察のバイク2台も水路に落とすなどの行為に及んだ。
またこの住民のゴミ搬入阻止行動で9日までにハイフォン市内のゴミ約5000立方米が行き場を無くしており、市当局では臨時措置として市内の旧ゴミ埋立て場3ヶ所に埋立てるよう指示を出したが、これもまた付近の住民の阻止行動に遭い緊急措置として市内の駐車場に一時ゴミを集めている。
現在市当局では関係各局に緊急に指示を出しているが依然としてこれらのゴミの行き先はなく、日に日に膨れ上がるゴミは次第に悪臭を放ち始めている。